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糖尿病3分間ラーニング
合併症を予防しながら糖尿病とともに50年 ベテランの糖尿病患者が示す秘訣
2011年03月31日

 何十年ものあいだ、合併症の発症や進展が抑えられている糖尿病患者の体では、何か保護的な因子がはたらいているのではないだろうか。米ジョスリン糖尿病センターの研究者は、高血糖が続くとたまっていく「糖化最終産物(AGE)」という物質に注目している。

1型糖尿病に関するニュース | 糖尿病ネットワーク

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1型糖尿病に関するニュース
「SGLT2阻害薬」の副作用情報 症状がでたら速やかに主治医に相談を 2019年07月31日
「1型糖尿病を治る病気にする」日本IDDMネットワークの活動 根治・根絶を目指す 2019年07月16日
1型糖尿病の発症を免疫療法で抑える 臨床で世界初の成功 2019年06月12日
『インスリン製剤・インクレチン関連薬・SGLT2阻害薬 早見表2019-2020』を公開 2019年05月22日
低血糖を起こさない「スマートインスリン」を開発 米UCLAの研究チームが成功 2019年05月22日
【リニューアル情報】インスリンポンプ・SAP・CGM取り扱い医療機関リスト 2019年04月17日
「1型糖尿病を根絶するための研究」を支援 日本IDDMネットワーク 2019年04月05日
南米エクアドルで小児糖尿病患者キャンプを開催(「FUVIDA」1) IDAF 2019年03月08日
運転中の低血糖対策として「FGM」と「リアルタイムCGM」を容認 英国 2019年03月01日
幹細胞からインスリン産生細胞を作成 1型糖尿病根治の扉を開ける 2019年02月14日
血糖の異常を感知する「糖尿病アラート犬」が7割の異常を感知 2019年02月14日
「自信と希望」ラミレスさんがもたらしてくれたもの(フィリピンの患者さん) IDAF 2019年02月13日
貼るだけで血糖コントロール 世界初のマイクロニードル型の人工膵臓 2019年01月23日
慢性腎臓病(CKD)対策 透析を防ぐために「睡眠」の改善が必要 大阪大 2019年01月18日
β細胞を増殖させる治療薬を開発 糖尿病の新たな治療法に期待 2019年01月08日
糖尿病を「都市デザイン」で改善 健康になるための「まちづくり」とは 2018年12月27日
心のそこにあるモチベーション 連載「インスリンとの歩き方」 2018年12月26日
欧州で1型糖尿病の発症が増加 患者数は20年間で倍増すると予測 2018年12月17日
【セミナーレポート】「血糖トレンド」の把握が、妊娠中の強い味方に 2018年11月09日
日本の1型糖尿病の患者数は10〜14万人 支援とケアが必要 厚労省研究班 2018年10月19日
1型糖尿病のポテンシャル 連載「インスリンとの歩き方」 2018年10月11日
10歳までに1型糖尿病と診断された患者の心血管リスクは30倍に 2018年09月13日
動画でよくわかる「ISFグルコース値と血糖値のタイムラグ」 2018年09月11日
糖尿病患者さんに向けて「血糖トレンド」啓発キャンペーンを始動 2018年09月05日
超えられる壁 越えられない壁 連載「インスリンとの歩き方」 2018年08月03日
糖尿病の新しい治療 「人工膵臓」の進歩 第78回米国糖尿病学会(1) 2018年07月27日
1型糖尿病患者の心理的負担を軽減する介入法とは? 感情重視または教育/行動介入をRCTで検証 2018年07月27日
1型糖尿病と自律神経と運動 連載「インスリンとの歩き方」 2018年07月03日
1型糖尿病患者が受ける偏見や劣等感は血糖コントロールに悪影響 2018年06月29日
低用量グルカゴンが運動後の低血糖予防に有用な可能性 1型糖尿病患者を対象に従来法と比較 2018年06月14日
米国で糖尿病ケトアシドーシスによる入院が増加 全米入院患者サンプルデータを解析 2018年06月07日
1型糖尿病、ホルモン2剤併用人工膵臓は運動中の低血糖を抑制 2018年05月25日
外来の1型糖尿病患者に対する人工膵臓は有効 40件のRCTをメタ解析 2018年04月26日
日本IDDMネットワークが新たな研究支援 「1型糖尿病を根絶」 2018年04月17日
1型糖尿病とシックデイの不安 連載「インスリンとの歩き方」 2018年04月09日
膵島移植で1型糖尿病患者のQOLが改善 第3相試験データを解析 2018年04月05日
1型糖尿病妊婦にクローズドループポンプ療法が有用 SAP療法とのクロスオーバー試験 2018年03月29日
インスリン経鼻投与、短期投与の安全性に問題なし 長期的な安全性については要検討 2018年03月22日
1型糖尿病発症後早期の予後因子に人種差[HealthDay News] 2018年03月15日
糖尿病の膵島移植の画期的な方法を開発 課題をすべて克服し安全 2018年03月13日
朝の血糖値と覚えてない低血糖 連載「インスリンとの歩き方」 2018年03月05日
「子供の糖尿病」は珍しくない時代に 対応できる教職員は7人に1人 2018年03月01日
5年後の自分とセールスという仕事 連載「インスリンとの歩き方」 2018年02月26日
「1型糖尿病の根絶」を目指して 日本IDDMネットワークが研究助成 2018年02月16日
2018年「フィリピン糖尿病キャンプ」へのご支援をお願いします 国際糖尿病支援基金 2018年02月16日
抗VEGF療法後も継続する糖尿病黄斑浮腫の転帰を検討 ランダム化比較試験の事後解析 2018年02月15日
若年1型糖尿病患者の摂食障害がHbA1c高値と関連 2018年02月08日
急性腎障害で糖尿病患者の低血糖リスクが27%上昇 2018年01月25日
1型糖尿病患者でうつ病と重症の糖代謝異常が強く関連 2018年01月18日
糖尿病3分間ラーニング、いま話題の〈血糖トレンド編〉公開 2018年01月11日
重症低血糖に対するdasiglucagonは忍容性良好 2018年01月11日
世界トップ10にランクインした糖尿病アプリ「スマートヘルス」を使ってみた 2018年01月10日
【連載】糖尿病デバイス革命「予測低血糖自動注入停止型インスリンポンプ 『MiniMed 640G』」を公開 2017年12月11日
「1型糖尿病」の40%以上は30歳以降に発症 成人でも少なくない 2017年12月06日
デキサメタゾンは糖尿病黄斑浮腫患者の視力を改善しない。抗VEGF薬への上乗せで検討 2017年11月22日
2017年ドリームトラスト(インド)の活動報告 国際糖尿病支援基金 2017年11月22日
スマホアプリを用いることで血糖コントロールが有意に改善 2017年11月20日
世界糖尿病デー 糖尿病人口は4億人を突破 30年後には7億人に 2017年11月14日
安全で効果的な「膵島移植法」を開発 糖尿病の新たな治療 2017年11月10日
【新連載】「糖尿病デバイス革命」を公開 糖尿病リソースガイド 2017年10月25日
2017年エクアドルの糖尿病サマーキャンプ報告 国際糖尿病支援基金 2017年10月23日
「一生続く不安と、どう向き合えばいいのか」 インスリンとの歩き方 2017年10月11日
「劇症1型糖尿病」のメカニズムを解明 iPS細胞からβ細胞を作製 2017年09月01日
杉山 新さん「1型糖尿病の子ども達とレアル・マドリードの試合観戦を」 2017年08月25日
10月8日は、「糖をはかる日」講演会2017 参加者募集開始 2017年08月23日
賞金3万円!「血糖値アップ・ダウン コンテスト」募集スタート! 2017年08月16日
「1型糖尿病は僕の性格をも形成する」インスリンとの歩き方、第19回 2017年08月14日
インスリン療法患者様へ インタビュー取材にご協力ください! 2017年08月03日
「1型糖尿病を根絶するための研究」を支援 日本IDDMネットワーク 2017年08月01日
1型糖尿病の発症を防ぐワクチンの開発に着手 臨床試験を開始 2017年07月28日
「CSIIで“糖尿病のある人生”をより豊かに」 陣内秀昭先生 2017年06月29日
サンクリストバル島で唯一人の1型糖尿病の少女 FUVIDAレポート 2017年06月22日
「糖尿病とカンセン」 1型糖尿病患者さんの連載、第18回を公開 2017年06月19日
若年1型糖尿病患者の健康関連QOL向上に関与する因子とは? 2017年06月15日
2017年エクアドルの糖尿病サマーキャンプへのご支援をお願いします 2017年06月12日
『インスリン製剤・インクレチン関連薬・SGLT2阻害薬 早見表』を公開 2017年05月16日
超速効型インスリンが1型糖尿病患者の血糖コントロールを改善 2017年04月27日
インスリン注射と日常生活 連載「インスリンとの歩き方」 2017年04月25日
1型糖尿病発症から10年、忍び寄る合併症 「インスリンとの歩き方」 2017年03月21日
増える1型糖尿病のプロスポーツ選手 レアル マドリードの選手も 2017年03月10日
※2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で
表わされるようになりました。過去の記事はこの変更に未対応の部分があります。
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 一般的には糖尿病を発症し時間がたつとともに、網膜症、心疾患、腎症、神経障害などの合併症を発症する患者は増えていく。しかし、糖尿病合併症の発症や進展を抑えながら何十年ものあいだ、健康な人と同じようにすごしている患者は少なくない。

 ジョスリン糖尿病センターでは1970年代から、インスリン療法を50年続けている1型糖尿病患者を対象に、長年の治療を称え表彰する「インスリン50年賞」を実施しメダルを贈呈している。研究者らは、50年賞を受賞したメダリスト351人を対象に、その秘訣をさぐるために「ジョスリン50年メダリスト研究」を実施している。

 対象となった患者の多くは深刻な糖尿病合併症を発症していないか進展を阻止できている。その割合は、高度な糖尿病網膜症が43%、糖尿病腎症が87%、神経障害が39%、心疾患が52%だった。

 50年賞メダリストで合併症のない患者の割合が驚異的に高いことについて、「何十年というあいだ、高血糖のもたらす毒性と戦い、保護的にはたらく分子・生理学・遺伝子のメカニズムがあることが示されている」と研究の筆頭著者であるJennifer Sun博士は話す。この研究は医学誌「Diabetes Care」2011年4月号に発表された。

 これらの患者は血糖コントロールをとても注意深く行っている。しかし良好な血糖コントロールだけでは説明できない部分もある。研究者らは糖尿病の治療について、これまでの研究であまり検討されていなかった因子があるのではないかと考えた。

 その手がかりとなるのは、HbA1cや脂質コントロールに加えて、高血糖が続くと増加する「糖化最終産物(AGEs:advanced glycation end products)」と呼ばれる蛋白質の一種だという。AGEは蛋白質と糖が反応して最終的に生成される物質で、体内で生成され長い期間蓄積されると、糖尿病合併症の原因になると考えられている。

 AGEは糖尿病の初期から増加するが、合併症を発症しない患者では、それに対する保護的な因子があるのではないかと考えられている。50年メダリスト研究では、600人を超える1型糖尿病患者のデータを集積し、糖尿病合併症を予防するために何が必要かをさぐっている。

 研究チームは合併症を発症した患者でAGEが高い割合でみつかり、特異的な2種類のAGEが網膜症の発症予防と関連があることを初めて示した。ジョスリン糖尿病センターのビーサム眼研究所で治療を受けており、糖尿病網膜症が17年ものあいだ安定し悪化していない患者のグループを対象に検査を行った。

 「ベテランの糖尿病患者は多くのことを教えてくれている。糖尿病と診断されたばかりの患者や、小児や10代の若い患者にために大きな動機づけとなる。そうした患者たちが深刻な合併症を発症しないで何十年ものあいだすごしていくために、血糖コントロールを含む効果的な糖尿病ケアが必要となる。わたしたちは、それを示すための有力な手がかりを得ている」とSun博士は述べている。

Diabetes veterans may show ways to prevent complications(2011年3月29日)
Protection From Retinopathy and Other Complications in Patients With Type 1 Diabetes of Extreme Duration
The Joslin 50-Year Medalist Study

Diabetes Care, March 29, 2011 vol. 34 no. 4 968-974

[ Terahata ]
カテゴリー :1型糖尿病  2011年  糖尿病合併症  

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