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2020年07月07日

オンライン診療で血糖コントロールが改善 米国では利便性が高いという結果に

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遠隔診療で血糖コントロールが改善
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の1つとして遠隔診療が注目されているが、感染抑止としてだけでなく、血糖管理の改善手段としても遠隔診療が役立つケースのあることを示唆する報告が2報、米国糖尿病学会(ADA)のバーチャルミーティング(ADA2020、6月12~16日)で発表された。

 1つ目の報告は、退役軍人保健局が、都市部から離れた遠隔地に居住する糖尿病患者の治療のために構築した在宅遠隔診療システムを用いた研究。同システムは既に一定の有効性が確認されているが、今回の研究では血糖管理状態が不良な患者での有効性を検討した。

 研究の対象は2017~2019年に全米の5地域で登録された糖尿病患者125人。男性が94%、白人が89%、地方の居住者が71%を占め、ベースラインのHbA1cは9.25%だった。血糖測定値などのデータは定期的にアップロードされ、遠隔地にいるスタッフが確認。その情報に基づいて電話による療養指導を行い、必要があれば薬剤の処方を変更した。

 その結果、6ヵ月間の介入終了時点でHbA1cは7.89%へと-1.36%、有意に改善していた(P<0.001)。この改善効果は、12ヵ月後(-1.22%)、18ヵ月後(-1.07%)にも継続して認められた(いずれもP<0.001)。

 上席著者である米ノースカロライナ州退役軍人ヘルスケアシステムのMatthew Crowley氏は、「糖尿病は一般的に多くの自己管理が求められる疾患だ」と説明し、プライマリケア医の対面診療が十分でない状況で、複雑なインスリン治療を患者自身が管理することの難しさを強調する。

インスリンポンプ・ SAP・CGM情報ファイル

 また同氏は今回の研究で、遠隔診療を受けた患者が薬剤管理を容易に行えるようになったことのほかに、良好な結果に貢献した別の因子が存在する可能性を指摘している。例えば、「多くの患者が、自分の健康状態を誰かが診てくれていると感じていて、『それだけで自己管理の意欲が湧く』とわれわれに話してくれた」と具体例を述べている。

 この研究はCOVID-19が出現する以前の2017年に開始された。パンデミック以降、遠隔診療は急速に広まっているが、同氏はこの研究の結果から「糖尿病は遠隔診療に適している。効率の良い方法を利用することで、より頻繁な連絡が可能になる」と語っている。

 この報告を査読した、米ネブラスカ大学医療センターの内分泌専門医であるLeslie Eiland氏は、「既存の遠隔診療システムを用いるという効率的な方法で、実際にHbA1cが有意に低下し、その状態が維持された」と評価している。ただし、退役軍人は一般の糖尿病患者とは背景因子が異なる可能性があることや、民間保険の加入者の場合、遠隔診療の利用が必ずしも容易ではないといった問題を併せて指摘している。

 2つ目の報告は、そのEiland氏自身によるもの。同氏は2013年から遠隔診療クリニックを運営しており、1型糖尿病患者を遠隔診療で管理した成績をADA2020にて発表した。2013年11月~2019年10月に少なくとも3回以上遠隔診療を行った1型糖尿病患者139人(平均年齢45歳、女性58%)のHbA1cの推移を解析したところ、-0.13%の有意な改善が認められ(P<0.001)、この改善は年齢や性別、およびCGMやインスリンポンプの使用とは独立していたという。

 なお、学会で発表された知見は、査読を受けた専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

[HealthDay News 2020年6月19日]

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