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2025年01月22日

インスリン注射の「飲み薬化」を目指すプロジェクトが進行中!ファルストマと慶応大学の共同研究による挑戦[PR]

 もし注射投与のインスリンが飲み薬であったなら―。そんな夢のようにも思えるインスリンの「飲み薬化」を目指し、熱心に研究しているベンチャー企業がある。

 しかもその研究は、既にある程度の成果を出すところまで来ているという。とはいえ実現に向けては、道半ば。飲み薬化を難しくさせている課題を完全に突破するにはさらなる研究が必要で、それには多額の費用を要する。

 本研究を行っている企業がクラウドファンディングを開始したこの折に、インスリンの飲み薬化プロジェクトを紹介したい。

糖尿病インスリンを飲み薬に!実現に向けた研究開発にご支援を!!

提供:ファルストマ株式会社

注射から飲む薬へ~インスリン治療の明るい未来に向けた研究~

 慶應義塾大学と共同で「インスリンの飲み薬」の研究開発プロジェクトを手掛けているファルストマ株式会社は、2025年1月20日、研究をさらに進めるために、クラウドファンディングをスタートさせた。

 このプロジェクトの目的は、現在、注射投与により行われているインスリン治療を「飲み薬」にすることでインスリン投与を必要とする患者や家族の負担を減じ、より快適に生活を送れるようにすることだ。

 注射投与の負担は年齢に関わらずあるものだが、子供の場合は加えて「インスリン療法による低血糖や、インスリンの量が足りない場合の高血糖に自ら対応できるのか」「成長過程で自ら注射を打つことに抵抗感を持たないか」等、不安要素も多い。

 ファルストマ創業者であり代表を務める久保田雅彦氏は、インスリン治療を行う家族の負担を目の当たりにしてきた経験から「この現状を少しでも変えたい」という強い思いで本プロジェクトを立ち上げた。

糖尿病は誰にとっても他人事ではない

 インスリンは糖尿病治療の重要な薬だが、普及しているのはいまだ注射投与によるもののみである。久保田氏は次のように語る。

 「私自身、糖尿病の家族が注射を打つ姿を長く見てきました。インスリン療法は、患者さんだけでなく、支える家族もつらいものだと身に染みています。インスリン注射による治療は大変なものです。高齢の患者さんには『年を重ねるにつれ自己注射や管理が難しくなる』といった懸念もあります。子供の患者さんに対しては、『年齢を重ねるにつれてこの治療に対して疑問を持ち始めないか』『正しく血糖値のコントロールができるのか』...等、心配や不安は尽きません。インスリン療法は、体内でインスリンを作れなくなる1型糖尿病だけでなく、2型糖尿病が進行して必要になるケースも多くあります。50歳を過ぎて突然1型糖尿病を発症する場合もあり、糖尿病とインスリンの問題は決して他人事ではありません。注射に代わる負担の少ない治療法としてインスリンの飲み薬を開発することは、現代医療の緊急課題と考えています」。

なぜ今まで飲み薬ができなかったのか

 インスリンの注射投与を飲み薬に変えたい―。その想いを実現するため久保田氏が研究開発を進めているのが、既に日用品で実用化されている「ウルトラファインバブル」を医療に応用する技術だ。久保田氏いわく、これまでにインスリンの飲み薬が作られてこなかったことには大きく2つの理由があるという。

 1つは、インスリンを口から摂取すると胃で分解されてしまい、小腸に届かないため。2つめは、たとえ胃で分解されにくいカプセルにインスリンを入れて服用したとしても、カプセル内でインスリン同士が結合して分子サイズが大きくなってしまい、小腸の壁を通過できないためである。

 1つめの課題について、ファルストマでは「腸溶性コーティング」と「ソフトカプセル技術」を用いることで、インスリンが胃で分解されることなく小腸まで届く手法を検討予定とのこと。2つめの課題はより難解であり、飲み薬が作れない大きな壁となってきたが、ファルストマは「ウルトラファインバブル」を応用する技術で克服することに挑戦中だ。

ウルトラファインバブルとは何か

 「ウルトラファインバブル」は、既にシャワーヘッドや洗濯機などに用いられている技術だが、実際どのようなものなのか。

 ウルトラファインバブルとは、1㎛以下の非常に小さな泡のことで、肉眼では見ることができない。特殊な光を当てることで、光に泡が反射することによりその存在が目で確認できる(下記リンク先に動画あり)。ウルトラファインバブルは水中で破裂することなく長期間安定して存在することが可能であり、ウルトラファインバブルに内包するガス種によって、さまざまな機能を付与できるのがポイントだ。

●UFB(ウルトラフィンバブル)には様々な機能を付与できる

ウルトラファインバブルの応用技術で最大の難関突破を目指す

 前述の通り、インスリンは分子同士が結合すると腸壁を通過できない大きさになってしまうのだが、ウルトラファインバブルを含む水にインスリンを混ぜるとインスリン分子がバブルの周りに吸着し、分散することがファルストマの研究により分かってきた。

 下の画像は、透過型電子顕微鏡により液体中の分子の状態を観察したもので、直径25nmのウルトラファインバブルの外周にヒトインスリン分子(2.0nm)が150~300個程度吸着している。つまり、この方法ならインスリンは腸壁を通過できる大きさを保ったまま存在することが可能であり、インスリンの飲み薬化を困難にさせていた課題を克服できる可能性が出てきたのだ。

●UFBを使えば、インスリンは小腸の壁を通過できる大きさを保てる!

 ファルストマは現在、「小腸腸壁から血管内にどのくらいのインスリンが浸透しているか」や、「ウルトラファインバブルの濃度差によるインスリンの腸壁通過率の違い」等の研究を並行して進めており、今後は腸壁通過率を上げる研究を重ねつつ、カプセル化技術の開発も行っていく予定。

飲み薬化の実現を目指しクラウドファンディングを開始

 飲み薬が完成すれば、日本だけでなく、世界中の辺境地での糖尿病治療や災害時などにも心強いものとなるだろう。ただ、研究をさらに前に進めるには多額の開発費用を要する。そこでファスルトマは、2025年1月20日、クラウドファンディングを開始した。

糖尿病インスリンを飲み薬に!実現に向けた研究開発にご支援を!!


 「どのような分野でも、それまでにない考え方は批判されたり疑念を持たれたりすることがあります。しかしそれを恐れていては、新しい未来を切り開く事はできません。今は道半ばではありますが、医師、研究者をはじめとした多くの方々の協力のもと、明るい結果が出てきています。私はウルトラファインバブル技術の応用により、インスリン治療の注射による痛みや偏見による苦痛を和らげることができると確信を持っています。まずは、私の取り組みをできる限り多くの方に知っていただきたい。そんな思いで初めてのクラウドファンディングに挑戦します。ぜひ、お力添えをよろしくお願いします」と久保田氏。

●ウルトラファインバブルとインスリンが腸内に共存するイメージ図


 クラウドファンディングからの寄付は、高濃度ウルトラファインバブル生成装置の設計・製作費用にあてるとのこと。このプロジェクトが多くの人に興味を持たれ支援が広がれば、飲み薬化実現に向けての大きな推進力となるだろう。詳細は、下記のリンクから。

[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所

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