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2026年01月07日
炭水化物の「質」がカギ!低GI食品が脳を守り、将来の認知症リスクを遠ざける
脳の健康を左右する炭水化物の「質」と「GI値」
アルツハイマー病をはじめとする認知症の最大のリスク要因は加齢だが、生活習慣、特に「何を食べるか」という食生活の質が、健康的なエイジング(加齢)において極めて重要な役割を果たす。
私たちの日常のエネルギー源の約55%は炭水化物で占められている。ブドウ糖とインスリンの代謝における役割から、私たちが摂取する炭水化物の量と質の両方が、代謝の健康やアルツハイマー病などの関連疾患のリスクに大きな影響を及ぼす。ここで指標となるのがGI(食品に含まれる糖質の吸収度合いを示す指標)だ。
- 高GI食品:白米、白いパン、ジャガイモなど。食後の血糖値を急激に上昇させる。
- 低GI食品:玄米、全粒粉パン、多くの果物、豆類など。血糖値の上昇が緩やか。
20万人を13年追跡してわかった「16%」の差
研究チームは、イギリスのバイオバンク(大規模な健康調査データベース)に登録された、開始時点で認知症のない成人約20万人以上のデータを分析した。参加者の食事内容を詳細なアンケートで調査し、それぞれの食生活におけるGI値やGL値(GI値に摂取量を掛け合わせた指標)を算出した。
平均13.25年という長期にわたる追跡調査の結果、以下のことが明らかになった。
- 低〜中GIの食事を続けていたグループ: アルツハイマー病のリスクが 16%減少
- 高GIの食事を続けていたグループ: アルツハイマー病のリスクが 14%増加
この研究は、高度な統計手法を用いることで、「どの程度のGI値からリスクが高まり始めるのか」を非常に正確に描き出している。単に「炭水化物を減らす」ことよりも、「どのような炭水化物を選ぶか(質)」が、10数年後の脳の健康を大きく左右する可能性を示しているのだ。
なぜ「血糖コントロール」が脳を守るのか
脳は体重のわずか2%程度の重さだが、体全体のエネルギーの約20%を消費する非常に大食漢な臓器だ。そのため、ブドウ糖の供給が不安定になったり、インスリンの効きが悪くなったりする「代謝の乱れ」に対して非常に敏感である。
食後の血糖値が急激に上がる「血糖値スパイク(食後に血糖値が急上昇し、その後急降下する現象)」が繰り返されると、血管にダメージを与えたり、脳内に炎症を引き起こしたりする原因となる。糖尿病のある人が日々の食事で低GI食品を選び、血糖値を安定させることは、血管を守るだけでなく、脳内の環境を良好に保つことにもつながっているのだ。
本研究は、低GI食品を豊富に含む食事が、脳の認知機能の低下を食い止めるための強力なアプローチになることを強調している。
「選択」を変えるだけで、脳の未来は変えられる
この記事を読んでいるあなたは、すでに日々の食事で炭水化物の量に気を配っているかもしれない。その努力をさらに価値あるものにするために、これからは「質(GI値)」に、よりフォーカスしてみてはいかがだろうか。
無理に炭水化物を食べるのをやめる必要はない。例えば、以下のような「置き換え」から始めてみるのがおすすめだ。
- 白いものから「茶色いもの」へ: 白米を玄米や麦ごはんに、白いパンを全粒粉パンやライ麦パンに変える。
- 果物を味方にする:多くの果物は、食物繊維のおかげでGI値が低い傾向にある(※摂取量は主治医との相談が必要)。
- 豆類をプラスする:大豆、レンズ豆、ひよこ豆などの豆類は、非常に優れた低GI食品であり、満足感も高い。
「これらの結果は、果物、豆類、全粒穀物などの低GI食品を豊富に含む食事を摂取することが、認知機能の低下、アルツハイマー病、およびその他のタイプの認知症のリスクを減少させる可能性があることを示しています」
また、研究チームは、今後の認知症予防に向けたメッセージとして、以下のように締めくくっている。
「これらの結果は、認知症の予防および管理を目的としたアプローチにおいて、炭水化物の量と質の両方を考慮することの重要性を浮き彫りにしています」
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