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2020年06月25日

持続血糖モニター(CGM)は全ての年齢の1型糖尿病患者に有用

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1型糖尿病 HealthDay News インスリンポンプ/CGM
 テクノロジーの進歩により多くの疾患の管理が容易になってきている。1型糖尿病では、持続血糖モニター(Continuous Glucose Monitoring;CGM)の普及の影響が大きい。新たに発表された2件の論文によると、CGMは年齢に関わらず従来の血糖測定法より有用という。

 「The Journal of the American Medical Association(JAMA)」6月16日オンライン版の論説で、アルベルト・アインシュタイン医学校のShivani Agarwal氏と同誌編集者のAnne Cappola氏は、「CGMの出現は、過去10年間で糖尿病外来診療に革命をもたらした」と語っている。

 CGMは、数分おきに間質液中のブドウ糖濃度を測定し、血糖値に換算して結果を表示する。測定値の変動が速過ぎる場合や設定範囲外になった時にアラームで知らせる機能もある。これにより、インスリン投与量を調整したり、補食をとって低血糖を防ぐことなどが可能となる。

 新しい研究の1つは、60歳以上の高齢1型糖尿病患者203人(年齢中央値68歳、糖尿病罹病期間中央値36年、女性52%、インスリンポンプ使用率53%、HbA1c7.5±0.9%)を対象に行われた。CGM群103人、従来法による血糖測定を行う群100人にランダムに割り付け6カ月間追跡して、血糖値が70mg/dL未満にあった時間の割合を比較した。CGM群はベースラインにおいて5.1%(73分/日)、観察期間中は2.7%(39分/日)、従来法群はベースラインにおいて4.7%(68分/日)、観察期間中4.9%(70分/日)であり、CGM群で有意に短縮された(P<0.001)。

 論文の筆頭著者であるAdventHealthトランスレーショナルリサーチ研究所のRichard Pratley氏によると、「CGM群では低血糖の時間帯が大幅に減少し、低血糖発作、無自覚性低血糖も減少するとともに、血糖コントロールが改善した。高齢者がこのテクノロジーによって血糖コントロールを損なうことなく低血糖を予防でき、安全性が向上することが明らかになった」という。

 もう一つの研究は、米ジョスリン糖尿病センターのLori Laffel氏らによるもので、14~24歳の1型糖尿病患者153人(平均年齢17±3歳、糖尿病罹病期間9±5年、女性50%)を対象とし、CGM群74人、従来法群79人にランダムに群分けし、HbA1cの変化を26週間観察した。ベースライン時のHbA1cは両群ともに8.9%であり、26週経過時点でCGM群は8.5%だった。一方、従来法群は8.9%で変化がなく、背景因子調整後のHbA1cの差は0.37%とわずかであるが、有意差が認められた(P=0.01)。

 これらの報告について、米レノックス・ヒル病院のGerald Bernstein氏は、「より劇的な効果を予測していた。結果は統計的に有意ではあるが、わずかな差にとどまった」と述べた上で、「個人的な考えでは、インスリンを複数回投与している患者には、十分な教育プログラムとともにCGMを使用すべきだ」と述べている。ただし同氏は、保険の問題や自己負担額など、CGMの使用に障害が伴うこともあると指摘している。

 なお、日本糖尿病学会はリアルタイムCGMについて、「間質液中のグルコース濃度を継続的に自動測定する」ものであり、血糖自己測定(SMBG)を用いて測定した血糖値により較正する必要があるとしている。同学会はリアルタイムCGMで得られた測定結果について、「必ずSMBGで血糖値を確認する必要があることを患者に対して教育する必要がある」として、「医師の指導に従わず、SMBGを行わない患者等は適応外」としている。

[HealthDay News 2020年6月17日]

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[ Terahata ]

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