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2021年05月20日
小児・思春期の糖尿病患者をサポート インスリンポンプやCGMなどが進歩 上手に活用
- キーワード
- 1型糖尿病 インスリンポンプ/CGM 医薬品/インスリン

1型糖尿病の治療は、インスリン製剤や注入器、SMBGなどの医療の進歩により改善されている。とくに昨今では、インスリンポンプやCGMなどのテクノロジーの進歩がめざましく、上手に活用することで、さらに安全で良質な血糖コントロールが可能な時代になってきた。
幼少期や10代で発症した糖尿病患者をサポートするために、インターネットを利用してさまざまな試みが展開されている。
小児・思春期の糖尿病患者の課題について話し合う日本小児・思春期糖尿病学会の学術集会も、6月20日に開催される。
幼少期や10代で発症した糖尿病患者をサポートするために、インターネットを利用してさまざまな試みが展開されている。
小児・思春期の糖尿病患者の課題について話し合う日本小児・思春期糖尿病学会の学術集会も、6月20日に開催される。
インスリンポンプ用のアクセサリが登場
日本メドトロニック ダイアビーティスは、「ポンプアクセサリショップ」を2021年5月20日より開設し、同社製インスリンポンプ用のアクセサリのインターネット販売を開始した。
「ポンプアクセサリショップ」は、インスリンポンプなど同社製品を利用している糖尿病患者に、より便利に安心して使ってもらうことを期待し提供される。
インスリンポンプを体にぴったりとフィットさせられるアクセサリなどが用意されており、カラーバリエーションも豊富だ。
たとえば「スポーツケース」は、アウトドア活動の際、インスリンポンプを保護するのに役立てられる携帯用ケース。4色から選べる。ファスナーで開閉し、横向きに装着できるデザインで、ベルトに付けたり、ウェストバンドに留めたりすることも可能。耐久性のあるパッド付きナイロンケースで、ジッパー開閉部には注入セットのチューブ用の開口部がある。メドトロニック社製のすべてのインスリンポンプに対応している。
カーボカウントが学べる料理教室をオンライン公開
「まもりんぐ料理教室~はじめてみよう!カーボカウント~」が、認定NPO法人 日本IDDMネットワークなどの共催により開催された(第2回は2021年2月に開催)。
イベントの様子は、「かくれ血糖.jp」サイト(日本メドトロニック運営)で紹介されている。
カーボカウントは、食品や飲料の中でも、食後すぐに血糖値を上げる作用のある炭水化物に注目し、その量を測る(カウントする)方法。とくに応用カーボカウントは食事に含まれる糖質量を把握してインスリン量を調整し、食後の血糖値をコントロールするもので、1型糖尿病患者からの関心が高まっている。
「まもりんぐ料理教室」は、カーボカウントセミナーと料理レッスンを組み合わせて、自宅でオンラインで楽しく理解できる内容になっている。料理レッスンが動画で紹介されており、カーボカウントについてのQ&Aも見ることができる。
第1回は大阪市立大学大学院医学研究科発達小児医学の川村智行先生が、第2回は純正会ソレイユ千種クリニックの木村那智先生が、それぞれ講師を務めた。
かくれ血糖.jp~糖尿病の血糖管理は点から線へ。いい明日が見えてくる~(日本メドトロニック)
日本小児・思春期糖尿病学会が公開シンポジウムを開催 6月20日
幼少期や10代で発症した糖尿病患者の課題について話し合う日本小児・思春期糖尿病学会の学術集会が6月20日、福岡市・天神のアクロス福岡で開催される。Webと会場のハイブリッド開催で、テーマは「自立への扉を拓くために」。
当日は、医療従事者だけでなく、患者や家族などの一般の人も無料で聴講できる「公開シンポジウム」も開催される。
今年2021年は、インスリンが発見された1921年から数えてちょうど100年目の年だ。インスリンの発見がなければ、1型糖尿病では生命の維持ができなかった
1型糖尿病の治療は、インスリン製剤や注入器、SMBGなどの医療の進歩により改善されている。とくに昨今では、インスリンポンプやCGMなどのテクノロジーの進歩がめざましく、上手に活用することにより、さらに安全で良質な血糖コントロールが可能な時代になってきた。
「しかし、いくらテクノロジーが進歩したとしても、それを使うのは"人"であり、患者さん自身です」と、会長を務める南昌江先生(南昌江内科クリニック院長)は述べている。
「小児思春期は、精神発達段階でもっとも変化し成長する時期であり、大変難しい時期でもあります。治療の主導権も保護者から徐々に患者さん本人へ移行していかなければいけません。患者さんが"自立して生きていく力を持った成人になるために"、いま一度皆さまで考える機会にしたいと思い、本学術集会のテーマを"自立への扉を拓くために"とさせていただきました」としている。
南先生は、自身が14歳のときに1型糖尿病を発症し、多くの悩みを抱えながら突然襲ってきた糖尿病とともに思春期を過ごした経験がある。「主治医の先生や関わってくださった看護師さん、サマーキャンプの仲間、そして家族が支えてくれたおかげで思春期を乗り越えることができたのだろうと、44年経った今になって思います」と述べている。
第26回日本小児・思春期糖尿病学会年次学術集会
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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