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2020年01月09日

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糖尿病の「燃え尽き」に対策 「常に完璧」を求めないことも大切

「糖尿病 燃え尽き状態」との向き合い方
 糖尿病の治療に終わりはない。生存のためにインスリンが必要な場合、一歩間違えば死につながることさえある。米テネシー大学のSamereh Abdoli氏らは、こうした日々のストレスの積み重ねによって「糖尿病バーンアウト(燃え尽き状態)」が引き起こされると「American Journal of Nursing」12月号に報告した。

 研究グループは、糖尿病燃え尽き状態の経験がある1型糖尿病患者18人を対象に、詳細なインタビュー調査を行った。対象者の年齢は21~65歳(平均38歳)、女性11人(61%)、白人10人(56%)で、17人(94%)が仕事を持ち、10人(56%)が既婚者、16人(89%)が大学卒であり、13人(72%)はインスリンポンプを使用していた。

 インタビューの結果、対象者の39%は現在も糖尿病燃え尽き状態にあることが分かった。また61%は前年に燃え尽き状態を経験していた。

 今回の研究では、糖尿病による精神的・感情的・肉体的疲労、燃え尽きの予防・克服法など、4つの主要テーマを設けていた。そのうち「疲労」に関しては、例えば36歳の女性は、「疲れている。本当に疲れている。常に自分の世話をし、食べるもの、なすべきこと、全てにおいて糖尿病を心配しなければいけない」と語り、「いつも疲れている。年老いたようにただ疲れ果てている」と答えた22歳の女性もいた。

 研究グループによると、糖尿病の燃え尽き状態にある人は心身ともに疲弊し、現実から切り離されたような感覚があり、自己の健康管理の必要性に対して無関心になるという。そしてそのような状態が数時間から数日間、ときには数週間、数カ月あるいは年単位で続くこともあると指摘している。

 今回の研究でも「極度の疲労」の他に、糖尿病患者としてのアイデンティティーや自己の健康管理への関心を失ったり、サポートシステムから切り離されたと感じるなど「孤立(detachment)」した感覚を訴える人もいた。

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 その一方で、燃え尽きを予防したり立ち直るための方法としては、家族や友人、医療従事者からのサポートを受けたり、前向きな姿勢を維持するといった回答が得られた。

 米国糖尿病協会(ADA)ヘルスケア・教育部門の前部門長Felicia Hill-Briggs氏はこの研究には関与していないが、「糖尿病という疾患は、その自己管理に精神的かつ身体的にエネルギーを注がなければならない状態が持続するという点で独特である。薬を用い、血糖値を確認し、健康的な食事を用意してそれを食べ、適度な運動も必要であり、これら全てにおいてバランスが取れていなければならない」と指摘し、「糖尿病とともに生きることは、マラソンを走るようなものだ」と述べている。

 また米ニューヨーク大学(NYU)ランゴンヘルスHassenfeld小児病院の児童青年心理学者であるBecky Lois氏は、「燃え尽きはほぼ不可避である。誰も糖尿病になりたくてなったわけではなく、自分を制御しきれないときがある。常に指示を受けているように感じるのは、非常につらいことだ」と述べている。

 同氏は、患者が燃え尽きる前に周囲の人が患者の苦痛に気が付き、医療従事者とともに協力することが大切だとして、「近しい家族が血糖値の測定を忘れないよう声をかけたり、サポートシステムの担当者と連絡をとることも一助となるだろう」と助言している。

 Hill-Briggs氏は、燃え尽きに対してどのように対処するか事前に考えておくよう促すとともに、「常に完璧であることなど不可能」として、過度の罪悪感を持たないよう呼び掛けている。

[HealthDay News 2019年12月10日]

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[ Terahata ]

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