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2012年04月17日

「血管内皮機能検査」が診療報酬改定で新設される

 4月1日の診療報酬改定で、動脈硬化の機能的変化をとらえる検査として注目されている「血管内皮機能検査」の項目が新設され、200点算定可能となった。取り扱いが容易な測定機器の普及とともに、積極的に臨床導入しやすいに環境が整ってきた。
循環器学会でもFMD関連で50近い演題が報告される
 血管内皮機能(Flow Mediated Dilation.FMD)は血管病、とくに大血管障害(動脈硬化)の変化を把握できる検査として、主に循環器領域で用いられているが、近年、糖尿病領域でも治療ターゲットが生命予後に直結する大血管障害に移りつつあることなどを背景に注目されるようになっている。3月16日から3日間にわたり福岡で開催された第76回日本循環器学会学術集会でも、糖尿病における食後高血糖がFMDを悪化させるとする報告や、FMD低値が糖尿病患者の心血管イベントの予測因子になる可能性を示した発表、インクレチン関連薬の血糖改善を介さないFMD改善効果など、FMD関連で50近い演題が報告された。

従来よりこまめな測定で、生活習慣改善効果を実感しやすくなる可能性
 FMDは、薬物介入後の処方薬の効果判定にも活用されているが、運動療法や食事療法など生活習慣の改善に敏感に反応するため、頻繁に測定することで患者さんの治療モチベーションにつながる。

定期的な検査を
 今回の診療報酬改定では、「血管内皮機能検査」として200点を1カ月に限り、一連として算定することが認められた。これにより、血管が治療によく反応し動脈硬化を改善させ得る段階で内皮機能検査を定期的に行い、イベント抑制につなげることが可能になるだろう。

○ 医科点数表より抜粋
第2章 検査
区分番号 D207 体液量等測定
4.血管内皮機能検査(一連につき) 200点

○ 医科診療報酬点数表に関する事項より抜粋
第3部 検査
血管内皮機能を行った場合は、局所ボディプレティスモグラフ又は超音波検査等、血管内皮反応の検査方法及び部位数にかかわらず、1月に1回に限り、一連として当該区分において算定する。この際、超音波検査を用いて行った場合であっても、超音波査の費用は算定しない。

測定機器の進歩も普及の一助
 ところで、血管内皮機能の評価法として一般化されているFMD検査は、前腕または上腕をカフで駆血し、開放後の血管径を駆血前値と比較して拡張反応を調べるというもの。血管径の測定に用いる超音波測定装置の操作に以前は熟練を要し、このことも普及の足かせであった。  しかし近年はセミオートチックで測定できる機器が登場し、この点からも糖尿病臨 床に用いやすい環境が整いつつあると言える。

◇FMD関連情報:
[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所

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