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2022年04月14日

【新型コロナ】感染拡大はメンタルヘルスにも影響 心の健康が「悪化した」人は2割以上 厚労省調査

 新型コロナの拡大と、これにともなう行動制限などの対策により、感染に対する不安や行動変容にともなうストレスなど、国民の心理面に多大な影響が生じている可能性がある。

 そこで厚生労働省は、新型コロナによる国民の心理面への影響を把握するため、インターネット調査を実施した。

 その結果、2021年4~9月は、半数の人が何らかの不安を感じていたが、感染者数が減少した10~11月は3割未満に減少。不安の内容については、いずれの時期も、「自分や家族の感染への不安」がもっとも多かった。

 男性の30代・40代、女性の20代~50代では、「自分や家族の仕事や収入に関する不安」が多い。不安やストレスの解消方法としては、「手洗いやマスク着用などの予防行動」がもっとも多く挙げられた。

 この1年間でコロナ禍により自分の心の健康が「悪化した」と回答した人の割合は22.3%。「悪化した」という人の割合は、どの年代でも男性よりも女性の方が多かった。

 調査結果を、精神保健福祉センターなどでの相談対応などの実務や今後の施策に活かしていく予定としている。

コロナ禍で半数の人が不安を感じている

 厚生労働省は、新型コロナによる国民の心理面への影響を把握するため、インターネット調査を実施した。調査は、2021年11月19日~29日に、インターネットモニター(15歳以上)を対象に実施。回収サンプル数は8,322件だった。

 その結果、2021年4~9月までは、「神経過敏に感じた」「そわそわと落ち着かなく感じた」という人が2割以上に達し、半数程度の人が何らかの不安を感じていたことが分かった。とくに15歳~59歳の女性は、とくに2021年4月~6月と7月~9月に、「そわそわ、落ち着かなく感じた」という人の割合が高かった。

 しかし、感染者数が減少した10月~11月には、不安を感じている人は3割未満に減少した。とくに外出頻度の多い人や、職場の人との会話が増加しという人、悩みや心配事を聞いてくれる人がいる人では、不安を感じている人が減る傾向が示された。

何らかの不安を感じている人は2021年10月~11月には減っているものの27.3%に上る

出典:厚生労働省、2022年

 不安の対象としては、いずれの時期も「自分や家族の感染への不安」がもっとも多く、4月~6月の期間は6割に上った。とくに教育・学習支援や医療・福祉などに携わっている人では7割近くに上った。

 次いで多いのは「家族、友人、職場など人間関係の変化に対する不安」「自分や家族の仕事や収入に関する不安」など。「自分や家族の仕事や収入に関する不安」の割合は、男性の30代・40代や女性の20代~50代では2割と多い。

 また、宿泊業・飲食サービスや生活関連サービス・娯楽に携わっている人では、すべての時期で「自分や家族の仕事や収入に関する不安」の割合が高かった。

不安の対象は「自分や家族の感染への不安」がもっとも多い

出典:厚生労働省、2022年

運動量が減った人は2割

 食事や運動、睡眠などの生活スタイルの変化については、コロナ禍の前に比べて、食事の量が「変わらない」と回答した人は86.2%。「減ったまま」は5.1%、「増えたまま」は4.2%だが、「減ったまま」の割合は男性30代、女性20代で1割以上と高くなっている。

 運動量が「変わらない」と回答した人は66.3%。「減ったまま」は20.0%、「増えたまま」は3.0%で、2割の人は運動量が減っている。「減ったまま」を職業別にみると、正規の職員・従業員、派遣社員・契約社員・嘱託、家族従業者、専業主婦・主夫などで多い傾向がある。

 睡眠時間が「変わらない」と回答した人は86.6%。「減ったまま」は5.9%、「増えたまま」は2.9%で、「減ったまま」の割合は、おおむね年代が若くなるほど高くなる傾向がある。

心の健康が「悪化した」人は22.3%

 不安やストレスをうまく発散・解消「できている」という人は54.4%で、2020年調査の46.3%から増加している。一方、発散・解消「できていない」という人は、男性20代~50代、女性15~19歳から50代で2割以上となっている。「できていない」という人は、とくに男性の30代で26.4%、40代で26.8%、50代で24.4%、女性30代で25.7%、40代で25.9%と多い。

 この1年間でコロナ禍により自分の心の健康が「悪化した」と回答した人の割合は22.3%、「良くなった」は2.8%だった。「悪化した」という人の割合は、どの年代でも男性よりも女性の方が多く、女性の20代で27.7%、30代で31.7%、40代で28.8%、50代で31.2%に上る。男性では、20代で24.0%、男性30代で25.8%、男性40代で20.5%となっている。

不安やストレスの解消方法は「手洗いやマスク着用などの予防」が多い

 コロナ禍による不安やストレスを解消するためにしたこと・していることとしては、「手洗いやマスクの着用、人との距離をとる、できる限り自宅にいるようするなどの予防行動」をあげた人は58.2%。2020年調査の73.5%からに減少したものの依然として多い。

 次いで「スマートフォンやインターネットを使って情報を検索」(27.1%)、「運動などで身体を動かす」(19.5%)、「家族や友人に話をする」(16.2%)、「ゲームやテレビ、動画配信サービスなどの娯楽をする」(15.1%)はとなっている。

 「手洗いやマスクの着用、人との距離を取る、できる限り自宅にいるようするなどの予防行動」と答えた人の割合は、男性15~19歳で31.6%、20代で29.5%と3割前後にとどまる。

 また、「運動などで身体を動かす」という人の割合は、男女ともに70歳以上で3割弱と高い(男性70歳以上 26.5%、女性70歳以上 27.1%)。

不安・ストレス解消のためにしていることは「手洗い・マスク、人との距離を保つ、自宅にいる」が多い

出典:厚生労働省、2022年

43%が「コロナ禍がいつ終わるかわからない」

 生活に関して、困ったことやストレスに感じたこととしては、「旅行やレジャーができない」(47.2%)、「コロナ禍がいつ終わるかわからない」(43.0%)、「医療用品・衛星用品(マスクなど)が入手困難」(24.0%)が多く挙げられたが、いずれも前回の2020年調査から減少している。

 女性30代以上では「旅行やレジャーができない」を挙げる人の割合が5割以上と多く、「コロナ禍がいつ終わるかわからない」はすべての年代で男性より女性の方が10ポイント以上多かった。

 とく宿泊・飲食サービス、生活関連サービス・娯楽、教育・学習支援、医療・福祉に携わっている人では、他の産業と比べ、「コロナ禍がいつ終わるかわからない」が多く、「マスク着用を強制されているように感じる」という回答もみられた。

 「自分や家族が感染するかもしれない」(75.5%)、「医療機関を受診しづらいなど医療サービスを受けづらくなった」(43.1%)、「家族・親戚・友人などに会えない」(47.9%)も多いが、いずれも前回調査から減少している。一方、「困ったことやストレスに感じたことはない」と回答した人は25.9%に増加した。

 また、「自分や家族が感染したら、人から批判や差別、いやがらせを受けるかもしれないこと」を挙げる人の割合は、女性の30代以上では6割以上に上り、同年代の男性の4~5割に比べて多い。

心の健康 (厚生労働省)
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[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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