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2021年03月17日
【新型コロナ】在宅勤務で「座ったまま」が増えた? 座位行動を減らして糖尿病リスクを下げる

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、テレワークや在宅勤務を実施している人が多い。
在宅勤務をしている人は、職場勤務をしている人に比べ、仕事中に座っている時間は1時間以上長く、身体を動かす時間は約30分間短くなっていることが、東京医科大学の調査で明らかになった。
長時間座ったままの生活や、30分以上座り続けることは、2型糖尿病や心血管疾患のリスクを高め、死亡リスクの上昇にもつながる。
「テレワークの推進にあたり、"長時間の座り過ぎ"や"身体活動の不足"への対策も、並行して実施する必要があります」と、研究者は述べている。
在宅勤務をしている人は、職場勤務をしている人に比べ、仕事中に座っている時間は1時間以上長く、身体を動かす時間は約30分間短くなっていることが、東京医科大学の調査で明らかになった。
長時間座ったままの生活や、30分以上座り続けることは、2型糖尿病や心血管疾患のリスクを高め、死亡リスクの上昇にもつながる。
「テレワークの推進にあたり、"長時間の座り過ぎ"や"身体活動の不足"への対策も、並行して実施する必要があります」と、研究者は述べている。
在宅勤務だと仕事中に座っている時間は1時間以上長い
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する対策として、在宅勤務やテレワークが推進され、それまで職場で働くのが当たり前だった働き方が変わり、自宅を新たな職場とする人が増えた。
しかし、仕事中に座ったままの時間が長かったり、身体を動かす時間(中高度身体活動時間)が少ないのは、労働者の健康に悪影響を及ぼす。
職場と在宅では、どのくらい仕事中の座位時間や身体活動時間が異なるのだろう? 東京医科大学の研究グループは、職場勤務者と在宅勤務者での、仕事中の座位時間と中高度身体活動時間の違いについて定量的する調査を行った。
その結果、在宅勤務では、職場勤務に比べ、仕事中に座っている時間は1時間以上長く、身体を動かす時間は約30分間短くなっていることが分かった。職種などを考慮し分析しても、この傾向は変わらなかった。
研究は、東京医科大学公衆衛生学分野の福島教照講師らによるもの。研究成果は国際医学誌「Journal of Occupational Health」にオンライン掲載された。
関連情報
在宅では仕事中も身体活動が減りやすい

在宅勤務では意識して体を動かす工夫を
在宅勤務では、健康リスクとなる長時間の座り過ぎや、身体活動不足への対策も講じることが必要となる。
「仕事中にこまめに立ち上がるように気を付けたり、昼休みには少し歩くなどして体を動かしたり、オンライン会議などでも座りっぱなしにならないように、参加者同士で会議中でも立ち上がってかまわないと声をかけあったりする配慮が必要かもしれません」と、研究者は述べている。
「朝礼や昼休みなどに、社員同士が一緒に体操をしているような職場であれば、在宅勤務中の同僚にもオンラインなどで、一緒に運動に参加しやすくなるように会社が働きかけてもよいかもしれません」。
「新しい生活様式の中で、在宅勤務を継続していくにあたり、健康保持・増進のためには座り過ぎにならないように啓発していくことが必要です」としている。
新しい生活様式の定着にどう備えるか
研究グループは、在宅勤務が新しい生活様式として定着するようになった2020年7月28日~8月2日に、関東地方在住の20~79歳の男女2,362人にアンケート調査を行った。
このうち、自営業以外の仕事をしている1,239人に対して、「職業性身体活動調査票」(WPAQ)を用いて、仕事中に座っている時間(座位行動)、立ち仕事をする時間(低強度身体活動)、歩いたり重いものを運んだりする時間(中高度身体活動)といった、強度別にみた仕事中の身体活動を調査した。
その結果、職場で働く労働者に比べて、在宅勤務の労働者は、職種や勤務時間の違いなどを調整しても、仕事中に座っている時間は76分ほど長く、一方で仕事中に歩行など身体を動かす(中高強度身体活動)時間は27分短かった。

出典:東京医科大学公衆衛生学分野、2021年
東京医科大学公衆衛生学分野Associations of working from home with occupational physical activity and sedentary behavior under the COVID-19 pandemic(Journal of Occupational Health 2021年3月8日)
【特集】新型コロナウイルス感染症
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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