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2022年06月27日
【新型コロナ】熱中症を予防するための10ヵ条 糖尿病の人は熱中症にご注意
夏の暑さが本格化してきた。日中は35℃、夜間でも25℃を超えることが珍しくなくなった日本の夏。コロナ禍ではとくにマスクの着用により、熱中症のリスクが高まる。
今年も、新型コロナの感染と熱中症の両方の予防が必要となる。マスクの着用については、「体調に応じて、屋外で人と2m以上(十分な距離)離れているときはマスクを外しましょう」と、方針が変えられた。
環境省は「熱中症環境保健マニュアル2022」を公開し、対策を呼びかけている。
糖尿病の人は熱中症にご注意
熱中症の病態には、個人差が大きく影響する。とくに、暑さに慣れていない人、50代以上の人、皮下脂肪が多めの人、糖尿病のある人、心臓、脳、腎臓、甲状腺などに持病のある人、そして発熱や下痢などの症状のある人は要注意だ。
暑いときは水分補給が欠かせない
汗は体から熱を奪い、体温が上昇しすぎるのを防いでくれる。しかし、失われた水分を補わないと脱水になり、体温調節能力や運動能力が低下する。そのため暑いときにはこまめな水分補給が必要となる。
水分の摂り方としては、基本的には出た分を補うことが良いが、汗をかいていてないと感じる場合でも、適切に水分補給をすることが大切だ。
運動をするときは、20~30分前ぐらいにコップ1杯程度の水分を補給し、あとは、運動中もコップ半分ぐらいの水分を補給する。
塩分(ナトリウム)の補給が効率的
水分の摂り方としては、基本的には出た分を補うことが良いが、汗をかいていてないと感じる場合でも、適切に水分補給をすることが大切だ。
運動をするときは、20~30分前ぐらいにコップ1杯程度の水分を補給し、あとは、運動中もコップ半分ぐらいの水分を補給する。
汗からは水分と同時にナトリウム(塩分)も失われる。ナトリウムが不足すると熱疲労からの回復が遅れるので、適度に補う必要がある。
身体には約0.9%の食塩水と同じ浸透圧の血液が循環している。汗にはナトリウムが含まれており、大量に汗をかいてナトリウムが失われると、水だけを飲むと血液のナトリウム濃度が薄まり、水を飲む欲求がなくなることがある。この状態になると、汗をかく前の体液の量を回復できなくなり、熱中症の原因になる。
体の状態や運動の内容によって必要な対応は変わってくるが、暑さがひどいときは、0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg/100mL)を含む補水液などを飲む。補水液は1Lの水にティースプーン半分の食塩(2g)を溶かして、自分で作ることもできる。
スポーツ飲料にご注意
身体には約0.9%の食塩水と同じ浸透圧の血液が循環している。汗にはナトリウムが含まれており、大量に汗をかいてナトリウムが失われると、水だけを飲むと血液のナトリウム濃度が薄まり、水を飲む欲求がなくなることがある。この状態になると、汗をかく前の体液の量を回復できなくなり、熱中症の原因になる。
体の状態や運動の内容によって必要な対応は変わってくるが、暑さがひどいときは、0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg/100mL)を含む補水液などを飲む。補水液は1Lの水にティースプーン半分の食塩(2g)を溶かして、自分で作ることもできる。
水分補給にスポーツ飲料を利用する人も多いが、エネルギー補給の目的で糖質を含んでいるものが多く、500mLのペットボトル1本中に当分が30g以上含まれるものもある。こうした飲料は、減量や血糖コントロールをしている人には勧められない。
スポーツ飲料の特徴は、発汗などで失われるナトリウム、カリウムなどの電解質を含んでおり、吸収を早めるために体液に近付けた浸透圧にしてあること。必要な場合は、糖質を含まない低カロリーのものを利用する方法もある。
準備は十分に 服装に注意
スポーツ飲料の特徴は、発汗などで失われるナトリウム、カリウムなどの電解質を含んでおり、吸収を早めるために体液に近付けた浸透圧にしてあること。必要な場合は、糖質を含まない低カロリーのものを利用する方法もある。
熱中症を予防するための服装のポイントは、(1)体の熱をスムーズに放射させる機能のあるもの、(2)外気からの熱の吸収を抑えるもの。
暑い時には服装は軽装にし、吸湿性や通気性の良い素材を使ったものを使用する。屋外で直射日光がある場合には、色の濃いものを身に付けるのを避けて、帽子を着用しよう。
体を熱さに慣れさせる
暑い時には服装は軽装にし、吸湿性や通気性の良い素材を使ったものを使用する。屋外で直射日光がある場合には、色の濃いものを身に付けるのを避けて、帽子を着用しよう。
高温多湿の環境での体温調節能力に、暑さへの慣れ(暑熱順化)が関係する。運動をするときは、暑さになれるまでの数日間は、短時間で軽いものからはじめ、徐々に運動量を増やしていくようにする。
暑いときや体調不良のときは無理な運動をしない
気温が高いときほど、また同じ気温でも湿度が高いときほど、熱中症の危険性は高くなる。また、運動をすると、その強度が高いほど熱の産生が多くなり、やはり熱中症の危険性は高くなる。
暑い環境でスポーツをするように鍛えられたアスリートと違い、普通の人が暑い時期に無理して運動するのは危険がともなう。暑いときに無理な運動をしても効果は上がらない。環境条件に応じて運動強度を調節し、休憩を適宜とり、適切な水分補給を心がけることが重要だ。
また、体調が悪いと体温調節機能も低下し、熱中症につながりやすい。疲労、睡眠不足、発熱、かぜ、下痢など、体調の悪いときには無理に運動をしないことが大切。
体力の低い人や、糖尿病の人、暑さに慣れていない人、熱中症を起こしたことのある人などは注意が必要となる。
アルコールを避ける
暑い環境でスポーツをするように鍛えられたアスリートと違い、普通の人が暑い時期に無理して運動するのは危険がともなう。暑いときに無理な運動をしても効果は上がらない。環境条件に応じて運動強度を調節し、休憩を適宜とり、適切な水分補給を心がけることが重要だ。
また、体調が悪いと体温調節機能も低下し、熱中症につながりやすい。疲労、睡眠不足、発熱、かぜ、下痢など、体調の悪いときには無理に運動をしないことが大切。
体力の低い人や、糖尿病の人、暑さに慣れていない人、熱中症を起こしたことのある人などは注意が必要となる。
アルコールは水分補給の代わりにならないので注意が必要。運動中や運動前にアルコール飲料を飲むと、体の脱水が促される。
アルコールを飲むと、十分に水分補給したと思っていても、実際には体から水分が失われており、熱中症やケガを起こしやすくなる。
薬を飲んでいる人は要注意
アルコールを飲むと、十分に水分補給したと思っていても、実際には体から水分が失われており、熱中症やケガを起こしやすくなる。
利尿剤やSGLT2阻害薬など尿の量が増える薬を飲んでいる人は、熱中症になりやすい傾向がある。このような薬を飲んでいる人は、暑い中で運動をする前にかかりつけ医に相談しよう。
【新型コロナ】感染症対策と熱中症対策を両立するポイント
【マスク】・体調に応じて、屋外で人と2m以上(十分な距離)離れているときはマスクを外しましょう。
<< マスク着用時は >>
・激しい運動は避けましょう。
・のどが渇いていなくてもこまめに水分を補給しましょう。
・気温・湿度が高い時は特に熱中症に注意しましょう。
【換気】
・換気を適切に行い、室温が上がり過ぎないようにエアコンで調節しましょう。
※一般的な家庭用エアコンは換気を行っていません。
【体調管理】
・暑さに備えた体づくりと日頃の体調管理をしましょう。 屋外では、▼周りに人がいなかったり、▼人と十分な距離が保たれている場合は、マスクを外してかまわない。マスクを着用しているときは、水分補給がしづらくなるが、のどが渇いていなくてもこまめに水分を補給することを心掛けることが大切。 また、マスク着用時は、激しい運動は避け、気温・湿度が高いときは、とくに熱中症対策を万全にする。
「熱中症環境保健マニュアル2022」(環境省)から抜粋
暑さ対策をすれば運動は続けられる
「熱中症警戒アラート」と「暑さ指数(WBGT)」が熱中症予防のための指標に
運動するときは、日中の暑い時間は避け、朝や夕方の涼しい時間帯を利用すると効果的だ。天気予報・熱中症警戒アラート・暑さ指数をみて、気温が上昇したり湿度の高い日には、午前11時から午後3時の運動は避ける。 気温が上がると心拍数が増えるので、特に運動中に心拍数がいつもより高い場合には注意が必要となる。木陰で休憩を挟みながら水分を補給し、ウォーキングなどの運動を行うと安全だ。 熱中症予防のための指標となるものとして、「熱中症警戒アラート」と「暑さ指数(WBGT)」がある。熱中症警戒アラート (環境省熱中症予防情報サイト)
環境省は、熱中症予防に関する情報「熱中症警戒アラート」を全国で発表している。これは、暑さ指数(WBGT)にもとづき、熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境が予測される場合に、暑さへの「気づき」を呼びかけ、熱中症予防行動を効果的に促すための情報として公開するもの。
「熱中症警戒アラート」は、予測対象日の前日17時頃または当日5時頃に発表し、4月下旬から10月下旬までの期間に都道府県ごとに実施している。
「発表されている日には、外出を控える、エアコンを使用するなどの、熱中症の予防行動を積極的にとりましょう」と注意を呼びかけている。
新型コロナを予防するためには、冷房時でも換気扇や窓開放によって換気を確保する必要がある。そうすると室内温度が高くなるので、「熱中症予防のためにエアコンの温度設定をこまめに調整する」ことを呼びかけている。 熱中症の危険性が高くなると予測されたときに配信される。
暑さ指数 (WBGT)
日本救急医学会の熱中症に関する委員会は、暑さ指数(WBGT)を意識した生活を心がけるよう呼びかけている。WBGTとは、熱中症が起きやすい外的環境を知るための指標で、気温だけでなく、湿度や輻射熱を考慮した判断が可能になる。その内訳は気温:湿度:輻射熱が1:7:2であることから、気温だけでなく、湿度や輻射熱をも考慮した判断が可能になる。
気温だけでなく、この暑さ指数を意識した生活指導が必須であり、これを用いた屋外活動の可否判断が重要だ。
暑さ指数を用いた指針としては、日本生気象学会による「日常生活における熱中症予防指針」、日本スポーツ協会による「熱中症予防運動指針」がある。
WBGTが25以上28未満のときは、「運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる」ことを、28以上31未満のときは「外出時は炎天下を避け室内では室温の上昇に注意する」よう呼びかけている。
全国の暑さ指数(WBGT)については、環境省のサイトで3日間の「実況と予測」が公開されている。 全国の3日間の「暑さ指数(WBGT)」が公開されている。
熱中症予防のための情報・資料サイト (厚生労働省)
How To Safely Resume Exercise In The Summer Heat - Amid A Global Pandemic (バージニア大学 2020年7月27日)
【特集】新型コロナウイルス感染症
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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