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2021年10月08日

【新型コロナ】インフルエンザ「今季は大流行のおそれ」 糖尿病の人はワクチン接種を 感染症学会

 日本感染症学会が、冬に備え、インフルエンザワクチンを積極的に接種するよう呼びかけている。

 昨季はコロナ禍でマスク着用や手洗いなどの対策が徹底され、インフルエンザ患者が激減したが、そのため社会全体の集団免疫が形成されておらず、今季はインフルエンザの大規模な流行が起こる可能性もあるという。

 ワクチン接種で患者を減らせれば、医療現場の負担軽減にもつながる。秋以降の新型コロナ患者の急増への備えとしても重要だ。

 糖尿病のある人は、インフルエンザに罹患した場合の合併症のリスクが高いとされており、とくにワクチン接種が推奨されている。
今年のインフルエンザは早期に流行が始まるおそれも
 昨年の冬季にはインフルエンザと新型コロナとの同時流行が危惧されてしたが、同時流行はみられなかった。

 これは、新型コロナ対策として普及した手指衛生やマスク着用、3密の回避、国際的な人の移動の制限などの感染対策がインフルエンザの感染予防についても効果的であったからだと考えられる。また、インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスとのあいだにウイルス干渉が起こった可能性もある。

 では、2021~2022年のシーズンについてはどうだろう? 日本感染症学会は、今年のインフルエンザは早期に流行が始まり、昨年のシーズンに、インフルエンザに罹患した人は少数だったため、社会全体の集団免疫が形成されていないとして、「インフルエンザワクチンの積極的な接種を推奨します」と呼びかけている。

 WHOの報告によると、アジアの亜熱帯地域、たとえばバングラデシュでは、2020年後半にA(H3N2)、2021年初夏よりB(ビクトリア)の流行があり、インドでも、2021年夏季にA(H3N2)の流行があった。

 これらの国々では、インフルエンザワクチン接種が普及しておらず、社会全体のインフルエンザに対する免疫が低かったとみられるという。小流行を繰り返すことで、「これらの地域でウイルスが保存され、今後国境を越えた人の移動が再開されれば、世界中へウイルスが拡散される懸念があります」と指摘している。

 さらに、新型コロナについても、秋以降も多くの新規患者が発生することが予想される。「ワクチンで予防できる疾患については可及的に接種を行い、医療機関への受診を抑制して、医療現場の負担を軽減することも重要です」と、同学会は指摘している。
インフルエンザワクチン接種の時期
 新型コロナの影響により、インフルエンザ流行の時期がずれる可能性もあるが、ワクチンが使用可となる時期が到来すれば、速やかに接種を行うことが望ましい。

 インフルエンザシーズンの時期と現行の不活化ワクチン効果の減弱を考慮すると、ワクチン接種は理想的には10月末までに行うことを推奨している。

 ただし、日本の多くの医療機関は現在、新型コロナの診療とワクチン接種に忙殺されている。日本では、新型コロナワクチンとその他のワクチンとは、互いに片方のワクチンを受けてから2週間後に接種することになっている。

 「新型コロナワクチンをまだ接種していない人には、まずそちらを優先せざるをえないかと思われますが、並行してインフルエンザワクチンの接種もご検討いただきたいと考えます。両方のワクチン接種のためには、医療機関を複数回受診する必要がありますが、その負担のためにワクチン接種頻度が低下するような事態は避けていただきたいと存じます」と、同学会は注意を呼びかけている。
糖尿病の人はワクチン接種が勧められる
 ワクチンの供給に関して、厚生労働省の発表によると、2021~2022年度ワクチンの供給量は、製造効率の高かった昨年度に比すると2割程度減少するものの、ほぼ例年通りとのこと。ワクチンを効率的に使用するためにも、昨年同様、13歳以上は原則1回接種となる。

 とくに糖尿病や心血管疾患などの危険因子をもつ人は、インフルエンザに罹患した場合の合併症のリスクが高いとされている。これらの因子のある人は、すべてにワクチン接種を推奨される。こうした人に接することの多い医療従事者や介護者も含まれる。

ワクチン接種が勧められる人
  • 6ヵ月以上5歳未満
  • 65歳以上(50歳以上とするものもある)
  • 慢性呼吸器疾患(気管支喘息やCOPDなど)
  • 心血管疾患(高血圧単独を除く)
  • 慢性腎・肝・血液・代謝(糖尿病など)疾患
  • 神経筋疾患(運動麻痺、痙攣、嚥下障害を含む)
  • 免疫抑制状態(HIVや薬剤によるものを含む)
  • 妊婦
  • 長期療養施設の入所者
  • 著しい肥満
  • アスピリンの長期投与を受けている者
  • 担がん患者
出典:日本感染症学会、2021年

 高齢者については、日本の高齢者の大半はすでに新型コロナワクチンの2回接種を完了している。同学会は「10月以降にインフルエンザワクチンの供給が始まり次第、速やかに接種を行うことが望ましいと考えます。新型コロナに対するブースターとしての3回目のワクチン接種も検討されていますが、現在のところ未定であり、インフルエンザワクチンを優先すべきであると考えます」としている。

インフルエンザ(厚生労働省)
今冬のインフルエンザ総合対策について(厚生労働省)
【特集】新型コロナウイルス感染症
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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