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2021年07月15日
【新型コロナ】運動不足は糖尿病よりもさらに深刻 ウォーキングなどの運動で感染リスクを減らす
ウォーキングなどの運動を習慣として行っている人は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染しても、重症化する割合が低いことが大規模な調査で明らかになった。
「コロナ禍こそ運動が必要です。運動はすべての人が服用すべき薬のようなものです」と、専門家は強調している。
座りがちな時間を減らすことも重要だ。テレビを見たり、コンピューターで長時間仕事をしたり、座ったまま過ごす時間が長引くときは、30分ごとに立ち上がり、軽い運動をすることが勧められている。
「コロナ禍こそ運動が必要です。運動はすべての人が服用すべき薬のようなものです」と、専門家は強調している。
座りがちな時間を減らすことも重要だ。テレビを見たり、コンピューターで長時間仕事をしたり、座ったまま過ごす時間が長引くときは、30分ごとに立ち上がり、軽い運動をすることが勧められている。
運動している人は重症化リスクが低下
ウォーキングなどの運動や身体活動を習慣として行っている人は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染しても、重症化し入院やICU(集中治療室)での治療が必要になったり、死亡するリスクをいずれも大きく減少できることが明らかになった。
1日30分×週5回のウォーキングを行っていると、新型コロナが重症化するリスクを大きく低下できる。いつも運動をしているわけではないという人でも、まったく運動しない人に比べ、新型コロナのリスクは低下するという。
これは、米国の主要な保険システムであるカイザーパーマネンテが、2020年1月1日~10月21日に、新型コロナに感染したと診断された4万8,440人の成人を対象に行った調査によるものだ。
「運動を習慣として続けている人は、新型コロナに打ち勝つ可能性がもっとも高く、運動不足の人は重症化するリスクが高いことが分かりました」と、フォンタナ医療センターの家庭医・スポーツ医学のロバート サリス氏は言う。
「健康的な生活スタイル、とくに運動をすることの重要さに対して自覚をもつことが大切です。新型コロナのパンデミック以降、そのことはいっそう重要になっています」としている。
運動不足だと感染したときの死亡リスクが2.5倍に上昇
調査の対象となった人は、カイザーパーマネンテの運動調査「エクササイズ・バイタルサイン」を、2018年3月~2020年3月に2回以上受けていた。これは、週の中~高強度の運動の頻度と、運動強度ごとの1回あたりの平均時間などを電子健康記録に記録するというもの。
対象者の年齢の中央値は47歳、女性は61.9%で、週あたりの運動時間は150分以上が6.4%(活動群)、10分以下が14.4%(運動不足群)だった。全員のうち8.6%が入院、2.4%がICUに収容、1.6%が死亡した。
その結果、次のことが明らかになった――。▼運動不足群は活動群に比べ、入院率は2倍以上に、ICU収容率は1.73倍に、死亡率は2.49倍にそれぞれ上昇した。
▼運動不足群は、基礎疾患(がん、糖尿病、循環器疾患、腎臓病、高血圧など)のある人よりも、死亡リスクがさらに高かった。ただし、年齢60歳以上、または臓器移植を受けたことのある人を除く。 また、活動的というほどではないものの、運動不足の人よりは運動をしている中間群についても、新型コロナの重症化リスクは抑えられており、少しの運動でも利益をもたらすことが示された。
運動には新型コロナに対する強力な保護効果がある
「運動習慣の有無が新型コロナにはっきりと影響することが明らかになり驚きました。肥満や喫煙などの他の危険因子について考慮して分析した後でも、運動不足は新型コロナによる入院、ICUでの治療、死亡の確率を大幅に上昇させたのです」と、サリス氏は述べている。
サリス氏が勧める"運動処方"はシンプルなものだ。「ウォーキングを、適度なペースで1日30分、週5日行うと、新型コロナに対する強力な保護効果を得られます」と、サリス氏は言う。
適度なペースのウォーキングとは、歌うことはできないが会話はできる程度の、息が少し上がるくらいの負荷だという。「新型コロナの影響が深刻なこの時期にはとくに、運動はすべての人が服用すべき薬のようなものです」と強調している。
新型コロナの拡大で運動不足に 生活スタイルを改善する必要が
ソーシャルディスタンスとステイホームで運動不足に
運動不足と座りがちな生活スタイルを改善する必要が
「運動不足と座りがちな生活スタイルを改善する必要があります」と、サンパウロ州立大学身体教育学部のエマニュエル ショラック教授は言う。
「ウォーキングなどの中強度の運動を週に150分以上、あるいは高強度の運動を75分以上行うことが勧められます。それとともに、座りがちな時間を減らすことも必要です」。
同大学では、ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど、家の近くで安全にできる有酸素運動や、シットアップ、腕立て伏せ、スクワット、椅子から立ち上がるなど、自分の体重を使い筋肉の緊張をほぐす運動を推奨している。
テレビを見たり、コンピューターで長時間仕事をしたり、座ったまま過ごす時間が長引くときも、30分ごとに立ち上がり、足を延ばし、できれば体操などの軽い運動をすることが勧められるという。
「外出自粛やステイホームにより、運動や身体活動が妨げられるのは好ましくありません。無料で公開されているオンラインの運動クラスを受講したり、子供と遊んだり、掃除やガーデニングなどの家事をしたり、階段の昇降、近所の散歩なども立派な運動になります」と、ショラック教授はアドバイスしている。
Physical inactivity is associated with a higher risk for severe COVID-19 outcomes: a study in 48 440 adult patients(British Journal of Sports Medicine 2021年4月13日)
Lack of physical exercise during COVID-19 confinement may lead to a rise in mortality, study shows(サンパウロ研究財団 2021年1月20日)
The Urgent Need for Recommending Physical Activity for the Management of Diabetes During and Beyond COVID-19 Outbreak(Frontiers in Endocrinology 2020年10月28日)
【特集】新型コロナウイルス感染症
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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