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2020年10月23日

世界糖尿病デー 2020年のテーマは「糖尿病と看護師」 看護師の大きな役割に注目

 「世界糖尿病デー」が、国際糖尿病連合(IDF)が中心となり、11月14日に開催される。160ヵ国以上の10億人以上の糖尿病とともに生きる人々と糖尿病療養に携わる医療従事者が対象だ。
 世界糖尿病デーの2020年のテーマは「糖尿病と看護師」だ。
11月14日は「世界糖尿病デー」
 世界糖尿病デー(WDD)は、糖尿病の脅威が世界的に拡大しているのを受け、世界規模で糖尿病に対する注意を喚起しようと、国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機関(WHO)によって1991年に開始され、2006年には国連の公式の日になった。

 11月14日は、1922年にチャールズ ベストとともにインスリンを発見したフレデリック バンティングの誕生日にあたる。インスリンの発見により、糖尿病治療は飛躍的な進歩をとげた。

 世界糖尿病デーの2020年のテーマは「糖尿病:看護師が違いをつくる(Diabetes: Nurses Make The Difference)」だ。

 世界糖尿病デーのシンボルである「ブルーサークル」は、世界的に増加を続ける糖尿病に対する意識を高め、一致団結して対策していく必要性を呼びかけるために掲げられる。

 日本でも、日本糖尿病学会、日本糖尿病協会が中心となり「世界糖尿病デー実行委員会」を設立、さまざまな活動を展開している。

世界糖尿病連合(IDF)が公開しているビデオ
糖尿病:看護師が違いをつくる(Nurses: make the difference for diabetes)

2020年のテーマは「糖尿病と看護師」
 2020年は「糖尿病と看護師」をテーマに、世界各地でキャンペーンが展開される。糖尿病とともに生きる人々を支援するうえで、看護師が果たす役割は大きい。

 看護師は世界の医療従事者の半分以上を占めており、糖尿病などの幅広い健康問題を抱えて生きる人々をサポートする重要な仕事をしている。

 世界の糖尿病人口は今後も増え続けると予測されており、糖尿病のコントロールを向上し状態をより良く管理するために、看護師などの医療専門スタッフの役割はますます重要になっている。

糖尿病:看護師が違いをつくる
 看護師などの医療専門職は、幅広い健康問題を抱えて生きる人々をサポートする役割を担っている。

 糖尿病の人が最初に出会い、もっとも会話をしているのは看護師であることが多い。糖尿病医療において、患者に対して最初に行われるイニシャルアセスメント(初期評価)、ケア、治療の質の向上はとても重要だ。

 看護師は次の点で重要な役割を担っている――。
糖尿病を早期に発見し、迅速な治療を可能にする。
糖尿病合併症を予防するために、糖尿病患者の自己管理のためのトレーニングや、心理的サポートを提供する。
糖尿病患者の病状を改善し、危険因子を減らすために、看護師は大きな影響力をもつ。
看護師向けオンラインコースの提供を開始
 看護師は、幅広い健康問題を抱え生活している人々をサポートするために、コミュニティで重要な働きをしている。糖尿病とともに生きる人々や、糖尿病を発症するリスクの高い人にとっても、そうしたサポートが切実に必要だ。

 糖尿病患者は多くの課題に直面している。看護師が知識と技術をより高めれば、糖尿病にともに生きる人々をより良く支援し、糖尿病に変化をもたらすことができるようになる。そのために、さらなる教育と資金が必要とされている。

 「政府と医療政策の立案者は、看護師の教育への投資の重要性を知るべきです。看護師が糖尿病についてより深く学び、トレーニングを受ける機会を促進することで、糖尿病とともに生きる人々に変化をもたらすことができます」と、IDFでは述べている。

 そこでIDFは10月に、糖尿病についての知識と理解を向上させるのに役立つ医療従事者向けの無料オンラインコースの提供を開始した。

 「IDFは、糖尿病とともに生きる人々を代表して、糖尿病ケアにおける看護師の役割を再認識し前進させるために、各国政府に要請していきます」としている。

IDFが公開している医療従事者向けオンラインコース
IDF School of Diabetes - The Role of Diabetes Educator

女性のエンパワーメントとジェンダー平等の実現に向けて
 世界保健機関(WHO)の「World's Nursing Report 2020」によると:
看護師は世界の医療従事者の59%を占め、もっとも多い専門職。
世界の看護師の数は2,790万人で、うち1,930万人は職業看護師。
2018年に世界で不足した看護師の数は590万人で、その89%は低・中所得国に集中している。
世界で看護師の不足を解決するために、看護師を2030年まで1年に8%増やす必要がある。
世界の看護師の90%は女性。

 医療の訓練を受けた看護師などの専門職は世界的に不足している。深刻な不足を克服するために、2030年までに毎年8%ずつ数を増やす必要がある。

 WHOは、持続可能な開発目標(SDGs)で掲げられた目標を達成するために、2030年までに410兆円(3.9兆ドル)の投資が必要で、その40%が医療従事者への報酬にあてられるべきだと推定している。

 医療従事者への投資が促進するものは、貧困の撲滅、包括的で公平な教育の確保、女性の雇用とエンパワーメントによるジェンダー平等の実現、働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント ワーク)、持続可能で包括的な経済成長などだ。

 IDFは、看護師がより良い教育を受け、地域で糖尿病とともに生きる人々をサポートするために最善の準備ができるように、政策立案者と保健医療の専門家に向けてメッセージを発信していくとしている。

IDF理事長のアンドルー ボルトン教授のインタビュー

世界糖尿病デー(World Diabetes Day)
世界糖尿病連合(IDF)
World's Nursing Report - 2020(世界保健機関)

世界糖尿病デー(世界糖尿病デー実行委員会)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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