ニュース

2024年11月13日

【世界糖尿病デー】インスリン治療を続けて50年以上 受賞者を発表 丸の内では啓発イベントも

 11月14日の世界糖尿病デー(World Diabetes Day)に合せて、各地で啓発イベントが開催されている。

 インスリン治療を50年以上継続している糖尿病とともに生きる人々を顕彰する「リリー インスリン50年賞」の受賞者が発表された。

 東京の丸の内では、イベント「体験型ボードゲームで学ぶ糖尿病と合併症~腎臓の声に耳を傾けよう~」も開催され、多くの人が参加した。

インスリンとともに50年「リリー インスリン50年賞」

 日本イーライリリーは、11月14日の世界糖尿病デー(World Diabetes Day)に合せて、第22回「リリー インスリン50年賞」の受賞者を発表した。

 同賞は、日本でインスリン治療を50年以上継続している糖尿病とともに生きる人々の、長年の努力をたたえ、敬意をあらわし顕彰するもの。

 「リリー インスリン50年賞」は1974年に米国で開始された。日本では2003年に開始され、第22回は25人が受賞し、これまでの受賞者数は計265人になった。

 インスリンは、約100年前の1921年に発見され、1923年にイーライリリー・アンド・カンパニーが世界ではじめてインスリン製剤の大量生産に成功し販売を開始した。リリーのインスリンが日本市場に導入されたのは大正初期のこと。

 同賞は、インスリン治療を継続する糖尿病とともに歩む人に勇気と希望を与え、治療に前向きに取り組む上での目標となるものだ。

 受賞者は、インスリンとともに歩んだ道のりを振り返りながら、家族や医療従事者など周囲にいる人々への想いや、他の糖尿病とともに生きる人へ励ましのメッセージなどを伝えている。

 受賞者には、本人の名前を刻印したトロフィーが贈られ、医療機関でお祝いができる表彰サポートセットも用意された。

リリー インスリン50年賞
記念品(トロフィー)と院内表彰サポートセット

疾患啓発イベント「糖尿病と合併症~腎臓の声に耳を傾けよう~」 バイエル薬品

 バイエル薬品は、世界糖尿病デー(World Diabetes Day)に合せて都内で、疾患啓発イベント「体験型ボードゲームで学ぶ糖尿病と合併症~腎臓の声に耳を傾けよう~in 丸の内」を開催した。

 イベントは、参加した人に糖尿病や合併症について理解を深めてもらい、予防や早期発見につなげる機会につなげようと開催されたもの。

 イベントは、丸ビルマルキューブで11月7~8日に開催され、1,000人近くが参加・観覧し、会場の床一面に広がった特大サイズのボードゲームを通じて、糖尿病や合併症の理解を深めた。

 オープニングイベントでは、糖尿病を専門とする国立国際医療研究センター第一糖尿病科医長の坊内良太郎先生による糖尿病と合併症についての解説と、お笑いコンビ「ガンバレルーヤ」のよしこさん、まひるさんも参加したトークセッションが行われた。

 坊内先生は糖尿病の三大合併症として、網膜症、腎症、神経障害を挙げ、そのうち糖尿病性腎症はかなり進行するまで自覚症状に乏しいことを説明。糖尿病に罹患してから腎機能が低下するのは10~20年と長期にわたる。

 腎臓病を放置したままにしておくと、末期腎不全となり、人工透析や腎移植を受ける必要が出てくる。糖尿病性腎症は、新たに透析になった患者の原因疾患としてもっとも多く4割を占める。

 「腎臓の病気は、早期に発見し対策を行うことが、進行の抑制や日常生活を送るうえで重要になります。定期的な検査、とくに尿検査を行い、このイベントのタイトルにもなっている『腎臓の声』にしっかり耳を傾けることが大切です」と呼びかけた。

 坊内先生は、長く付き合うことになる糖尿病や糖尿病性腎症になったときに大切なこととして、「患者さん1人ひとりが自分に合った治療法の提案を医師から受けるために、ご自身の日常や生活におけるちょっとした変化、得意なことや苦手なことなどを医療者にもっと積極的に伝えることが大事です」と提案。

 イベントでは、遠会場の床一面に広げた特大サイズのボードゲームも展開。参加者は、すごろくのようにサイコロを振ったりルーレットを回したりして、止まったマス目に書かれた糖尿病や合併症に関するクイズに答えながら前へ進み、ゴールを目指した。

疾患啓発イベント「糖尿病と合併症~腎臓の声に耳を傾けよう~」

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

play_circle_filled 記事の二次利用について

このページの
TOPへ ▲