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2023年11月10日

【世界糖尿病デー】インスリン50年賞を発表 バーチャルウォークラリー・市民講座・セミナーなどを開催

 11月14日は「世界糖尿病デー」。世界各地で、糖尿病の予防や治療についての市民講座やセミナーの開催をはじめとして、糖尿病とともに生きる人がより意識を高められるよう、啓発活動が展開される。

 日本でも、インスリン治療を50年以上継続されている糖尿病とともに歩む人の長年の努力を讃える「リリー インスリン50年賞」の受賞者が発表された。

 糖尿病を正しく理解してもらうためのシンポジウムやウォークラリーなども開催される。

インスリン治療を続けて50年 第21回「リリー インスリン50年賞」発表

 11月14日は「世界糖尿病デー」。日本イーライリリーは、第21回「リリーインスリン50年賞」を21名の受賞者に贈ったと発表した。  「リリー インスリン50年賞」は、インスリン治療を50年以上継続されている糖尿病とともに歩む人の長年の努力を讃えることを目的に、1974年に米国で開始された。

 日本では2003年に表彰がはじめられ、第21回を迎えた2023年度を含め、これまでに240人が受賞している。

 「リリー インスリン50年賞」を受賞した人々が、インスリン治療を継続するすべての糖尿病とともに歩む人に勇気と希望を与え、治療に前向きに取り組むうえでの目標となることを願っているとしている。

 インスリンは、約100年前の1921年にカナダ人医師であるフレデリック バンティングらにより発見され、1922年にイーライリリーなどがインスリンの製剤化に成功した。

 同賞は、この100年の歴史のうち、50年以上にわたりインスリンによる治療を継続している人を対象としている。

リリー インスリン50年賞

 「リリー インスリン50年賞」の詳細情報や、情報公開を了承した受賞者のコメントなどを、下記でみることができる。

シンポジウムやウォークラリーなどオンラインでの啓発活動を展開

 日本糖尿病協会(清野裕・理事長)では、2023年の世界糖尿病デーに合わせて、糖尿病を正しく理解してもらうためのシンポジウムやウォークラリーの開催など、オンラインでの啓発活動を展開する。

 参加型プログラムとして「バーチャルウォークラリー」「小児糖尿病バーチャルキャンプ」、一般向けWEBセミナーとして「糖尿病WEB市民公開講座」「オンラインシンポジウム」、医療関係者向けWEBセミナーとして「糖尿病領域ライブ配信講演会」「アドボカシーセミナー」などが、それぞれ予定されている。

 誰でも視聴・参加できるシンポジウムやウォークラリーなどの開催情報が公開されている。

公益社団法人 日本糖尿病協会

糖尿病バーチャルウォークラリーを開催

ウォーキングアプリ「そとでる」
 そのうち、日本糖尿病協会とノボ ノルディスク ファーマが共催する「歩いて学ぶ糖尿病バーチャルウォークラリー」は、11月12日にオンライン開催される。

 両者は、糖尿病とともに生きる人が健康的に暮らすことの重要性を啓発するため、全国で「歩いて学ぶ糖尿病ウォークラリー」を1992年より共催している。

 新型コロナの世界的流行により、対面式イベントの開催が難しくなり、2022年に第1回目の「歩いて学ぶ糖尿病バーチャルウォークラリー」をオンラインで開催。それが好評だったため、同年に第2回を実施し、今回が第3回になる。

 当日は、セミナー「楽しく運動! 効果的で安全なウォーキングのコツ」や、清野・理事長やタレントのダイノジ大地さんによるトークショー「明るく元気にポジティブに糖尿病を笑い飛ばそう!」などが開催される。

 いつでも、どこでも気軽に日々のウォーキングを楽しみ、運動の継続意識を高められるウォーキングアプリ「外に出ることからはじめよう(そとでる)」も、同協会の監修により開発され、2022年にローンチされた。

 「このイベントが、外出を躊躇する寒い季節に、"そとでる"を用いて気軽に体を動かしてもらう機会になることを期待しています」としている。

 公式サイトで、イベントやチャレンジについての概要や、アプリ「外に出ることからはじめよう」(そとでる)の情報などが掲載されている。

第59回全国糖尿病週間

 日本糖尿病協会では、11月14日を含む1週間を「全国糖尿病週間」に定めて、全国各地で講演会や健康相談、街頭での広報活動などを展開している。各都道府県の糖尿病協会や友の会が主体となり、地域単位でこれらの啓発活動を行っている。

 2023年の第59回全国糖尿病週間は、11月12日(日)~18日(土)に開催される。テーマは「アドボカシー~偏見にNO!~」。

 アドボカシーとは、「権利擁護」や「代弁」などという意味をもつ言葉。糖尿病領域では、患者の権利を守り、不当な偏見をなくすために、医療者と患者がともに行政や社会の理解をえるために行う活動をさす。

 同協会などは、糖尿病に対する社会の知識不足、誤ったイメージの拡散により、糖尿病をもつ人が「特定の属性に対して刻まれる負の烙印=スティグマ」(社会的偏見による差別)にさらされているとして、糖尿病の正しい理解を促進する活動を通じて、糖尿病をもつ人がいきいきと生活できる社会形成を目指す活動(アドボカシー活動)を展開している。

世界糖尿病デー (世界糖尿病デー実行委員会)
世界糖尿病連合 (IDF)
世界糖尿病デー (World Diabetes Day)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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