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2023年11月10日

【世界糖尿病デー】糖尿病とともに生きる10億人が明るい未来に向けて行動 糖尿病ケアへのアクセス

 「世界糖尿病デー(WDD)」が、国際糖尿病連合(IDF)が中心となり、11月14日に開催される。

 世界160以上の国や地域の、10億人を超える糖尿病とともに生きる人々と医療従事者が対象となる。

 世界糖尿病デーの2023年の共通テーマは「糖尿病ケアへのアクセス (access to diabetes care)」だ。

糖尿病の脅威が世界的に拡大

 糖尿病とともに生きる人の数は、日本を含め世界中で増加している。

 糖尿病有病者の数は、1980年には1億800万人だったのが、2014年には4億2,200万人に増え、2021年には5億3,700万人に達したと推定されている。

 これは、世界の成人の10人に1人が、糖尿病とともに生きていることを示している。効果的な対策をしないと、その数は、2030年までに6億4,300万人に、2045年までに7億 8,300万人に、増え続けると予想されている。

糖尿病のサインを知り対策しよう
世界糖尿病デーのテーマは「糖尿病ケアへのアクセス」
国際糖尿病連合

11月14日は世界糖尿病デー(WDD)

 世界糖尿病デー(WDD)は、糖尿病の脅威が世界的に拡大しているのを受け、世界規模で糖尿病に対する注意を喚起しようと、国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機関(WHO)によって1991年に開始され、2006年には国連の公式の日になった。

 11月14日は、1922年にチャールズ ベストとともにインスリンを発見したフレデリック バンティングの誕生日にあたる。インスリンの発見により、糖尿病治療は飛躍的な進歩をとげた。2021年はインスリン発見から100年目の記念すべき年だった。

 世界糖尿病デーのシンボルである「ブルーサークル」は、世界的に増加を続ける糖尿病に対する意識を高め、一致団結して対策していく必要性を呼びかけるために掲げられる。

 日本でも、日本糖尿病学会、日本糖尿病協会が中心となり「世界糖尿病デー実行委員会」を設立し、さまざまな活動を展開している。

糖尿病が原因で年間に670万人が死亡

 IDFやWHOによると、糖尿病は1人ひとりに、下記のような深刻な影響をもたらす。

  • 糖尿病は、失明・腎臓病・心臓病・心臓発作、脳卒中、下肢切断などの主な原因になる。
  • 糖尿病が原因になり、2021年には世界で670万人が死亡したと推定される。
  • 糖尿病による死亡率は2000年~2019年に3%増加した。
  • ▼健康的な食事、▼運動の習慣化、▼健康的な体重の維持、▼喫煙しないことにより、糖尿病の多くは予防・改善できる。
  • 糖尿病合併症は、▼食事療法、▼運動療法、▼薬物療法、▼検査を定期的に受けることで、予防したり進行を遅らせることができる。
  • 世界の5億4,100万人の成人が2型糖尿病を発症するリスクが高い。
  • 世界の120万人以上の0~19歳の小児や若年者が1型糖尿病とともに生きている。
  • 糖尿病のある人の4人に3人以上が、低所得国や中所得国に住んでいる。

世界糖尿病デーのテーマは「糖尿病ケアへのアクセス」

 世界糖尿病デーの2021年~2023年の共通テーマは「糖尿病ケアへのアクセス (access to diabetes care)」だ。

 糖尿病の90%以上を占める2型糖尿病の予防したり、進行を遅らせ、糖尿病合併症を防ぐために、1人ひとりが自分の糖尿病のリスクを知ることが重要となる。

 糖尿病についての適切な知識を社会に広げるともに、糖尿病の検査や治療へのアクセスを改善し、早期治療につなげることが求められているとしている。

 糖尿病とその合併症は多くの場合、健康的な生活スタイルにより、発症を予防したり進行を遅らせることができる。しかし、糖尿病の発見が遅れ、適切な治療をはじめられないでいると、生命を脅かす深刻な合併症が引き起こされる。

 しかし、世界の数百万人もの人が、適切な糖尿病の治療を受けられていない現状がある。糖尿病とともに生きる人々の自己管理をサポートするために、正しい知識と利用できる治療薬やツールへのアクセスを整備することが早急に求められている。

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世界糖尿病連合 (IDF)

IDF糖尿病アトラス (Diabetes Atlas) (世界糖尿病連合)

世界糖尿病デー (世界糖尿病デー実行委員会)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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