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2023年09月27日

ジャンクフードの「間食」は糖尿病や認知症のリスクを高める 食べると良いのはどんな食品?

 菓子パンやポテトチップスなど、体に悪いジャンクフードや超加工食品などを間食として利用していると、糖尿病や肥満、脂質異常症などに悪影響を及ぼし、脳卒中や心血管疾患のリスクが上昇することが明らかになった。

 とくに午後9時以降に間食をとっている人は、血糖値が上昇しやすいことも分かった。

 体に悪い食品を間食として食べすぎると、認知機能の低下やうつ病のリスクが高まることも報告されている。

 「ジャンクフードや超加工食品を食べる量を減らし、食物繊維の多い全粒穀物や、野菜、マメ類、ナッツ類などのより健康的な食物を食べることをお勧めします」と、研究者は述べている。

体に悪い間食は糖尿病・肥満・脂質異常症のリスクを高める

 間食は、食事(朝食・昼食・夕食)以外に摂取する、カロリー源となる食べ物と飲み物のこと。間食として利用されることが多いのは、ジャンクフードや超加工食品だ。

 体に悪いこれらの食品を間食として利用していると、糖尿病や肥満、脂質異常症などに悪影響を及ぼし、脳卒中や心血管疾患のリスクが上昇することが、英国のキングス カレッジ ロンドンによる研究で示された。

 午後9時以降に間食をとっているという人も31%に上ったが、夜遅くの間食は血糖値の上昇と、1~2ヵ月の血糖値の平均を反映するHbA1cの上昇につながりやすいことも分かった。

健康的な間食は健康を改善し、空腹感を軽減

 「95%の人が間食をとっており、1日に食事でとるカロリーの4分の1近くが間食によるものであることが分かりました」と、同大学で栄養学や心臓血管疾患について研究しているサラ ベリー氏は言う。

 「ただし、健康的な間食をとっていれば、食事は不健康にはなりません。間食に野菜やナッツ類などを食べている人は、健康的な体重を維持できている可能性が高いことも分かりました」。

 「超加工食品やジャンクフードを食べる量を減らし、精製されていない全粒穀物を使った食品や、野菜・豆類・ナッツ類・果物などのより健康的な食物を食べることをお勧めします」。

 「健康的な間食が、健康を改善し、空腹感を軽減するのに役立っている可能性もあります」としている。

関連情報

間食にすると良いのはどんな食品?

 研究グループは、平均年齢が46.1歳、体格指数(BMI)の平均が25.6の男女854人を対象に、食習慣と健康状態の関連について調査した。

 その結果、参加者の95%は間食をとる習慣があり、1日のカロリー摂取量の24%をシリアルバーや菓子パン、スナックなどから摂取しており、1日平均の間食の摂取頻度は2.28回であることなどが分かった。

 さらに26%の人は、1日3食が健康的な食事スタイルであっても、超加工食品や高カロリーの甘い食品などの質の悪い間食をとっていることも分かった。

 不健康の間食は、内臓脂肪の増加や、食後の中性脂肪値の上昇、空腹時インスリン値の上昇、血糖値を下げるインスリンが働きにくくなるインスリン抵抗性などにつながっていることも分かった。これらは、糖尿病や肥満、脳卒中や心血管疾患などのリスクを高める。

 「クッキー・ポテトチップス・ケーキなどの糖質や脂肪の多い不健康な間食はやめて、食物繊維の多い全粒穀物や野菜・マメ類・ナッツ類などの健康的な食品に置き換えることで、栄養バランスがとれた食事になり、食事を全体的に改善できます」と、ベリー氏は指摘している。

超加工食品にはどんな特徴があるか

 「超加工食品」(UPF)とは聞きなれない言葉だが、実は私たちの身のまわりにあふれている食品だ。

 超加工食品には、▼ポテトチップスなどのスナック、▼菓子パン・総菜パン、▼ソーセージ・チキンナゲット・ミートボール、▼カップ麺、▼ピザ・ホットドック、▼ドーナツ・クッキー・マフィン、▼高カロリーの清涼飲料などがある。

 研究グループは、超加工食品の特徴として、▼調理しないですぐに食べられる、▼脂肪・塩分・糖質などが多く含まれ、口当たりが良い、▼高カロリーという3点を指摘している。

 超加工食品の多くは、硬化油・添加糖・香味料・乳化剤・保存料など添加物を加え、工業的な過程を経て作られる、常温で保存できたり、日持ちを良くしてある。

ジャンクフードや超加工食品は
認知機能の低下やうつ病のリスクも上昇させる

 不健康なジャンクフードや超加工食品を、間食として食べすぎると、認知機能の低下やうつ病のリスクが高まるという、大規模な調査結果も発表された。研究は、米国のマサチューセッツ総合病院やハーバード公衆衛生大学院などによるもの。

 研究グループが、認知症を発症していない約1万1,000人の35歳~74歳の米国人を対象に調査したところ、ジャンクフードや超加工食品を多く食べている人は、あまり食べない人に比べて、認知機能の低下の速度が28%速いことが分かった。

 また、約3万1,000人の米国人女性を対象とした調査では、超加工食品を多く食べている人は、うつ病のリスクが高いことも示された。

 超加工食品を食べる量を減らした人は、4年間でうつ病のリスクが低下することも分かった。

 「不健康な食品を食べすぎると、心臓病や2型糖尿病などの慢性疾患のリスクが高まります。これらは認知症の危険因子です」と、ハーバード ヘルスレターのハイディ ゴッドマン氏は言う。

 「不健康な超加工食品やジャンクフードを食べる量を減らし、全粒穀物、野菜、マメ類、ナッツ類などのより健康的な食物を食べることをお勧めします」としている。

A quarter of people are undoing the benefits of healthy meals by unhealthy snacking (キングス カレッジ ロンドン 2023年9月15日)
Snack quality and snack timing are associated with cardiometabolic blood markers: the ZOE PREDICT study (European Journal of Nutrition 2023年9月15日)
Consumption of ultraprocessed food and risk of depression (JAMA Network 2023年9月20日)
Consumption of Ultraprocessed Food and Risk of Depression (JAMA Network 2023年9月20日)
Eating ultra-processed foods tied to cognitive decline (ハーバード公衆衛生大学院 2023年4月1日)
Eating more ultra-processed foods may shorten life span (ハーバード公衆衛生大学院 2019年5月1日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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