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2023年09月19日
「夜型」の生活スタイルの人は糖尿病リスクが上昇 食事・運動・仕事などを整えると改善
「夜型」の生活をしている人は、早寝早起きをして「朝型」の生活をしている人に比べ、糖尿病リスクが高いことが明らかになった。
生活パターンが夜型の人も、睡眠以外の食事や運動、仕事などの生活スタイルを改善することで、糖尿病リスクを減らすことができる。
生活が「夜型」の人は糖尿病リスクが上昇
「夜型」の生活をしている人は、早寝早起きをして「朝型」の生活をしている人に比べ、2型糖尿病のリスクが高いことが、米国のブリガム アンド ウィメンズ病院が6万3,676人を対象に行った調査で明らかになった。 研究グループは、クロノタイプが「夜型」になっている、つまり夜は遅く寝て、朝は遅く起きるのが習慣になっている人は、糖尿病のリスクが19%上昇することを発見した。 「夜型の生活スタイルは、2型糖尿病のリスクを高めることが示されました。これは"自分は夜型だ"と思っている人への重要なメッセージとなります」と、同病院で睡眠を研究しているティアンイ ファン氏は言う。 研究グループは今回、米国で実施されている大規模研究である「看護師健康調査II」に参加した6万3,676人の女性看護師の、2009年から2017年まで追跡した調査のデータを分析した。 この調査は、参加者の健康状態や生活スタイルなどを定期的にチェックし、長期間追跡して調査したことが特徴となる。 関連情報「夜型」のクロノタイプをもつ人は糖尿病リスクが72%高い
米国睡眠財団によると、「クロノタイプ」は、睡眠と覚醒のバランスをつくる、1人ひとり異なる体の自然なリズム。睡眠と起床の時間の調節や、食欲・ホルモン分泌・体温調整などにも関わり、1日を通してパフォーマンスや活動に影響をもたらす。 調査では、参加者の11%は「夜型」のクロノタイプをもっていて、35%は「朝型」のクロノタイプをもっていると報告した。残りの半数は朝型でも夜型でもない「中間型」に分類された。 解析した結果、「夜型」のクロノタイプをもつ人は、2型糖尿病の発症リスクが72%高いことと関連していた。 食事や運動、糖尿病の家族歴など、他の因子の影響も考慮して解析すると、「夜型」の人は糖尿病リスクは大幅に下がり31%になった。 さらには、クロノタイプが「夜型」の人は「朝型」の人に比べて、生活スタイルが不健康である可能性が54%高かった。夜型の人は睡眠パターンが不規則になりやすい
研究グループはこれまで、睡眠のスケジュールが不規則な人ほど、糖尿病や心血管疾患のリスクが高く、クロノタイプが夜型の人は、睡眠パターンが不規則になりやすいことも明らかにしている。 「夜型」の人は、アルコールの摂取量が多く、喫煙習慣があり、一晩の睡眠時間が短く、食事の質も低く、体重や体格指数(BMI)、身体活動などもそれぞれ不健康である傾向がみられるという。 「クロノタイプは、部分的には遺伝的に決定されるため、変更するのが難しい場合もあります」と、同大学ネットワーク医療部門のシーナ キアナーシ氏は言う。 「しかし、生活パターンが夜型の人も、睡眠以外の食事や運動、仕事などの生活スタイルを改善することで、糖尿病リスクを大幅に減らせることも示されています。ご自分のクロノタイプについて知っていることが大切です」としている。生活スタイルを改善すると糖尿病リスクは低下
一方で、クロノタイプが夜型で、夜勤勤務の多い看護師は、2型糖尿病のリスクが上昇しなかったことにもふれている。 「クロノタイプと労働時間が一致している場合は、糖尿病リスクは高くならない傾向が示されました。仕事のスケジュールを個別化して調整することが、健康にとって有益である可能性があります」としている。 研究グループは、より大規模で多様な集団を対象に、クロノタイプを遺伝的に決定する因子と、糖尿病に加え心血管疾患などとの関連について調査することを計画している。 「1人ひとり異なるクロノタイプに合わせて、生活改善を指導できるようになれば、糖尿病などを効果的に予防・改善できるようになると期待しています」と、キアナーシ氏は述べている。 'Night Owls' More Likely Than 'Early Birds' to Develop Diabetes (ブリガム アンド ウィメンズ病院 2023年9月11日)Chronotype, Unhealthy Lifestyle, and Diabetes Risk in Middle-Aged U.S. Women: A Prospective Cohort Study (Annals of Internal Medicine 2023年9月12日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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