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2025年01月08日
「ラジオ体操」で糖尿病を改善 取り組みやすく続けやすい運動 フレイル対策の効果を検証
糖尿病の管理を良くするために、運動に取り組むのはとても効果的だ。そのなかでラジオ体操は、短い運動のなかに、有酸素運動や筋肉を伸ばすストレッチ効果などを合わせて期待できる効果的な運動になる。
東京都健康長寿医療センターなどは、ラジオ体操の健康効果を検証するため、日本人高齢者226人を対象に、12週間のランダム化比較試験を実施した。
ラジオ体操は、いつでも、どこでも、誰でも手軽に行え、関節や筋肉の柔軟性、バランス能力、下肢筋力、調整力、全身持久力など、必要な体力要素がバランスよく入っているとしている。
ラジオ体操を糖尿病の運動療法に
糖尿病の管理を良くするために、運動に取り組むのはとても効果的だ。運動療法により、血糖管理が良くなり、血糖値を下げるインスリンの働きが良くなり、脂質の代謝も改善する。運動は、メンタルヘルスを改善するのにも有用だ。 そのなかでラジオ体操は、第1と第2を合わせて約6分間の短い運動のなかに、有酸素運動や筋肉を伸ばすストレッチ効果などを合わせて期待できる効果的な運動になる。 ラジオ体操は、季節や天気にかかわらず室内でもでき、時間や場所を問わず実施できるので、運動を習慣化しやすいという魅力もある。ラジオ体操の動画も配信されており、スマートフォンなどで見ることもできる。ラジオ体操のフレイル対策の効果を検証
「フレイル」は、年齢とともに筋力や心身の活力が低下し、介護が必要になりやすい、健康と要介護の間の虚弱な状態。プレフレイルはその前段階だ。 とくに高齢者のフレイルは、生活の質を落とすだけでなく、さまざまな合併症も引き起こす危険性を高める。 フレイルは、早く介入して対策を行えば、もとの健常な状態に戻せる可能性がある。 そこで東京都健康長寿医療センターなどは、「ラジオ体操の健康効果の検証に向けた共同研究」を実施した。 その結果、ラジオ体操の実践は、フレイルまたはプレフレイルの高齢者の敏捷性/バランス、持久力の向上、運動を継続する自信の維持に有益であることが明らかになった。 ラジオ体操は、いつでも、どこでも、誰でも手軽に行え、関節や筋肉の柔軟性、バランス能力、下肢筋力、調整力、全身持久力など、健康を維持するために必要な体力要素がバランスよく入っているとしている。ラジオ体操は取り組みやすく続けやすい
研究は、東京都健康長寿医療センター、東京医科大学、全国ラジオ体操連盟、かんぽ生命保険によるもの。 日本人高齢者226人を対象に、12週間のランダム化比較試験を実施。研究成果は、「Journal of Epidemiology」に掲載された。 ラジオ体操は、かんぽ生命の前身である逓信省簡易保険局によって1928年に制定され、2028年に生誕100年を迎える。 かんぽ生命が2024年に全国の20歳~69歳の男女2,400人を対象に実施した一般消費者調査では、ラジオ体操の国内での認知率は88.2%と高いものの、1週間に1回以上行っている人の割合は12.1%にとどまることが示された。ラジオ体操がバランス能力や持久力などを改善
運動に対する自己効力感も向上
研究グループは、参加者を介入群(ラジオ体操+栄養プログラム、104人)、あるいは対照群(栄養プログラムのみ、105人)にランダムに割りあて、ラジオ体操プログラムは、自宅で受ける5回の60分間のグループセッションと毎日の運動で構成されていた。
その結果、ラジオ体操の実践は、フレイルあるいはプレフレイル高齢者の敏捷性/バランス、有酸素持久力の向上に有益であることが明らかになった。
ラジオ体操の12週間の実践に取り組んだ高齢者は、運動に対する自己効力感を示す運動セルフエフィカシーも向上した。一方で、健康関連QOLの改善は有意差がみられなかった。
ラジオ体操の1日の実施率の中央値は94.1%と高く、継続しやすい運動であることも示唆された。
「国民の皆さまに、医学的な検証結果にもとづくラジオ体操の健康効果を知っていただき、1人でも多くの方にラジオ体操を継続的・習慣的に行っていただきたい」と、研究者は述べている。
出典:かんぽ生命、2024年
東京都健康長寿医療センターEffects of Radio-Taiso on Health-related Quality of Life in Older Adults With Frailty: a Randomized Controlled Trial (Journal of Epidemiology 2024年10月5日) かんぽ生命 NPO法人 全国ラジオ体操連盟
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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