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2007年05月29日

善玉コレステロールを増やす運動 週に900kcal以上が必要

 「善玉コレステロール」を増やすために有酸素運動が有効なことが知られているが、運動の効果を得るためにある程度の運動量を確保しながら習慣化することが必要なことが、お茶の水女子大学の研究グループの調査でわかった。
糖尿病の人は善玉コレステロール値が低くなりやすい
 HDLコレステロール(HDL-C)には、血管の壁などにはりついたコレステロールを肝臓へ持ち帰るはたらきがあり、動脈硬化の進行をくいとめることから“善玉”と呼ばれる。HDL-Cが少なくなる「低HDLコレステロール血症」は脂質異常症のひとつ。

 糖尿病の人では善玉のHDL-C値が低くなりやすい。HDL-Cを増やすために、肥満の解消、食事で脂肪を摂り過ぎないこと、食物繊維を十分にとること、禁煙などが勧められているが、運動をしっかりと続けることも大切なことがあらためて示された。

まとまった運動を週に900kcal以上
 この研究は米国の内科学雑誌「Archives of Internal Medicine」5月28日号に発表された。曽根博仁・お茶の水女子大学生活科学部准教授らによるもので、ウォーキングなどの有酸素運動とコレステロール値の関連について調べた25の研究論文のデータを解析した。

 その結果、HDL-Cの血中濃度を増やすために、少なくとも1週間に900kcal以上のエネルギー消費量に相当する運動が必要なことがわかった。

 1回当たり30分以下の運動では効果が少ないが、以降10分増すごとにHDL-C値は約1.4mg/dL増加することもわかった。

 900kcal以上の運動は、具体的にはどれくらいの運動量に相当するだろうか。厚生労働省が公表している「エクササイズガイド」によると、速足のウォーキングを1日当たり1時間(約6,000歩)続けると、体重60kgの人で週に約1,400kcal、70kgの人で約1,700kcalのエネルギーを消費する。

 多くの人の日常での平均歩数は2,000〜4,000歩ぐらいなので、週に5日ウォーキングをして、1日当たりの歩数の合計がおよそ8,000〜1万歩になると、トータルで十分な運動をしていることになる。

Archives of Internal Medicine 2007; 167: 999-1008.

詳しくは「Archives of Internal Medicine」のサイトへ(英文・要約)

関連情報
毎日の必要な運動量が分かる「エクササイズガイド」

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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