ニュース
2006年07月19日
毎日の必要な運動量が分かる「エクササイズガイド」
厚生労働省は、糖尿病など運動不足が要因で発症しやすい生活習慣病を抑制しようと、日常生活に運動を取り入れる目安となる「エクササイズガイド2006(健康づくりのための運動指針2006)」をまとめ公開した。健康維持のためにどのような運動をどれだけ行えばいいかを詳しく知ることができ、糖尿病の運動療法の視点からも参考になる内容になっている。
エクササイズガイドは、ウォーキングなどの運動から日常での買い物や掃除などの活動まで、運動をメニューにして組み合わせ、どんな運動をどれだけ行えば1週間に必要な運動量を達成できるかがわかるようになっている。厚生労働省の運動指針小委員会がまとめ、19日に開催された「運動所要量・運動指針の策定検討会」(座長:富永祐民・愛知県健康づくり振興事業団健康科学総合センター長)に報告された。
1エクササイズのエネルギー消費量
1エクササイズに相当するエネルギー消費量は体重によって違うので、体重別にエネルギー消費量を計算できる簡易換算式も考案された。この式から算出したエネルギー消費量は下の表に通りにな表 1エクササイズの身体活動量に相当する体重別エネルギー消費量 | ||||||||||||||
| ||||||||||||||
※安静時のエネルギー消費量も含めた総エネルギー消費量。 |
中間発表では国民の運動量は悪化
政府が進めている健康日本21の中間発表をみると、「日常生活における歩数の増加」、「運動習慣者」の増加の目標は達成されておらず、むしろ悪化している。運動習慣のある男性の割合は全体では改善傾向があるが、40歳代、50歳代では悪化傾向にあり、特にこの世代で糖尿病などの生活習慣病の発病が増え、医療費を押し上げる一因となっているとみられる。
6月に成立した医療制度改革関連法は、医療費適正化策を柱にしており、年1兆円の伸びを示す医療費を抑制するために、糖尿病、高血圧症、高脂血症などの生活習慣病の対策が重点課題と考えられている。今回の運動所要量・運動指針の策定もその一環として行われる。
健康日本21 「身体活動・運動分野」の状況(抜粋)
|
運動施策の推進(厚生労働省)
関連情報
新しい「運動基準」策定へ 今後の運動指導のよりどころに
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
糖尿病予備群の関連記事
- 心臓・腎臓・糖尿病の3つは相互に関連 「心腎代謝連関」に注目 検査で異常が出たら放っておかないで治療を
- 30歳で糖尿病になると寿命が14年短くなる 糖尿病を管理して合併症を防げば長生きできる
- わずか10分の「階段の上り下り」が立派な運動になる 運動で糖尿病を改善 短い時間に集中して運動
- ウォーキングの歩数を8000歩に増やして糖尿病を改善 横浜市の「ウォーキングポイント事業」の成果を発表
- ウォーキングなどの運動で糖尿病の遺伝リスクを打ち消す 運動習慣を開始するのが遅すぎることはない
- 糖尿病が「治る」病気に? 100⼈に1⼈は⾎糖値が正常化し薬が不要に こんな人が「寛解」しやすい
- 糖尿病の人の「水虫」にこうして対策 高温・高湿な夏を乗り切る 予防・改善のための9ヵ条
- 65歳で心臓病を発症 心臓の血管が閉塞 懸命な治療により人生を取り戻した女性の物語
- 「低糖質」の食品は糖尿病の人になぜ良い? 「低糖質食品」を上手に活用 糖質や脂肪が多いと脳が学習
- 「朝食欠食」は糖尿病リスクを高める 肥満や糖尿病に子供のうちから対策 足立区の糖尿病対策