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2006年07月19日
毎日の必要な運動量が分かる「エクササイズガイド」
厚生労働省は、糖尿病など運動不足が要因で発症しやすい生活習慣病を抑制しようと、日常生活に運動を取り入れる目安となる「エクササイズガイド2006(健康づくりのための運動指針2006)」をまとめ公開した。健康維持のためにどのような運動をどれだけ行えばいいかを詳しく知ることができ、糖尿病の運動療法の視点からも参考になる内容になっている。
エクササイズガイドは、ウォーキングなどの運動から日常での買い物や掃除などの活動まで、運動をメニューにして組み合わせ、どんな運動をどれだけ行えば1週間に必要な運動量を達成できるかがわかるようになっている。厚生労働省の運動指針小委員会がまとめ、19日に開催された「運動所要量・運動指針の策定検討会」(座長:富永祐民・愛知県健康づくり振興事業団健康科学総合センター長)に報告された。

たとえば、1週間の運動メニューとして、バスを使わず駅から自宅まで徒歩(片道20分×5日=10個)、昼休みの散歩(20分×3日=3個)、水泳(40分×2日=8個)、日曜日に子どもと遊ぶ(30分=2個)という組合せであると1週間の合計23エクササイズになるといった具合だ。
生活習慣病と関連の深い「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の人向けに、ウエスト周囲径を減らすための目安も盛り込んである。
1エクササイズのエネルギー消費量
1エクササイズに相当するエネルギー消費量は体重によって違うので、体重別にエネルギー消費量を計算できる簡易換算式も考案された。この式から算出したエネルギー消費量は下の表に通りにな
表 1エクササイズの身体活動量に相当する体重別エネルギー消費量 | ||||||||||||||
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※安静時のエネルギー消費量も含めた総エネルギー消費量。 |
中間発表では国民の運動量は悪化
政府が進めている健康日本21の中間発表をみると、「日常生活における歩数の増加」、「運動習慣者」の増加の目標は達成されておらず、むしろ悪化している。運動習慣のある男性の割合は全体では改善傾向があるが、40歳代、50歳代では悪化傾向にあり、特にこの世代で糖尿病などの生活習慣病の発病が増え、医療費を押し上げる一因となっているとみられる。
6月に成立した医療制度改革関連法は、医療費適正化策を柱にしており、年1兆円の伸びを示す医療費を抑制するために、糖尿病、高血圧症、高脂血症などの生活習慣病の対策が重点課題と考えられている。今回の運動所要量・運動指針の策定もその一環として行われる。
健康日本21 「身体活動・運動分野」の状況(抜粋)
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運動施策の推進(厚生労働省)
関連情報
新しい「運動基準」策定へ 今後の運動指導のよりどころに
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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