ニュース

2022年09月28日

生活リズムが「夜型」だと糖尿病や心臓病のリスクが上昇 「朝型」の人はインスリンが効きやすい体に

 覚醒と睡眠のサイクルは、体のエネルギー代謝にも影響をもたらしており、生活リズムが夜型の人は、脂肪をエネルギーとして利用する能力が低下しやすいという研究が発表された。

 朝型タイプの人は、安静時と運動中の両方で、より多くの脂肪をエネルギー源として使っており、血糖値を下げるインスリンが効きやすい体になっている傾向があるという。

 一方、夜型タイプの人は、インスリンが効きにくくなり、血糖値を下げるためにより多くのインスリンを必要としていることも分かった。さらに、エネルギー源として脂肪よりも、早くエネルギーに変わり血糖値を上げやすい炭水化物を好む傾向がみられた。

夜型の生活を続けているとインスリンが効きにくくなる?

 あなたは「早起き派」だろうか、それとも「夜更かし派」だろうか? 毎日の活動パターンと睡眠サイクルは、2型糖尿病や心臓病などの病気のリスクに影響を与えている可能性があるという研究を、英国生理学会が発表した。

 覚醒と睡眠のサイクルは、体のエネルギー代謝に影響をもたらしており、とくに夜更かしをする習慣のある人は、脂肪をエネルギーとして利用する能力が低下しやすいという。

 脂肪が使われなくなり、体内に蓄積すると、肥満になりやすくなる。また、血糖値を下げるインスリンの効きが悪くなり、2型糖尿病や心血管疾患のリスクが高まるおそれがある。

 「"早起き"と"夜更かし"がもたらす脂肪の代謝の違いは、私たちの体で覚醒と睡眠のサイクルを調整している概日リズムに影響していると考えられます」と、研究を行った米国のラトガース大学代謝・内分泌学のスティーブン マリン教授は言う。

 「そして、糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きをしているインスリンの作用にも影響を与えている可能性があります」。

 「インスリンに体が反応する能力が敏感であるか、または損なわれているかによって、私たちの健康に大きな影響があらわれます。インスリンが効きにくくなると、血糖値が下がりにくくなり、血糖値を正常状態に戻すためにより多くのインスリンが必要となります」としている。

関連情報

朝型タイプの人はより多くの脂肪をエネルギー源として利用

 研究グループは、51人の参加者を、睡眠のタイプにより分類する「睡眠クロノタイプ」により、朝型のグループ(平均年齢54.2歳)と夜型のグループ(同47.2歳)の2つに分けた。

 参加者の体重と体組成を調べ、グルコースクランプ検査によりインスリンの効きの良さ(インスリン感受性)を、呼気サンプルの検査により脂肪と炭水化物の代謝をそれぞれ測定した。

 参加者の1日の活動パターンをみるために、研究に1週間参加してもらい、カロリーと栄養を調整した食事を摂ってもらい、食事の影響を最小限に抑えるために一晩の絶食もしてもらった。さらに、有酸素運動などのフィットネスのレベルについても測定した。

 その結果、朝型タイプの人は、夜型タイプの人に比べ、安静時と運動中の両方で、より多くの脂肪をエネルギー源として使っており、インスリン感受性も良好である傾向が明らかになった。

 一方、夜型タイプの人では、インスリンが効きにくくなるインスリン抵抗性があり、血糖値を下げるためにより多くのインスリンを必要としている傾向がみられた。さらに、エネルギー源として脂肪よりも、早くエネルギーに変わり血糖値を上げやすい炭水化物を好むことも示された。

インスリンが効きにくくなると糖尿病のリスクが高まる

 覚醒と睡眠のサイクルの違いは代謝にも影響しており、朝に活動することを好む「早起きタイプ」の人は、エネルギー源として脂肪をより多く使っており、有酸素運動などのフィットネスレベルも高く、日中も活動的に動いていると考えられるという。

 一方、昼夜を問わず活動することを好む「夜更かしタイプ」の人は、安静時や運動中に脂肪をエネルギー源としてあまり使っておらず、体がインスリンに応答する能力も低下している可能性がある。

 インスリンが効きにくくなると、血糖値が下がりにくくなり、血糖値を調整するためにより多くのインスリンが必要となる。この状態は、2型糖尿病や心臓病のリスクを高めるおそれがある。

 膵臓は血糖値を一定に保つために、より多くのインスリンを分泌するが、やがて疲弊し、インスリンの分泌が悪くなる。その結果、血糖値が下がらず高い状態が続き、2型糖尿病のリスクが高まる。

体にそなわった概日リズムを整えると健康に影響

 「朝型タイプの人は、身体活動を活発に行っており、フィットネスレベルが高い傾向もみられました。一方、夜型タイプの人は、1日で座ったまま過ごす時間が長く、身体活動が不活発である傾向がみられました」と、マリン教授は言う。

 マリン教授は、「クロノタイプや概日リズムが代謝やホルモン作用にどのように影響しているかを解明し、1日に早い時間に起きて活動することで、健康上のベネフィットが大きくなるかを確認するためには、さらなる研究が必要です」としながらも、「今回の研究は、私たちの体にそなわった概日リズムが健康にどのように影響するかについて、より理解を深めるのに役立ちます」としている。

People who are 'night owls' could have greater risk of type 2 diabetes and heart disease than those who are 'early birds' (英国生理学会 2022年9月20日)
Early chronotype with metabolic syndrome favours resting and exercise fat oxidation in relation to insulin-stimulated non-oxidative glucose disposal (Experimental Physiology 2022年9月19日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

play_circle_filled 記事の二次利用について

このページの
TOPへ ▲