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2014年05月30日

運動・活動量は血糖・尿糖と相関 糖尿病患者を1週間モニタリング

 5種類の計測機器で糖尿病患者の生活を1週間モニタリングした「食後高血糖に対する尿糖チェックの有用性研究」(主任研究者:加藤光敏・加藤内科クリニック院長)が行われ、その中間報告の2回目が糖尿病ネットワークの連載「自宅ですぐに効果が見える!尿糖チェックで糖尿病コントロール」(監修:宇都宮一典・東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科主任教授)で公開された。  第8回 症例検証 CASE 2 Bさんの場合

 尿糖は、血糖値がある一定以上(閾値)を超えると尿中に排泄される。本研究は、食後の尿糖測定で食後高血糖を間接的にチェックできる「尿糖自己測定」の有用性を確認するのが目的だ。食後に尿検査をすると尿糖排出の有無がわかる「尿糖試験紙」と、尿糖排出量を数値で確認することができる「デジタル尿糖計」の両方で検証した。どちらも市販されており、簡便にチェックできるので、日常的にSMBG(血糖自己測定)を行っていない2型糖尿病患者や血糖値が高めと健診で注意を受けた方などに、広く活用されている。

典型的なサラリーマン生活から糖尿病に

 今回、公開された研究報告2回目では、56歳・男性サラリーマンのB氏について検証した。B氏は顔の血色がよく、見た目ぽっちゃり、同僚とのご飯とお酒が生きがいの典型的な“働き盛りのサラリーマン”。普段はデスクワークで残業もあり、夕食が夜遅くなることもしばしば。

 42歳から高血圧、高脂血症と言われており、降圧薬を数種、高尿酸血症、高脂血症薬を服用、脂肪肝あり。健康診断でHbA1c7.9%が出たがその時の主治医は積極的糖尿病治療を開始しないので不安になり同院へ受診したという。

 「B氏は食事・運動療法を頑張っていましたが、初診時はHbA1cが8.1%とかなりの高血糖でした。サラリーマンによくありがちな生活習慣が起因している可能性が高いと思いますが、こういう方は結構多いんです。」と主任研究者の加藤氏は振り返る。

運動・活動量は、
血糖・尿糖変動に影響を及ぼす

 研究では昨年11月、B氏の生活を1週間モニタリングして生活状況と計測結果を解析した。

 B氏の場合、毎食後に食後高血糖がみられ、その都度尿糖が出ていた。ただし、CGM記録のある3日間のうち、活動量の活発な日と運動なしの2日間を比較してみると、活動があった日のほうが血糖値のピークの山が低く、いわゆる運動の“急性効果”が見られた。

 加藤氏は、「CGM(持続血糖測定)記録のある3日間のグラフを見ると明らかですが、この方の場合は血糖値が閾値を超えると、尿糖が100%必ず出ていたのが印象的でした。複数の検査機器で実生活の数値をモニターしてみると、尿糖測定を行う意義が実感できます。」と感想を述べている。

 また、療養指導を担当した同院・管理栄養士の加藤則子氏は、「身体は尿中に血液中の余分な糖を排出しますので、理論的には尿糖が出やすい人は、そうでない人より体重が減りやすいはず。B氏も体重が減りやすいはずですが、夜遅くに帰ることが多く、夕食でアルコールを飲み、食後に甘い物があると食べてしまうこともあるので、もう少しだけ努力が必要ですね。あと3kg体重が減れば格段に血糖値が良くなるのではないでしょうか。」と分析。

 同研究は昨年5月からスタートし、2型糖尿病で通院する6名の被験者に対して実施。その結果については加藤則子氏により第51回日本糖尿病学会関東甲信越地方会(平成26年1月)、第17回日本病態栄養学会学術集会(平成26年1月)で口演発表、第57回日本糖尿病学会学術集会(平成26年5月)においてはポスター発表が行われた。

B氏のモニタリングの詳細は、下記コーナーでご覧ください。
第8回 症例検証 CASE 2 Bさんの場合

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[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所

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