ニュース

2012年03月02日

持続グルコース測定(CGM)「メドトロニックiPro2」 5分ごとにグルコース濃度を記録

 日本メドトロニックは、小型化と操作の簡略化を実現した持続グルコースモニタの新製品「メドトロニックiPro®2(アイプロツー)」を2012年4月23日に発売した。


メドトロニックi Pro®2
 「メドトロニックiPro®2」は、皮下に一時的に留置したセンサ(電極)により、組織間質液(皮下組織を取り巻く液体)中のグルコース(ブドウ糖)濃度の連続測定(持続グルコース測定:CGM)を行う持続グルコースモニタ。機器本体は小型化・防水化され、測定中の機器操作が不要なので、患者が機器を体につけたまま病院から帰宅し、入浴を含む日常生活を送りながら、連続した測定を実施できる。
持続グルコースモニタ「メドトロニックi Pro2」
小型化と操作の簡略化を実現
 「メドトロニックiPro®2」は、3日間連続で体に機器を装着したままグルコース濃度を測定・記録する持続グルコースモニタ。レコーダに記録されたデータは、医療機関でレコーダ本体を取り外した後、付属のドックステーションに接続し、USBケーブルを用いて専用のウェブアプリケーションにアップロードすることができる。取得した測定データは日本語で読みやすいグラフや表で表示することができ、主治医による解析を容易にする。

 持続グルコース測定(CGM)は、腹部などの皮下組織に専用のセンサを装着し、連続的に皮下の組織間質液中のグルコース濃度を記録する検査方法。この機器で測定した値は、血糖値とよく相関することが確認されているため、実際の血糖値の変動をシミュレーションするものとして利用される。

 自己血糖測定は1日の測定回数が限られ、測定時前後の傾向が確認できないため、1日を通しての総合的な変動傾向を把握することが難しいという課題がある。特に、夜間就寝中などは自己測定が困難なことから、無自覚の低血糖症状や早朝に血糖値が上昇する「暁現象」といった大きな変動を見過ごすおそれがある。

 「メドトロニックiPro®2」は、5分ごとにグルコース濃度を記録し、昼夜を問わず1日を通しての高血糖、低血糖などの変動パターンを可視化し、より正確な血糖変動プロファイルの取得を可能にする。患者の血糖状態への理解を深め、より適切で安全な糖尿病治療を行うための指標となることが期待されている。

 東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科の門脇孝教授は、「持続グルコース測定(CGM)によって、従来の手段では知りえなかった夜間の低血糖などの血糖日内変動を把握できるようになりました。正確な血糖プロファイリングは、糖尿病の治療戦略の立案や評価、合併症の予防のために有効であり、広く行うべきだと考えています。本製品の導入によって、患者さんのニーズに応えることができることを喜ばしく思うとともに、より良い糖尿病管理のためにCGMへのアクセスが向上することを期待します」と話す。

 東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科の西村理明准教授は、「血糖コントロールが困難な患者さんでは、一般的なコントロール指標であるHbA1cから推定することができない血糖変動が存在していることが多いのです。しかし、その実態を容易かつ的確に把握する手段がありませんでした。より良い血糖コントロールをもたらすには、血糖変動の全体像を捉え、適切に介入していく必要があります。新しい持続グルコースモニタは、従来は入院患者さん中心で施行してきたCGMを、その特性から外来でも容易に実施することを可能とします。本機器の登場がより多くの患者さんにおいて良好な血糖コントロールの達成に寄与するでしょう」と述べている。

 「メドトロニックiPro®2」は、欧州では2010年6月にCEマーク、2011年10月に米国FDAの承認、2011年11月に日本での薬事承認を取得している。

日本メドトロニック

糖尿病医療の進歩一覧へ
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

play_circle_filled 記事の二次利用について

このページの
TOPへ ▲