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2009年07月09日

治癒力を活用し糖尿病・合併症を克服 東北大が事業に着手

 東北大学は本年度、糖尿病などの完治を目指す「健康寿命増進型メディカルイノベーション開発事業」に着手する。

 東北大学は、医学部・東北大学病院などが中心となり、「健康寿命増進型メディカルイノベーション開発拠点〜糖尿病・がんなどの国民病対策のパラダイムシフトの確立〜」を提案し、経済産業省の先端イノベーション拠点整備事業に採択された。

 開発事業の内容は、(1)酸化ストレスに対する防御機構を解明し、がんや糖尿病の合併症の進行を抑える研究、(2)インスリンを分泌するβ細胞の活性化を促す技術の開発、(3)人工臓器の開発など。糖尿病・肥満の完治、動脈硬化や糖尿病合併症、がんを予防する創薬、機器開発を目指す。事業の補助額は5億7000万円。

 「糖尿病やがん、動脈硬化などの病気に対し、生体に備わった治癒力・予防力を活用し、病気の発生自体を減少させるという新しいコンセプトにより、患者にやさしい医療を実現することを目指す」としている。

 同大学は、酸化ストレスに対する防御機構研究や、臓器間ネットワークシステム研究などで成果をあげている。これらの研究はいずれも、ヒトの体に備わっている生体予防力や治癒力を発見したもの。また、膵島移植などの先端移植医療でも細胞分離・評価システムを確立し、マーカー蛋白質絶対定量法も確立しつつある。

東北大学大学院医学系研究科・医学部

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[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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