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2008年05月01日
食後高血糖はグリセミック指数(GI)で対策


食事の初めに野菜など消化吸収の遅い食品を選び、よく噛んで食べる、食品は食物繊維の多いものを選ぶ、グリセミック指数(GI)の低い食品を選ぶといった工夫が役立つ。
このうちグリセミック指数(GI)は、ブドウ糖を摂取した後の血糖上昇率を100として、それを基準に、同量摂取したときの食品ごとの血糖上昇率をパーセントで表した数値。日本語で「食後血糖上昇指数」と訳されることもある。GI値が高いほど食後の血糖値を上げやすく、低いほど上げにくくなる。
GIは食品の食物繊維の含有比率、調理や加工方法、組合せ、咀嚼回数などで変わる。ごはんやパンでは、精白されたものよりも全粒穀物が入っていた方が、GI値が低くなり吸収が遅くなる。
全粒穀物は、加工度の低い、自然のままに近い穀物のこと。米、小麦、トウモロコシや、キビ、アワ、ヒエ、ソバなどがある。全粒穀物は食物繊維が豊富で、ビタミンやミネラルなどの栄養素も精白されたものに比べ多く含まれ
牛乳や乳製品のGI値は20から29ぐらいで、GIに1食当たりの炭水化物の量をかけたGL(グリセミック・ロード)という指標でも低い数値が出ている。
ご飯に牛乳を組み合わせたときのGI値を検討した研究で、牛乳をご飯を食べる前に飲んだ場合、食べながら飲んだ場合、食べた後で飲んだ場合を比較した。血糖値の上がり方を示す曲線のかたちに違いがみられたが、いずれもご飯だけを食べた場合と比べ、GI値は低下した。
牛乳や乳製品には蛋白質、脂質、炭水化物、カルシウム、ミネラルなどが含まれる。骨粗鬆症の予防、筋力増大、肥満
なお、食品はいったん食べてしまうと、GI値が高かろうが低かろうが最終的にからだに吸収され、エネルギー量は変わらない。食べすぎれば太るし、エネルギー摂取が多すぎると血糖値は上がる。低GIであれば、「いくら食べても大丈夫」というわけではないので、ご注意を。運動療法も行っている人は、食後1時間から2時間にウォーキングなどの運動をすると、食後高血糖の改善に効果的。
糖尿病の薬物療法について、下記ページで詳しく解説している。
糖尿病セミナー
9. 薬物療法(経口剤)
5. インスリン療法(2型糖尿病)
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牛乳百科事典((社)日本酪農乳業協会)
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