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2022年07月11日
野菜で糖尿病合併症を予防 ブロッコリーやキャベツが血管を健康に アボカドはコレステロールを下げる

ブロッコリー・キャベツ・芽キャベツなどのアブラナ科の野菜が、動脈硬化や、心臓病や脳卒中などの心血管疾患の予防に効果的であることが明らかになった。
アボカドを毎日食べるとコレステロール値が下がるという報告も発表された。こうした野菜や果物を取り入れることで、食事の質を全般に改善できるとしている。
アブラナ科の野菜で動脈硬化や心血管疾患を予防
ブロッコリー・キャベツ・芽キャベツ・大根・白菜・カリフラワー・クレソンなどのアブラナ科の野菜は、あまり好きではないという人もいるかもしれない。しかし、他の野菜に取り混ぜて、できれば毎日食べるようにした方が良い。 動脈硬化や、心臓病や脳卒中などの心血管疾患の進行を予防するために、ブロッコリー・キャベツ・芽キャベツなどのアブラナ科の野菜が有用である可能性があることが、オーストラリアのエディスコーワン大学などの研究で示された。 研究グループは、西オーストラリア在住の平均年齢74.9歳の女性684人を対象に調査を実施。参加した女性のアブラナ科の野菜摂取量の中央値は1日に28.2gだった。 解析した結果、ブロッコリー・キャベツ・芽キャベツなどのアブラナ科の野菜の摂取量が多い人ほど、広範囲にみられる動脈硬化や血管疾患が少ないことが明らかになった。 関連情報アブラナ科の野菜を食べている人は血管が健康
「以前の研究でも、これらのアブラナ科の野菜の摂取量が多い人は、心臓発作や脳卒中などの心血管疾患イベントのリスクが低いことが示されています。今回の研究では、そのメカニズムについての解明も進めました」と、同大学医療・健康科学部のローレン ブレッケンホルスト氏は言う。 動脈硬化は、心臓病や脳卒中の主な原因になる。血管が硬くなるタイプの動脈硬化では、血管の中膜の部分に脂肪性のカルシウム沈着物がたまり血管が硬くなる、石灰化がみられることが多い。 「今回の研究では、アブラナ科の野菜を毎日多く摂取している年配の女性は、大動脈壁の広範囲の石灰化が少ないことが分かりました」と、ブレッケンホルスト氏は言う。 「ひとつには、アブラナ科の野菜に豊富に含まれている成分であるビタミンKが、血管で発生する石灰化プロセスの抑制に関与している可能性があります」。アブラナ科野菜を毎日45g以上食べると動脈硬化を抑制
研究では、アブラナ科野菜を毎日45g以上(これは、蒸しブロッコリーであれは4分の1カップ、生キャベツであれば2分の1カップに相当する)を毎日摂取していた女性は、ほとんど摂取しない女性に比べ、大動脈壁の石灰化が46%少ないことが明らかになった。 「私たちが毎日食べるべき野菜はブロッコリー・キャベツ・芽キャベツだけだというわけではありません。健康増進のためには、毎日多種多様な野菜を食べるべきです」と、ブレッケンホルスト氏は付け加えている。 「今回の研究は、野菜を食べることが、私たちの心臓の健康にどのように貢献するかについて、貴重な洞察を提供しています」と、オーストラリア心臓財団食品栄養学部のベス メルテンス氏は述べている。 「食事ガイドラインでは、毎日の食事で、5サービング以上の野菜、糖質の少ない果物、全粒穀物、ナッツ類、魚類、脂肪の少ない赤身肉、乳製品、健康的な植物油などを摂ることを推奨しています」。 「しかし残念ながら、オーストラリアの成人の90%以上は基準を満たしていません。多くの人に健康的な食事をしてもらえるよう、保健指導が必要です」としている。アボカドを毎日食べるとコレステロール値が下がる 食事の質も改善

Cruciferous vegetable intake is inversely associated with extensive abdominal aortic calcification in elderly women: a cross-sectional study (British Journal of Nutrition 2020年7月17日)
Daily avocados improve diet quality, help lower cholesterol levels, study finds (ペンシルベニア州立大学 2022年7月5日)
Effect of Incorporating 1 Avocado Per Day Versus Habitual Diet on Visceral Adiposity: A Randomized Trial (Journal of the American Heart Association 2022年7月5日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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