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2022年06月23日
「笑い」が糖尿病を改善 血糖値・体重・ストレスに良い影響 体と心にポジティブな変化が
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- メンタルヘルス 糖尿病の検査(HbA1c 他) 運動療法
笑いが体と心の両方の健康に良い影響をおよぼすことを示した研究が相次いで発表されている。
笑いがもたらすポジティブな心理的影響が、糖尿病の血糖コントロールの指標となるHbA1cを改善し、2型糖尿病やメタボの改善に役立つ可能性がある。
笑いを標準的な糖尿病治療に組み合わせると、コレステロールやストレスホルモンが改善し、好ましい変化を得られることも分かった。
笑いはやはり「最良のクスリ」だった
福島県などの住民を対象とした研究で、笑いが体と心の両方の健康に良い影響をおよぼすことが示された。 研究グループは、2017~2019年にメタボリックシンドロームの因子をもつ地域住民235人(平均年齢66.9歳)に参加してもらい、12週間にわたり「笑って健康教室」を実施し、笑いの心身への効果について調べた。 この教室に参加した人には、プロの噺家による落語の鑑賞、笑いヨガの実践、笑いと健康に関する講義などで構成された、90分のプログラムを受ける機会が、12週間で8~10回提供された。 その結果、笑うことがメンタルヘルスだけでなく、身体的健康にも良い影響をもたらすことが明らかになった。「笑って健康教室」に参加した人は、体重や体格指数(BMI)が減り、ストレスが下がり、主観的幸福感や楽観主義のスコアも上昇した。 この結果は、コロナ禍でのストレス増大や運動不足により引き起こされた肥満やメタボにも、笑いが有効である可能性を示している。研究は、福島県立医科大学疫学講座の大平哲也主任教授らによるもの。 研究グループは、笑いを活用した予防医学を提唱しており、笑いの体操とヨガの呼吸法を組み合わせた「笑いヨガ」も開発した。同大学健康増進センターでは、コロナ禍の健康管理の一環として、笑いやメンタルヘルスケアをとりいれることを提案した動画も配信している。笑いが糖尿病の血糖コントロールを改善
大平主任教授らが2013年~2015年に行った研究では、笑いがもたらすポジティブな心理的因子が、糖尿病の血糖コントロールの指標となるHbA1cを改善し、2型糖尿病やメタボの改善に役立つ可能性があることが示されている。 研究グループは、通院中の2型糖尿病や肥満の患者を含む222人を対象に、1年ごとの追跡調査による前向きコホート研究を実施。 その結果、笑いの頻度が「月に1~3回か、ほんど笑わない」という人で血糖値とHbA1c値の改善度が低く、「月に1~5回」「ほぼ毎日」という人で改善度が高いことが分かった。また、ポジティブな心理要因が多い人では、HbA1cが低下する傾向もみられた。 笑いなどポジティブな心理要因が多いことが、交感神経の活動を亢進するのを抑え、また、「アディポネクチン」の発現の上昇もうながされると考えられている。 アディポネクチンは、脂肪細胞が分泌する生理活性物質。動脈硬化を抑えたり、血糖を下げるインスリンに対する感受性を高めるなどの作用があることが知られている。 2型糖尿病やメタボに、笑いに象徴されるポジティブな心理状況が強く影響することが確かめられた。研究グループは、糖尿病の重症化を予防するために、「ポジティブな心理や笑いの習慣」を取り入れた治療を提唱している。糖尿病治療に笑いを取り入れポジティブな気分を高める
メタボリックシンドロームの因子を持つ住民における笑いプログラムによる体重と精神的健康度への効果 (福島県立医科大学)
コロナ禍での健康づくり 動画一覧 (福島県立医科大学 健康増進センター)
笑い等のポジティブな心理介入が生活習慣病発症・重症化予防に及ぼす影響についての疫学研究 (日本の研究.com)
Laughter Remains Good Medicine (米国生理学会 2009年4月17日)
Humor, as an adjunct therapy in cardiac rehabilitation, attenuates catecholamines and myocardial infarction recurrence (Advances in Mind-Body Medicine 2007年12月)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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