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2012年05月28日

運動療法の指導を受けている患者は半数 糖尿病ネットワーク調査

 運動指導とメディカルチェックを行っている医療スタッフが3分の2に上る一方で、実際に指導を受けたと認識している患者は半数であることが、糖尿病ネットワークの調査でわかった。

 調査は、糖尿病ネットワークがメールマガジン受診者を対象に4月10日から23日まで、インターネットで実施。合計471件の有効回答が得られた。
運動時に脈拍測定を行っている割合は15%未満
 運動には、直接カロリーを消費して、血糖を下げる効果がある。また、筋肉を鍛えることで糖の取り込みを良くし、続けると血糖コントロールが良くなる。

 調査によると、糖尿病患者の9割近くは運動療法を実践している。うち、医師や医療スタッフから運動の指導を受けたと認識している割合はほぼ半数だった。受けている運動指導の内容は「ウォーキング」(85%)、「日常の生活活動量の増加」(18%)、「ストレッチ(柔軟体操)」(17%)、「サイクリング」(11%)など。

 運動療法では、個々の患者に会った運動強度を選ぶことが大切となる。運動療法で勧められる運動強度は最大酸素摂取量の半分前後で、運動時の脈拍数によってその程度を判定する。

 「運動の強さは、運動時の脈拍数(心拍数)を目安に行うと、安全かつ効果的に運動を実施できることを知っていますか?」という質問に対し、患者の75%が「認識している」と答えたが、実際に測定しているのは15%未満にとどまった。

 運動療法に役立つ機器などを利用している割合は58%。使用している機器は「歩数計」が88%、「活動量計」が14%、「スマートフォンのアプリ」が9%だった。

 運動時に心がけていることとして、「体重増加を防ぐために運動をしている」、「低血糖が心配なので食後に運動している」、「冬は寒いので運動できないのが悩み」、「仕事の都合で時間をとれない、終業時間がもっと早かったら時間を増やせると思う」、「(医療機関側で)運動指導の人材が不足しているのではないか」という意見があった。

Q 運動療法に役立つ機器などを運動に活用していますか?


 一方、医療スタッフは、46%が実際に糖尿病患者が運動を行っている割合は「40%未満」と見積もっており、運動に熱心に取り組む患者が少ないとみている。

 実際に運動を行うときは、個々の患者の病態に応じて、運動に必要なメディカルチェックを行う必要がある。医療スタッフが糖尿病患者に対し、メディカルチェックを実施している割合は66%だった。糖尿病患者のメディカルチェックの内容は「問診」(91%)、「血圧測定」(90%)、「HbA1c」(86%)、「検尿」(78%)となった。

 日常生活に運動を組み入れ、少なくとも週に3日以上の頻度で実施することが望ましい。糖尿病患者が運動を行うとき、どのタイミングがよいかという質問に対しては「昼食後」(60%)、「朝食後」(58%)、「昼間」(46%)という回答があった。

 糖尿病患者に運動指導を行うときの「目安となる運動強度」は、「脈拍数(心拍数)」(52%)、「自覚的運動強度(RPE)」(33%)、「メッツ(METS)」(23%)。このうち脈拍の把握の方法として指導している方法は「手首に指を当てて計測」(81%)、「腕時計型などの装着型脈拍計の利用」(11%)という結果になった。

 その他に「生活習慣の中に運動を取り入れる指導は難しい」、「毎日の歩数や、階段昇降の回数など、日常の運動について患者によく聞くことが重要」、「理学療法士や運動療法士の指導が加算対象になれば、歩くだけの運動から変化が起きるのではないか」、「運動の継続についてフォロー調査ができていないので、どれだけの患者が続けられているか不明」といった意見が寄せられた。

Q 糖尿病患者さんの目安となる運動強度は何を用いていますか?(複数回答)

糖尿病と運動療法 アンケート(糖尿病NET)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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