ニュース

2023年12月26日

糖尿病のインスリン療法(BOT)で注射量の調整を自分で行うことに不安を感じている人は半数 ネットワークアンケートより

 CGMなどの血糖測定機器が普及する中、血糖のセルフマネジメントに対する関心もまた高まっている。糖尿病のある方、さらにはインスリン治療を行っている方が、より安心して毎日を過ごせるようになるためには、どのようなことが必要か。そんな視点から、今回は特に2型糖尿病治療のためにインスリン療法(BOT)を行っている方々に注目。111名にご協力いただいたアンケート結果をご紹介する。

※血糖値を下げる「血糖降下薬」を服用しながら、効果が長く続くインスリンを1日1回だけ注射する方法。
詳細は「ネットワークアンケート」で公開中

インスリン療法(BOT)で治療中の患者さんの3割がCGMを使用

 糖尿病ネットワークは、「インスリン療法(BOT)についての実態調査」と題してインターネット調査を実施。インスリン療法(BOT)を行っている患者さん111名の回答を得た。「血糖値の測定方法」に関しての質問では、CGMと答えた人と、SMBGとCGMを併用と答えた人の合計が31.5%に。SMBG(血糖自己測定)のみの利用が62.2%と最も多い中、持続血糖モニター(CGM等)を利用している人は約3割となった。

Q.血糖値の測定方法を教えてください。

Q3

※CGMの場合はグルコース値

  • SMBG(血糖自己測定)のみ
  • CGM(フリースタイルリブレ、Dexcom G6、ガーディアンコネクトなど)のみ
  • SMBGとCGMを併用
  • その他

インスリン注射量を自分の判断で調整することに不安がある人は46.8%

 インスリン注射量を自分の判断で調整することに対する質問では、「不安を感じる」と答えた人は46.8%だった。糖尿病のある方がもつ、自身の血糖マネジメントにおける不安感を和らげるには、「注射量の調整」がひとつの課題と考えられる。

Q.インスリン注射量(単位数)を自分の判断で調整することに不安を感じますか?

Q9_a
  • はい
  • いいえ

インスリン注射量の調整について医師から指導があった人のほうが自身の血糖マネジメント改善への期待が大きい

 「インスリン注射量(単位数)を調整することでご自身の血糖マネジメントは改善すると思いますか?」という質問に対して、「とても思う」「まあまあ思う」と思っている人は、全体の84.7%だった。さらにこの数字を詳しく見てみると、過去に医師からインスリン注射量を自分の判断で調整するよう指導を受けたことがある人の群では、96.4%が「とても思う」「まあまあ思う」を選んでおり、医師から指導があった人のほうが、インスリン注射量の調整による血糖マネジメント改善への期待をもつ人が多いことがわかった(詳しくは「アンケート結果の詳細」をご覧ください)。

Q.インスリン注射量(単位数)を調整することでご自身の血糖マネジメントは改善すると思いますか?

Q10_a
  • とても思う
  • まあまあ思う
  • あまり思わない
  • 思わない

9割の人が「適切なインスリン注射量を表示するアプリ」の利用に前向き

 血糖値を記録する方法を聞いた別の質問では、スマートフォンアプリを使っている人は約3割と多くはないものの、「適切なインスリン注射量を表示するアプリ」に対しては、あれば利用したいと考える人が9割にも。代替ツールが他になく、自分が行っている治療に必要と感じることを提供するアプリに対しては、大多数がその利用に積極的な意見をもっていることがわかった。

Q.測定した血糖値をもとに適切なインスリン注射量(単位数)を表示するアプリがあったら利用したいですか?

Q6
  • はい
  • いいえ
アンケート結果の詳細はこちらをご覧ください
調査概要
実施時期:2023年11月
調査方法:インターネット調査
調査名:「インスリン療法(BOT)についての実態調査」
対象:2型糖尿病の治療でインスリン療法(BOT)を行っている糖尿病のある方
主催:糖尿病ネットワーク
回答者数:111名
[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所

play_circle_filled 記事の二次利用について

このページの
TOPへ ▲