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2012年03月01日
ファストフードのカロリー表示は利用しづらい 米研究
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- 食事療法

コロンビア大学看護学部のElizabeth Gross Cohn准教授らによるこの研究は、米科学誌「Journal of Urban Health」オンライン版に2月16日付けで発表された。
Cohn氏らはニューヨーク都心部のファストフード・チェーン店のメニュー200品目について、デジタルカメラで売り場を廻り撮影し、写真を解析した。「メニューのカロリー・栄養表示がどのように行われているか」、「カロリー・栄養表示が実際に活用されているかに」という点に着目した。
「ほとんどのファストフード店はカロリー表示を行っていたが、実際に効果を得られているようには見えない」とCohn氏は言う。その理由は、ファストフード店でたいていの利用者は、単品メニューだけではなく複数メニューを組合せて利用しているからだという。
ファストフード店で注目するひと皿あたりのカロリーは理解されても、メニューを組合せて注文する場合は、さまざまなメニューを組み合わせた複雑な計算が必要となる。「ファストフードの多くはトッピングも可能で、注文内容によってはカロリーが2倍になるものもある。カロリー表示だけでは、より健康的な食事を促すのために十分ではないようだ」とCohn氏は説明する。
ファストフードはメニューの組合せ選択が豊富であるほど、カロリー計算は複雑になるという。「例えば、チキンのバケットを含んだメニューは、組合せによって3,240〜1万2,360kcalとカロリーが変わっていくが、既存のメニューの表示だけではそのことが消費者に伝わりにくい」とCohn氏は指摘している。
一般にファストフードのセットメニューのカロリーは500〜2,080kcalと幅広いが、多くの場合でカロリーを抑えるためにどのような注文をしたらよいかという情報は提供されていない。「スペシャルピザを注文するとき標準サイズを選んだ場合は、トッピングによってカロリーは変化する。しかし、メニューには単品や標準のトッピング分のカロリーしか表示されていない」としている。
「外食メニューのカロリーや栄養表示はもっと分かりやすい方がよいだろう。メニューの注文の仕方でカロリーは変わっていく。食品のカロリーを単品ずつ表示するのではなく、組合せで表示した方が実用性は向上する。例えば、朝食サンドイッチであれば、“サンドイッチ+ハム・卵 350kcal、+ベーコン 550kcal、+ソーセージ 750kcal”といった具合になる」とCohn氏は述べている。
ファストフード店のカロリー表示は「効果あり」 ニューヨーク市で調査(日本生活習慣病予防協会)
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