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尿糖自己測定で“療養生活への意欲が向上” 医療スタッフの7割が評価
2010年10月01日

 糖尿病ネットワークは、8月〜9月に「尿糖測定に関するアンケート調査」を行い、結果を『尿糖測定で糖尿病コントロール』で公開いたしました。
  • 糖尿病患者さんの過半数および医療スタッフの3分の2が、尿糖測定について“知っている”と回答。
  • 医療スタッフの約7割が“療養生活へのモチベーションが以前より上がることが多い”と回答。
 試験紙や測定器を用いる「尿糖自己測定(SMUG)」では、尿中に排泄された糖の値を測定します。自宅で誰でも簡便に実施できる検査として広く行われており、食後高血糖の把握や血糖コントロールがなかなか改善しない患者さんの日常の振り返りにも役立てられています。

 2型糖尿病では、多くの患者さんで食後血糖値が高くなり、食後高血糖の改善が治療目標のひとつになっています。しかし、血糖自己測定(SMBG)を行っていない患者さんでは、1〜2ヵ月の平均血糖値を反映するHbA1cや、空腹時血糖値の検査だけでは、食後高血糖を発見するのが難しい場合があります。

 簡便に導入できる尿糖自己測定は、「療養生活の通信簿」として見直されており、患者さん自身の治療へのやる気を向上させるためにも有用とみられています。

 調査結果について、監修者の宇都宮一典先生(東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科教授)は、「尿糖自己測定は、食後の血糖状態を簡易に知ることができる点が特徴。食事内容や運動などによって、血糖が変化することも体験できます。しかし、あくまで間接的な指標ですから、活用方法に工夫が必要です。何時どのような状態で測定すればよいか、医療者サイドの指導も徹底していないのが現状ではないでしょうか 」と指摘し、「患者さんの尿糖への関心は高く、受診時の尿糖の有無はよく質問されます。今後、尿糖自己測定の意義について、患者・医療者双方に正しく啓蒙する必要があると考えます」と述べています。

尿糖チェックで糖尿病コントロール-糖尿病NET

どのような方に、「尿糖自己測定」が勧められると思いますか?(医療スタッフ)

「尿糖測定に関するアンケート調査」から(一部抜粋)

 アンケート調査は、糖尿病ネットワークのメールマガジンに登録している糖尿病患者さんと医療スタッフを対象に、8月25日〜9月3日に実施しました。たくさんの方にご回答いただき、ありがとうございます。

 詳しくは、糖尿病ネットワークの連載『尿糖チェックで糖尿病コントロール』の第3回:尿糖測定に関するアンケート調査でご覧ください。

【糖尿病患者さん 主な内容】

  • 患者さんの8割以上は、主治医から“HbA1cを下げる努力をするよう”指導を受けたことがありますが、“食事療法・運動療法がうまくいかない”“継続が困難”“日常的に確認できる目安がないので、どの程度頑張ればよいかわからない”といった意見が多いという結果になりました。改善の糸口がなかなかみつからない患者さんが多い現状が浮き彫りになりました。

  • 「医療機関で尿糖自己測定の実施を勧められたことがあるか?」という質問について、“ない”と回答された方が約9割でした。ただし、“尿糖自己測定を行ったことがある”と回答された方の8割以上は“医療機関で勧められたことがない”と回答しており、主治医や医療スタッフに相談や質問をしたことが“ない”と回答した方も9割に上りました。医療機関で話題になることが少なく、患者さんが自主的に尿糖測定を行うケースも多いとみられます。

  • 尿糖自己測定を行った経験がある方への、測定のタイミングについての質問では、“起床時”と回答した方がおよそ半数で、尿糖測定について医療スタッフに質問したことのある患者さんでも75%が“起床時”に測定していると回答し、“食後”の比率を上回りました。尿糖測定のタイミングは“食後”が重要であり、測定についての適正な理解が望まれるという結果になりました。

【医療スタッフ 主な内容】

  • 「血糖自己測定が保険適用されない糖尿病患者さんに対して、日常行う食事療法や運動療法に対する血糖コントロールのチェック、振り返り(評価)として、どのようなことを目安にするよう指導しているか?」で、もっとも多かったのは“特に指導していない”(45%)でした。
     一方で、患者さんに同様の質問をしたところ、3人に1人が日常的なチェックを“特に行っていない”と回答。多くの患者さんは、HbA1cの改善が重要であることを認識していても、“日常的に目に見える目安がないので、どの程度頑張ればいいのかわからない”と感じています。

  • 患者さんに尿糖自己測定を勧めたことがある医療スタッフは約3割。対象となるのは“血糖自己測定(SMBG)が保険適用されない糖尿病患者さん”(56%)がもっとも多く、次いで“食後高血糖が予測される患者さん”(53%)、“食事療法の振り返りが必要な患者さん”(50%)、“HbA1cがなかなか改善されない患者さん”(44%)と続きます。

  • 医療スタッフの約半数が、尿糖自己測定を行ったことにより血糖コントロールが“改善することが多い”と回答し、コントロール評価・指標となるHbA1cの改善がみられたと実感しています。
     また、「尿糖自己測定を行ったことでの患者さんの“変化”について」、約7割が“療養生活へのモチベーションが以前より上がることが多い”、約6割が“食事療法への関心が以前よりも強くなることが多い”と回答し、尿糖自己測定が患者さんの治療への意欲を向上すると考えています。

尿糖チェックで糖尿病コントロール-糖尿病NET

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カテゴリー :2010年  糖尿病ネットワーク  

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