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2010年06月16日

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食事療法

玄米を食べると2型糖尿病のリスクが低下 米ハーバード大研究


 日常の食事で食べている白米の3分の1を、精白されていない玄米におきかえることで、2型糖尿病の危険性が大幅に低下するとの研究を、ハーバード公衆衛生大学院の研究者が発表した。

 「米国では米の消費が10年間で大幅に増えているが、利用されている米の多くは白米だ。精白されていない玄米は白米に比べ、食物繊維、ミネラル、ビタミン、フィトケミカルなどが多く含まれ、食後血糖値の上昇も少ない」とハーバード大学ブリガム女性病院(ボストン)のQi Sun氏は話す。

 米が精白される過程で、外皮、内皮、胚芽など、ビタミンやミネラルを多く含む部分が削りとられる。同時に食物繊維も失われる。食物繊維は食後の血糖値の急激な上昇を抑えるので、2型糖尿病を抑制するのに有用だ。

玄米を全粒粉をとっている人で2型糖尿病の危険性が低下
 Sun氏とハーバード公衆衛生大学院教授のFrank Hu氏(臨床栄養学)らは、「ナース・ヘルス・スタディ(NHS)」のIとIIに参加した女性15万7463人と3万9765人を対象に、白米と玄米の摂取と2型糖尿病との関連を調べた。

 4年ごとに食事や生活習慣、健康状態について問診を行い解析した。NHSのIでは22年の追跡期間中に5500人が2型糖尿病を発症し、NHSのIIでは14年間に2359人が発症した。

 その結果、玄米をよく食べる人では2型糖尿病の危険性が低下していることが分かった。1日の摂取量の3分の1に相当する50グラムの白米を、同じ量の玄米にかえると、2型糖尿病の危険性は16%低下するという。さらに、ふすまを多く含む小麦や大麦の全粒粉をとるようにすると、危険性は36%も低下する。

 2型糖尿病の危険性を低下させる目安は、週に食べる米の2サービング(1サービングは1食分)以上を玄米にすることだという。

 調査では、米を好んで食べる人は、欧州系や喫煙者で少なく、糖尿病の家族歴のある人で多い傾向がみられた。また玄米の嗜好は、民族的背景とは関連しておらず、健康や食事に対する関心のある人で高い傾向がみられた。

 年齢や体格指数(BMI)、喫煙、アルコールの摂取、糖尿病の家族歴、他の食習慣などの影響を取り除いて調整しても、この傾向は変わらなかった。

 民族的背景が米の摂取と糖尿病の危険性の両方に関連しているので、白人のみを対象に解析をやり直したが、同様の結果になった。また、白米以外の全粒粉に関しては、糖尿病の危険性の低下がより強くみられた。

 「調査では玄米の摂取が全粒粉に比べ少なかった。玄米をより多く食べることで、糖尿病の危険を低下させることができるかは不明だ」としながらも、「精製された穀物をとるかわりに、玄米や全粒粉をとることで、2型糖尿病の危険が低下するのは明白だ」としている。「このことは、米を主食としているアジアの人々にとって、特に大きな意味合いをもつ」とHu氏は強調する。

 米国政府が策定した「米国人のための食生活指針」では、炭水化物を多く含む穀物のうち、少なくとも半分を全粒粒からとることを勧めている。

 「これは米国において白米や玄米の摂取と2型糖尿病との関連を調査した初めての研究だ」とSun氏は述べている。この研究は、米国立衛生研究所(NIH)の支援を受けて行われ、米国の内科学雑誌「Archives of Internal Medicine」オンライン版に6月14日に発表された。

Replacing White Rice with Brown Rice or Other Whole Grains May Reduce Diabetes Risk(ハーバード大学)
White Rice, Brown Rice, and Risk of Type 2 Diabetes in US Men and Women
Archives of Internal Medicine, 2010; 170(11): 961-969

[ Terahata ]

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