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2010年06月15日
6番目の味覚は「脂肪の味」 薄味に慣れれば食欲も抑えられる
- キーワード
- 糖尿病の食事指導 [間食] 食事療法

ディーキン大学のRussell Keast博士らは、ヒトの味覚は「甘味、塩味、苦味、酸味、うま味」の5つに分けられるが、6番目の味覚として「脂肪」も加えるべきだと主張する。この研究は、英国の栄養学誌「British Journal of Nutrition」6月号に発表され
研究は、オーストラリアのディーキン大学、アデレード大学、ニュージーランドのマッセイ大学、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)で共同で行われた。
多くの食品に脂肪酸が含まれている。研究チームは、脂肪酸を味わう知覚能力をテストするためのスクリーニング法を開発し
31人を対象にオレイン酸、リノレン酸、ラウリン酸といった脂肪酸を溶液に溶かし、その味を感じるかを調べる実験を行った。どれだけ味を感じるかを、口腔内のリパーゼという酵素を検査し定量化して調べた。次に、54人を対象にオレイン酸に対する口腔内の感度の違いを調べる実験を行った。
その結果、脂肪に対する閾値(刺激に対する反応が起こる境目)があり、脂肪の味に対して敏感な人もいれば、そうでない人もいて、人によってさまざまであることが分かった。
「おもしろいことに、脂肪の味を敏感に感じる人では、脂肪の多い食品を食べすぎない傾向がみられた。そうした人では、脂肪の味に対して鈍くなっている人に比べ、肥満の程度をあらわす体格指数(BMI)も低かった」。
現代社会では、高脂肪の食品を容易に入手し消費できる。高脂肪の食品を食べ続けることで、脂肪に対して味覚が鈍くなっている可能性がある。そうした場合、高脂肪の食品を食べすぎてしまうおそれがあるとい
「なぜ脂肪に対して敏感な人と、そうでない人に分かれるのかは不明だ。それを解明できれば、無理なく食事での脂肪摂取を抑える方法を開発でき、肥満や糖尿病などの食事指導にも役立てられる可能性がある」としてい
Discovery of fat taste could hold the key to reducing obesity(ディーキン大学)
Oral sensitivity to fatty acids, food consumption and BMI in human subjects
British Journal of Nutrition, doi:10.1017/S0007114510000267
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