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2016年04月15日

よく噛むことが血糖管理にも影響 噛む回数を増やす6つの対策

 味わい深く、心豊かな人生を営むために、栄養のバランスをとりながら、しっかり噛むことが大切だ。
 むし歯や歯周病などの予防を中心とした口の中の健康と食育は関連が深いという研究も発表された。
口の中の健康と食育は関連が深い

 むし歯や歯周病などの予防を中心とした口の中の健康と食育は関連が深い。日本歯科医師会は「生涯にわたって安全で快適な食生活を営むために、栄養のバランスをとりながら、しっかり噛むことが大切。味わい深く、心豊かな人生を営むために食育を推進する必要がある」と述べている。

 厚生労働省では、ひと口30回以上噛んで食べることを目標とする「噛ミング30」(カミングサンマル)を提唱している。これは、十分に歯・口を使う「食べ方」を通じて健康増進を図ろうというもの。

 早食いの人ほど肥満傾向にあることが、さまざまな調査で明らかになっている。よく噛むと満腹中枢が刺激されて満腹感を得られるので、食べ過ぎを防ぐことができる。よく噛むことは2型糖尿病や肥満の予防・改善にもつながる。

 よく噛むことで唾液の分泌が促される。唾液は口の中の細菌を洗い流し、むし歯や歯周病を予防する。また、唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素がでんぷんを分解し、消化吸収を助ける。さらに、味覚が発達してよく味わえるようになる。

噛む回数を増やすための6つの対策 目標はひと口30回以上

 食育の知識をもちよく噛むことの大切さを紹介したが、ひと口食べるごとに30回数えるのは大変だ。下記の工夫をすると、自然に噛む回数を増やすことができる。

1 ひと口の量を減らす
 多くの人はひと口で噛む回数は量によって変わらないという研究結果がある。ひと口の量を減らせば、噛む回数を増やせる。

2 食事の時間に余裕をもつ
 忙しい毎日、時間に追われると、つい早食いになってしまいがちだ。食事の時間をゆっくりとれば、噛む回数を増やせる。

3 まずは噛む回数を5回増やす
 ひと口の噛む回数をいきなり30回に増やすのは大変なので、まずは5回増やしてみる。慣れてきたら少しずつ増やしていく。

4 食材は大きく、厚めに切る
 食材を一口大に切ると、飲み込める大きさになるまで噛むようになるので、自然に噛む回数も増える。みじん切りや千切りよりは、乱切りなどのように大きめに切ったほうが良い。

5 歯ごたえのある食材を選ぶ
 食物繊維の豊富な食品(ごぼう、れんこん、たけのこなど)、ナッツ類(アーモンド、クルミなど)、コンニャクなどの食事を選ぶ。調理で野菜や肉を硬めに仕上げるのも効果がある。

6 薄味にする
 薄味にすると、食材本来の味を味わおうとして、よく噛むようになる。

食育の知識のない人はむし歯のリスクが2倍に上昇

 むし歯があると食事の時によく噛むのが難しくなるが、食育の知識のない人は2倍むし歯が増加しやすいことが、岡山大学の研究で確かめられた。

 研究グループは、食育の知識とむし歯のリスクについて、大学生2,184人を対象に、3年間の追跡調査を実施した。その結果、追跡できた562人のうち、食育の知識のある男子の36.0%、知識のない男子の51.9%で、むし歯が増えていることが分かった。

 むし歯に影響を与える他の因子を調整した後、男子大学生では食育の知識のない人は知識のある人に比べ、2.0倍むし歯が増加しやすいことが判明。また、女子大学生では「甘味飲料をよく飲む」と答えた人が、1.9倍むし歯が増加しやすいことが分かった。

 研究では、食育の知識がある人は、間食や夜食を食べない傾向があることも示された。海外での研究では、食に関する教育により甘い食べ物や飲料を控えるようになると報告されている。日本での食育推進により、食習慣を改善し、むし歯予防に貢献できる可能性が示唆された。

 研究は、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)予防歯科学分野の森田学教授、同大保健管理センターの岩崎良章准教授らの共同研究グループによるもので、科学誌「Nutrients」オンライン版に発表された。

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)予防歯科学分野
歯・口の健康と食育〜噛ミング30(カミングサンマル)を目指して〜(厚生労働省 2009年7月13日)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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