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2023年12月07日
野菜や大豆などの「植物性食品」が糖尿病リスクを低下 植物性タンパク質をバランス良く食べると効果
野菜・全粒穀物・豆類・ナッツ類・大豆など、植物性食品が中心の食事スタイルを続けると、糖尿病リスクが低下するという研究が発表された。
ハムやソーセージなどの加工肉を食べすぎている人は、2型糖尿病のリスクが高いことも報告されている。加工肉を植物性食品に置き換えることで、糖尿病リスクを軽減できるとしている。
肉・魚・卵・牛乳などの動物性食品にはタンパク質が多く含まれるが、食べすぎると動脈硬化の原因になる。動物性と植物性の食品をバランス良く食べることが大切としている。
植物性食品が中心の食事が糖尿病リスクを低下
植物性食品が中心の食事スタイルを続けると、糖尿病リスクが低下するという研究を、米国のスタンフォード大学が発表した。 「肉類を食べすぎている人が、食べる量を減らすことで、心臓血管の健康が改善されることが知られています」と、同大学予防研究センターで栄養学を研究しているクリストファー ガードナー教授は言う。 「今回の研究では、野菜・全粒穀物・豆類・ナッツ類・大豆などの植物性食品を食べることが、健康のために有用であることが示されました」としている。 研究グループは今回、22組44人の一卵性双生児に参加してもらい、1人には植物性食品が中心のビーガン食を、もう1人には従来の食事を8週間続けてもらい、健康にどのような影響があらわれるかを調べた。 その結果、植物性食品が中心の食事をした人は、通常の食事をした人に比べ、インスリン値や体重、悪玉のLDLコレステロールが減少し、糖尿病リスクが低下していた。これらはすべて、心臓血管の健康状態の改善とも関連している。4週間で食事スタイルを健康的に変えられる
たとえば、植物性食品が中心の食事をした人のLDLコレステロールの平均値は、試験開始時は110.7mg/dLだったが、8週間後には95.5mg/dLに低下した。通常の食事をした人は118.5mg/dLから116.1mg/dLと、あまり変わらなかった。 さらに、植物性食品が中心の食事をした人は、空腹時インスリン値が20%低下し、体重も1.9kgより多く減らした。インスリン値の上昇は2型糖尿病の危険因子とされている。 参加者は、最初の4週間は、朝・昼・夕の3食の提供を受け、残りの4週間は、自分たちで食事の準備をした。期間中は「ダイエット ウィスパラー」と呼ばれる管理栄養士が、参加者の食事についての相談に対応した。 「食事の専門家によるアドバイスを受けながら、4週間で健康的な食事スタイルを身につけることは可能であることも示されました」と、ガードナー教授は指摘する。 「今回は、一卵性双生児を対象に研究することができました。双子は同じ家庭で育ち、生活スタイルを共有していることが多いため、生活スタイルの違いなどの因子の影響を取り除くことができ、遺伝的な背景を含めて調べることができました」としている。植物性食品を食べるとアンチエイジング効果も
ガードナー教授によると、植物性食品が中心の食事スタイルは、肉類などの動物性食品を多く食べる食事に比べて、▼体に悪い飽和脂肪酸を減らし、▼体に良い食物繊維を増やし、▼体重を減らせる点で有利だという。 植物性食品を取り入れることで、腸内細菌のバランスが改善し、細胞の老化に関係するテロメア(染色体の末端を保護している部位)が短くなるのを抑制でき、アンチエイジングの効果を期待でき、若々しくいられるようになるという。 「すべての人が、完全な菜食主義であるビーガンになる必要はありませんが、肉類などを食べすぎている人が、野菜や全粒穀物、豆類、大豆などの植物性食品を取り入れることで、多くのベネフィットを得られると考えられます」と、ガードナー教授は指摘している。加工肉を植物性食品に置き換えると糖尿病リスクを軽減できる
Cardiometabolic Effects of Omnivorous vs Vegan Diets in Identical TwinsA Randomized Clinical Trial (JAMA Netw Open 2023年11月30日)
Red meat consumption associated with increased type 2 diabetes risk (ハーバード公衆衛生大学院 2023年10月19日)
Red meat intake and risk of type 2 diabetes in a prospective cohort study of United States females and males (American Journal of Clinical Nutrition 2023年11月)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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