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2010年06月14日
糖尿病の新しい診断基準 HbA1cをより積極的に活用
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- 医療の進歩 糖尿病の検査(HbA1c 他) 糖尿病の診断基準
HbA1cは過去1、2ヵ月の平均血糖値を反映する指標。糖尿病の診断には血糖値の測定が必須だが、HbA1c検査がすでに普及しており、血糖コントロール指標に用いられている。
日本糖尿病学会はHbA1cを、1999年の診断基準の改訂から補助的手段としても取り入れている。また、HbA1cは特定健康診査(特定健診)や、糖尿病実態調査、国民健康・栄養調査などの調査にも広く活用されている。
そこで糖尿病学会では、HbA1cをより積極的に取り入れた新しい診断基準を策定した。新診断基準は今年7月1日に施行される。
糖尿病学会は2009年4月に「糖尿病診断基準に関する調査検討委員会」を組織、HbA1cの活用について検討してきた。HbA1cをより重視する背景として、「糖尿病とHbA1cに関するエビデンス(科学的な根拠)が飛躍的に集積されてきたこと」「すでに普及しており、測定精度も向上していること」を挙げている。
診断基準の改訂の要点として「HbA1cをより積極的に糖尿病の診断に取り入れ、糖尿病型の判定に新たにHbA1c値の基準を設ける」「血糖とHbA1cの同日測定を推奨し、血糖値とHbA1c値の双方が糖尿病型であれば1回の検査で糖尿病と診断可能にして、より早期からの糖尿病の診断・治療を促す」と示してい
一方、日本で使用されているJDS値で表記されたHbA1c値は、精度管理や標準化は世界に先駆けて進歩しているが、欧米などで使用されているNGSP値で表記されたHbA1c値と比較して、約0.4%低い値になるという問題がある。
この問題について、日本を含め国際臨床化学連合(IFCC)が中心となり、国際標準化について検討しているが、日本糖尿病学会では「実現には今後相当の時間を要する状況にある」と述べている。
声明ではNGSP値に相当する国際標準化されたHbA1cの対応についても公表し、「論文や学会
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