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2009年12月18日
中学女子の3割が「運動しない」 子供の運動習慣も二極化
小中学生の体力は昭和60年代をピークに低下し、特に女子を中心に学年が進むにつれ運動をしない傾向が強まっていることが、文部科学省が実施した「平成21年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」であきらかになった。
実施は昨年度に続き2回目で、今年4月から7月に、全国の小学5年と中学2年など191万人の児童を対象に実施。参加率は小学校が87%、中学校が84%だった。テストは握力、上体起こし、反復横とび、立ち幅とび、ボール投げなどの8種目。保健体育の授業に対する取組みや児童の意識、体力との相関についても調べた。
子供の体力は親世代に比べ低下、運動をしない子供が増加
調査では、子供の体力がピークだった昭和60年度と比べ低水準にとどまり、運動をしない子供が増えており、運動をする子供とそうでない子供の「二極化」が進んでいることが分かった。運動時間が長い子供ほど体力が高く、時間が短い子供では低下している傾向がみられる。
体力合計点はほとんどの項目が昭和60年度より低下している。中学生は50m走で女子が上回ったほかは、他種目全てで下回った。昭和60年度に比べ21年度で平均値が下回っている割合は、握力は男子59.1%、女子61.0%、ハンドボール投げは男子52.6%、女子66.8%。握力は60年度の男子平均が31.6kgに対し、21年度が29.8kg、ハンドボール投げは60年度が22.1m、21年度が21.2mだった。
1日の学校体育の授業以外での総運動時間をみたところ、運動時間が1日60分未満の割合は、中学男子で15.9%、女子で38.4%だった。小学性では男子の28.8%、女子の52.4%が該当する。特に中学女子では1日に「30分未満」が29.3%と、運動時間が少ない子供が多かった。
保健体育の授業で、運動しない生徒に「運動を習慣化させるための取組み」をしている学校では、そうでない学校に比べ、体力合計点が高い傾向がみられた。特に女子では「休み時間などに全員が運動やスポーツをする時間を設定している」学校は高い値を示し、「帰宅後や休日には生徒が積極的に体を動かすよう保護者に働きかけている」学校ではさらに高い値を示した。
一方、保健体育の授業以外で「体力の向上に係る取組みを継続的にしている」という学校は21.9%にとどまり、「なし」は72.5%で、前年調査とあまり変わらなかった。
肥満傾向児は人口の多い都会ほど少ない傾向
●肥満傾向児・痩身傾向児の出現率の算出・判定方法
肥満・痩身傾向児は、性別、年齢別、身長別標準体重から肥満度を算出し、肥満度が20%以上の者を「肥満傾向児」、マイナス20%以下の者を「痩身傾向児」としている。肥満度20%以上30%未満を「軽度軽度」、30%以上50%未満を「中等度肥満」、50%以上を「高度肥満」、マイナス20%以下マイナス30%未満を「やせ」、マイナス30%以下を「高度やせ」としている。
平成21年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果(文部科学省)
肥満・痩身傾向児は、性別、年齢別、身長別標準体重から肥満度を算出し、肥満度が20%以上の者を「肥満傾向児」、マイナス20%以下の者を「痩身傾向児」としている。肥満度20%以上30%未満を「軽度軽度」、30%以上50%未満を「中等度肥満」、50%以上を「高度肥満」、マイナス20%以下マイナス30%未満を「やせ」、マイナス30%以下を「高度やせ」としている。
肥満度(%)=〔実測体重(kg)−身長別標準体重(kg)〕÷身長別標準体重(kg)×100
日本学校保健会「児童・生徒の健康診断マニュアル(改訂版)」より
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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