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2024年05月08日
自然豊かな環境で運動すると糖尿病やうつ病のリスクが減少 緑の環境が運動を楽しくする
自然が豊かな環境で体を積極的に動かすことで、糖尿病・高血圧・肥満・心臓病などを予防・改善できることが明らかになった。
運動が健康に良いことは理解できていても、集団で行うスポーツやフィットネスなどの活動に参加する意欲や自信がなかったり、アクセスが困難である人は多くいる。
「そうした人々にとって、自然が豊かな環境で行う運動や身体活動は、より参加しやすく、はるかに幅広く活用できるものになりえます」と、研究者は指摘している。
自然豊かな環境で体を動かすと心と体に良い影響が
自然が豊かな環境で体を積極的に動かすことで、糖尿病・高血圧・肥満・心臓病などを予防・改善できることが、英国のエクセター大学の研究で明らかになった。 運動や身体活動を習慣として行うことは、心と体の両方の健康を促進する。自然が豊かな環境で体を動かすと、さらに効果を期待できるとしている。 10分間という短い時間でも、自然がある場所をウォーキングするだけで、ストレスを解消でき、心と体に良い影響があらわれるという。 「自然にふれる機会を増やし、運動をすることで、生活スタイルを健康的に変えていくと、健康を改善する効果を得られることは、これまでの研究でも示されています。自然にふれることは、薬物療法やカウンセリングにも匹敵する効果をもたらします」と、同大学の環境・人間健康センタージェームス グレリエ氏は言う。 グレリエ氏は、都市の緑化や水生環境が身体や精神にどのような影響をもたらすかなどを調べている国際研究である「ブルー ヘルス プロジェクト」にも携わっている。自然のある環境を整備し、運動を奨励すると何が変わる?
運動不足は、心血管疾患、2型糖尿病、がん、うつ病などのメンタルヘルス不調など、さまざまな疾患と関連している。 世界保健機関(WHO)によると、心臓病・脳卒中・糖尿病・がん・慢性肺疾患などの慢性疾患は、世界の74%の死亡の原因になっている。 WHOは、2022年に「身体活動に関する世界現状報告」を発表し、世界の人々の運動不足が現状のレベルにとどまった場合、2020年~2030年に世界で新たに5億人がこうした疾患を発症し、その治療費は年間に3,000億ドル(45兆円)以上に達すると予想している。 研究グループは今回、英国の主な横断調査のデータを用いて、自然環境でのレクリエーションなどの身体活動が、2型糖尿病、虚血性心疾患、脳卒中、がん、うつ病性障害などの6つの慢性疾患にどう影響するかを調べた。 とくにビーチや海岸、公園、田園地帯、さらに都市部のオープンスペースなどの自然が豊かな環境を整備して、運動を奨励すると何が変わるかを予測した。自然豊かな環境を整備し運動に取り組みやすくする政策が必要
その結果、英国では2019年に2,200万人の成人が週に1回以上、自然がある環境を訪れており、そうした環境で運動や身体活動を行うことで、年間に1万2,763件の2型糖尿病などの慢性疾患を予防でき、1億870万ポンド(214億円)の医療費を節約できることが示された。 「運動が健康に良いことは理解できていても、集団で行うスポーツやフィットネスなどの活動に参加する意欲や自信がなかったり、アクセスが困難である人は多くいます」と、グレリエ氏は言う。 「そうした人々にとって、自然が豊かな環境で行う運動や身体活動は、より参加しやすく、はるかに幅広く活用できるものになりえます」。 「地域住民の身体活動を増やし、運動不足を解消するための取り組みとして、公園などの自然のある環境を整備し、人々が運動に取り組みやすくする政策を選択するべきです」としている。 Physical activity in nature helps prevent several diseases, including depression and type 2 diabetes (エクセター大学 2024年4月25日)Valuing the health benefits of nature-based recreational physical activity in England (Environment International 2024年5月)
WHO highlights high cost of physical inactivity in first-ever global report (世界保健機関 2022年10月19日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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