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2023年09月21日
運動で糖尿病や高血圧を改善 ヨガやストレッチは効果が高い 夕食後の運動にも効き目が
健診でメタボや高血圧と判定された人が、ヨガやストレッチを取り入れた運動プログラムに3ヵ月取り組むと、血圧値が低下し、心臓血管が健康になり、10年間の心血管リスクも改善することが明らかになった。
2型糖尿病とともに生きる人が、運動をするときは、夕食後に行うのが効果が高いという研究も発表されている。
ヨガやストレッチを取り入れた運動は無理なく続けられる
古代インドから発祥したヨガは、現代ではアレンジが加えられ、身体的エクササイズの要素も取り入れられ、世界的に人気が高い。 ゆったりした呼吸に合わせて行うヨガは、身体的エクササイズや、ストレッチ運動の要素が含まれており、リラックスやストレス解消の効果も期待できる。 ヨガは、基本ポーズをおぼえれば初心者でも無理なくでき、自宅や室内、職場でも気軽に取り組める。コロナ禍でテレワークやリモートワークが増えた時期に、ヨガをはじめたという人も多い。 「運動を習慣として行うことを勧めても、"仕事や育児・介護、家事などで忙しい"などの理由で、運動を続けられないという人が多くみられます」と、ケベック心肺研究所の主任研究員であるポール ポワリエ氏は言う。 「ヨガやストレッチを取り入れた運動プログラムであれば、運動を無理なく続けられ、心血管リスクを軽減できる可能性があります」としている。ヨガやストレッチに取り組んだ人はより高い効果が
カナダのラヴァル大学や同研究所の研究グループは今回、健康診断で高血圧とメタボリックシンドロームと判定された60人の男女を対象に、(1) ウォーキングなどの有酸素運動や筋トレなどを1回30分、週5回行うグループと、(2) それらの運動に加えてヨガやストレッチにも取り組むグループに分けて比較した。 3ヵ月後、両グループで安静時の収縮期(最高)血圧、拡張期(最低)血圧、平均動脈血圧、心拍数が減少したが、ヨガにも取り組んだグループは最高血圧が10mmHg、ストレッチに取り組んだグループは4mmHg、それぞれより低下した。 ヨガにアプローチすることで、安静時の心拍数と、10年間の心血管疾患の発症を予測するリスクスコアも低下することが示された。 「ヨガに取り組んだ人は、より効果が高かったことが示されました。このプラス効果の根底にある正確なメカニズムについては完全には分かっていません」と、ポワリエ氏は指摘する。 「ヨガに取り組んだ人の方が、ストレッチのみの人よりも、より高かったことから、ヨガには他の運動にないベネフィットがあると予測されます」としている。1人ひとりに合ったずっと続けられる運動法を開発
健診などでメタボを指摘された人は、医療機関を受診して薬による治療をはじめる必要があるほどではないにしても、内臓脂肪がたまっていて、脂質・血圧・血糖の値が高めになっている。 「今回の研究は、血圧が高めの人を対象に、薬物療法以外の選択肢により血圧管理と肥満の解消をはかり、一次予防運動プログラムを開発することを目的としたものです」と、ポワリエは言う。 なお、メタボリックシンドロームの他の因子である高血糖や脂質異常に対しても、ヨガやストレッチを取り入れた運動プログラムは効果があるかを検証する研究も計画しているという。 「高血圧や糖尿病、脂質異常症などの健康リスクを抱える人にとって、自分が魅力的だと思うやり方で運動に取り組むことが大切です。運動にはストレス軽減の効果も期待でき、1人ひとりに合ったずっと続けられる運動のやり方を開発する必要があります」としている。 「ヨガやストレッチをどのように行うと、もっとも効果的かをさぐり体系化することも必要」と指摘している。糖尿病の人は運動を食後に行うとより効果が高い
Impact of Yoga on Global Cardiovascular Risk as an Add-On to a Regular Exercise Regimen in Patients With Hypertension (Canadian Journal of Cardiology 2022年12月7日)
Individuals with Type 2 Diabetes Should Exercise After Dinner (ミズリー大学 2015年2月17日)
Postdinner resistance exercise improves postprandial risk factors more effectively than predinner resistance exercise in patients with type 2 diabetes (Journal of Applied Physiology 2014年12月24日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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