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2023年08月07日

連休中は糖尿病の管理を乱しやすい 「6つの対策」で上手に乗り切る

 連休は、ふだんの生活スタイルを維持するのが難しく、糖尿病の管理を乱しやすい時期。この時期を上手に乗り切るために、簡単に実行できる6つの対策をご紹介する。

糖尿病の人にとって連休はストレスの多い時期

 糖尿病とともに生きる人にとって、連休や連休は、血糖管理や体調管理が難しくなる時期だ。ふだんと違う慌ただしい日が続き、とくに今年の夏は各地で記録的な猛暑となっているので、「ストレスを感じる」という人が少なくない。

 米国糖尿病学会(ADA)と米国心臓学会(AHA)は、2型糖尿病とともに生きる45歳以上の米国成人1,000人以上を対象にオンライン調査を行った。

 その結果、2型糖尿病の人のほぼ半数(49%)は、連休はふだんの日に比べて、糖尿病の管理が難しい時期と感じていることが分かった。

 食事を上手に管理できていると感じている人は、平日であれば4分の3(73%)に上るが、休日が続くと、その割合は半分(52%)にまで落ち込むことも示された。

 連休を健康に過ごすために、具体的にどうすれば良いのかが分からず戸惑っているという人も28%に上った。

糖尿病と付き合うことは休むことなく続くハードワーク

 「糖尿病とともに生きる人々は、心臓病、脳卒中、腎臓病などの深刻な合併症を予防するために、糖尿病を良好に管理する必要があります」と、コロラド大学医学部内分泌学科のロバート エッケル教授は言う。

 「食事療法や運動療法を行い、服薬や注射をきちんと守るのは、1年間休むことなく続くハードワークのようなものです」。

 「糖尿病のケアは特別なことをしているわけではありせん。糖尿病とともに生きる人にとって、健康的な生活スタイルや環境は、友人やご家族など、周囲にいるすべての人にとっても大切なものです」としている。

連休を「6つの対策」で上手に乗り切る

 「多くの人にとって、連休の連休は、健康的な食事を続けるのが難しくなります。この時期に血糖や血圧、コレステロールの管理を乱したり、体重を増やしてしまう人は少なくありません」と、ブリガム アンド ウィメンズ病院栄養学科のキャサリン マクマナス氏は言う

 「多くの人は連休に、帰省などで人と会う機会やイベントを予定しています。そうしたイベントを楽しめるようにするため、前もって計画を立てることが大切です」。

 ときにはルールを守れないで、羽目を外してしまうこともあるが、少しくらいなら気にしないことも大切だという。マクマナス氏が勧めているのは「90-10のルール」だ。これは、健康に良い規則正しい食事を90%守っていれば、10%は食べすぎや飲みすぎがあっても、全体で調整が効くというもの。

 「1日に3食を食べると、1週間の合計は21食になります。このうち2~3食は食べすぎても、それほど気にする必要はありません。でも、食事の乱れがそれ以上増えないようにするのも大切です」としている。

連休を上手に乗り切るための6つの対策

1 連休にどう過ごすか計画を練る
 連休は生活が不規則になりがちで、ふだん通りの食生活を続けるのが難しくなる。帰省して久しぶりに家族に会ったり、仕事の片付けをしたり、子供の相手をして過ごす時間が増えるなど、ストレスがたまりやすい時期でもある。
 事前に「いつ・どこで・何をするか」という予定を、カレンダーや手帳に書き留めておくと、健康的な食事や運動のための時間を確保できるようになる。

2 生活リズムを乱さないようにする
 連休は生活が乱れやすい時期だ。とくにコロナ禍では、自宅で過ごす時間が長くなり、生活リズムがいっそう乱れやすい。
 睡眠や体温、血圧、ホルモン分泌など体の基本的な機能はおよそ24時間のリズムを示す。この1日周期のリズムは「概日リズム」と呼ばれる。概日リズムを調整している「体内時計」は、生活習慣から大きな影響を受けている。
 ストレスは体内時計にも大きく影響するので、ストレスをためないようにすることが大切だ。体内時計を乱さないために、次のような工夫が役立つ――。

  • なるべく毎日決まった時間に起床・就寝する
  • 食事の時間はなるべく通常の生活に合わせるようにする
  • 毎日一定の時間、屋外で過ごし、体を動かすようにする
  • 散歩などリラックスできることをする
  • 夜は十分な睡眠をとる
  • 昼寝をする場合は30分以内にする

3 食べすぎたカロリーを燃焼するのは大変
 会食やパーティーが続くと、自分がどれだけ食べたかを把握するのが難しくなる。パーティーでは多くの料理が出るので、つい食べすぎてしまうという人は多い。
 1日の食事で脂肪の多い食品を500kcal分余計にとる生活が続くと、とりすぎたカロリーは1週間で3,500kcalになり、2週間で体重が1kg増える計算になる。
 増えすぎたカロリーを運動で燃焼するのは大変だ。食べすぎを防ぐことが、肥満を避けるためのもっとも有効な手段となる。
 会食などの予定があるときは、空腹の状態で行くとつい食べすぎてしまうので、食欲をコントロールしやすくするために、野菜や低糖質の食品、全粒粉パンなどを軽く食べてから出かけるようにする。

4 自分が何を食べたいのかを考えよう
 脳が満腹であると感知するために、食べはじめてから20分以上の時間が必要だ。食事では、なるべくゆっくり味わいながら食べよう。
 料理を皿に盛るときはなるべく小さいお皿を選ぶ。皿が小さいと食事の量を抑えられ、満足感も得やすいという研究結果がある。
 揚げ物やバターたっぷりの高カロリーの食品を避けて、肉や魚でも、できるだけシンプルに調理されたものを選ぼう。サラダはヘルシーと思いがちだが、油分たっぷりのドレッシングをかけると高カロリーになるので注意が必要だ。
 パーティーなどの目的は、食べることだけではなく、人との会話や交流。片手にお皿、もう片方に飲み物となると、人と話すのも大変になる。そう意識しておけば、食べすぎや飲みすぎを防げる。

5 食物繊維を十分にとる 糖質をとりすぎない
 食物繊維が豊富に含まれるカット野菜などを、台所のすぐ手が届く場所に置いておくと、野菜の不足を補うことができる。
 食物繊維は、食物が胃から小腸へ移動する時間を遅らせ、吸収を遅くする。糖質を含む食品がゆっくり吸収されるようになるので、インスリンの分泌が食べた分に追いつかない体質の人でも、食後の血糖値上昇をある程度抑えることができる。
 食物繊維が豊富に含まれる野菜を食べれば、満腹感を得やすくなり、食べすぎを抑えられる。100gの生の野菜に2~3gの食物繊維が含まれている。茹でてかさを減らせば、野菜をたくさん食べられる。
 また、カレー、うどん・そば、イモ類、フライドポテト、マッシュポテト、アップルパイ、デザートなどには糖質が多く含まれるので、注意が必要だ。
 3大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂肪)の中で、血糖を上昇させやすいのは炭水化物だ。食後の血糖値の上昇を抑えるために、玄米や全粒粉など食物繊維が豊富に含まれる精製されていない穀類をとったり、炭水化物をタンパク質や脂肪と同時にとり、炭水化物の消化・吸収を遅くする工夫が役立つ。

6 運動を続ける
 運動や身体活動は自然なストレス解消法になる。血糖や血圧の良好な管理や、肥満の予防・改善にもつながり、多くの健康上のメリットがある。
 30分の適度な運動を週に5日行うのが理想だが、それが難しい場合は、1日に10~15分のウォーキングなどの運動を1日に2~3回とりいれても効果がある。
 ウォーキング以外でも、掃除などの家事、家族との散歩、ガーデニング、サッカーなどの遊び、子供や孫と遊ぶなどなどの生活活動も立派な身体活動になる。
 運動を続けるために、一緒に運動する仲間をつくり励ましあったり、家族と一緒にウォーキングしたり、冬でも利用できる場所を確保するなどして対策しよう。

Survey: Holidays Place Extra Stress on People Managing Type 2 Diabetes (米国糖尿病学会 2021年12月14日)
Holiday Meal Planning (米国糖尿病学会)
Want to stay healthy over the holidays? (ハーバード大学医学部 2022年11月22日)
Healthy eating through the holidays (ハーバード大学医学部 2021年11月5日)
Tips to cheat safely on your healthy diet (ハーバード大学医学部 2020年12月1日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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