ニュース

2023年05月10日

高カロリーの甘い飲料を飲むと糖尿病リスクが上昇 コーヒー・お茶・牛乳に置き換えるとリスクは低下

 高カロリーで甘いコーラ、ソーダ、ジュースなどの清涼飲料を飲んでいる人は、2型糖尿病のリスクが高いことが、ハーバード公衆衛生大学院による大規模な研究で明らかになった。

 逆に、高カロリー飲料を、低カロリーのコーヒー・お茶・低脂肪牛乳・水などに置き換えると、死亡リスクは最大で18%減少する。

 「糖尿病とともに生きる人は、健康的な飲み物を選ぶことで、恩恵を受けられる可能性があります。飲み物は食事の重要な要素です」と研究者は指摘している。

糖質の多い甘い飲料が糖尿病リスクを上昇 飲み物は食事で大切

 コーラ、ソーダ、ジュースなどの糖質の多い高カロリーの清涼飲料を飲み過ぎている人は、2型糖尿病のリスクが高いことが、ハーバード公衆衛生大学院による大規模な研究で明らかになった。

 そうした高カロリーの甘い飲料を飲み過ぎている2型糖尿病の人は、心筋梗塞などの心血管疾患の発症や、早期死亡のリスクが上昇するという。

 逆に、高カロリー飲料を、低カロリーのコーヒー・お茶・低脂肪牛乳・水などに置き換えると、死亡リスクは最大で18%減少する。

 「糖尿病とともに生きる人は、健康的な飲み物を選ぶことで、恩恵を受けられる可能性があります。飲み物は食事の重要な要素です」と、同大学院栄養・疫学部門のチー スン氏は言う。

 「どのような飲料を飲むとベネフィットを得られるかを調べた研究は少ないので、知識のギャップを埋め、糖尿病の管理をより改善するために、新たな研究が必要です」。

関連情報

高カロリー飲料の回数が増えるごとに死亡リスクが上昇

 研究グループは今回、米国で実施されているコホート研究である「看護師健康調査」に参加した9,252人の女性と、「医療従事者追跡調査」に参加した3,519人の男性の、平均18.5年分の医療データを分析した。

 参加者の全員が、期間中に2型糖尿病を発症していた。参加者に、食事や運動などの生活スタイルや、病歴についての、アンケート調査に回答してもらった。さらに、2~4年ごとに、日常で飲んでいる飲料についても答えてもらった。

 その結果、高カロリーの甘い飲料を毎日飲んでいる人は、全死因による死亡リスクが高く、心血管疾患の発症リスクと死亡リスクがそれぞれ高いことが明らかになった。高カロリー飲料を飲む回数が1日1回増えるごとに、全死因による死亡率は8%上昇した。

低カロリーのコーヒー・お茶・牛乳・水などに置き換えるとリスクは低下

 逆に、コーヒー・お茶・低脂肪牛乳・普通の水など、より健康的な飲み物を習慣として飲んでいる人では、全死因による死亡リスクが低く、心血管疾患の発症リスクと死亡リスクもそれぞれ低かった。

 解析したところ、1日1杯の高カロリー飲料を1杯のコーヒーに置き換えると、全死因による死亡リスクは18%減少し、心血管疾患による死亡リスクは20%減少することが明らかになった。

 お茶でも、全死因による死亡リスクは16%減少し、心血管疾患による死亡リスクは24%減少。普通の水では、リスクはそれぞれ16%と20%減少し、低脂肪牛乳でも、それぞれ12%と19%減少した。

 さらに、糖質を低カロリー甘味料に置き換えるのも、リスクを減らすのに効果があることが分かった。

 高カロリー飲料を、低カロリー甘味料を使ったゼロカロリーや低カロリーのものに置き換えると、全死因による死亡リスクは8%減少し、心血管疾患による死亡リスクは15%減少した。

どの飲み物を選ぶかが大切 なるべく健康的な飲料を

 研究成果は、医学誌「ブリティッシュ メディカル ジャーナル」にオンライン掲載された。

 糖質は体のエネルギー源として欠かせない大切な栄養素だ。しかし、過剰に摂っていると、とくに食後の血糖値が高くなりやすくなり、「肥満」にもつながりやすい。

 摂取した糖分は、ブドウ糖として血管に入り、全身のエネルギー源になる。糖質を摂り過ぎると、血液中のブドウ糖が増えたり、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが通常より多く分泌され、脂肪が体に蓄積されやすくなる。さらにインスリンの分泌が足りなくなったり、分泌のタイミングが遅くなったり、その作用が低下すると、血糖値が上昇するようになる。

 なお、清涼飲料、菓子パン、チョコレートバー、スナック菓子などの高カロリーの食品や飲料などに含まれる糖類は、フルクトースなどを主成分とする異性化糖(添加糖)が多い。こうした糖質は砂糖よりも安価に大量生産ができる。

 「糖尿病とともに生きる人は、水分補給のやり方にも気を配る必要があります。今回の研究では、高カロリー飲料を、コーヒー・お茶・低脂肪牛乳・普通の水など、より健康的な飲料に置き換えると、健康上のベネフィットを得られることが分かりました」と、スン氏は言う。

 「どのような飲み物を選ぶかが、2型糖尿病の人の健康を高めるうえで、潜在的な役割を果たしている可能性があります」としている。

Bad for all, sugary drinks may raise early death risk for Type 2 diabetics (ハーバード大学 2023年4月19日)
The Nutrition Source: Sugary Drinks (ハーバード公衆衛生大学院 2023年4月)
Beverage consumption and mortality among adults with type 2 diabetes: prospective cohort study (ブリティッシュ メディカル ジャーナル 2023年4月19日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

play_circle_filled 記事の二次利用について

このページの
TOPへ ▲