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2022年01月07日

【PR】今こそ、コロナ禍の体験を振り返り、新たなリスクに備えよう ~糖尿病専門医からのメッセージ~

新型コロナウイルス感染症の流行(以下、コロナ禍)で、私たちの生活は大きく変化しました。変異を繰り返すウイルスに、感染対策の姿勢を崩すことは残念ながらしばらくできそうにありません。今、私たちにできることは何でしょうか? 糖尿病専門医の浜野久美子先生に、これまでの2年間のコロナ禍を振り返りながら、今後に生かすポイントを伺いました。

提供:サノフィ株式会社

浜野 久美子 先生
関東労災病院 糖尿病・内分泌内科 部長

エクササイズ動画やゲームなど、楽しんで続けられる運動習慣を

 コロナ禍以前から、日本人の座位時間(座って過ごす時間)が長いことが問題視されてきました。世界20カ国の中で日本人の座位時間が最も長いという研究結果もあるほどです。さらに、このコロナ禍で、特に在宅ワークに切り替わった患者さんでは座位時間が長くなってしまった印象です。日中の座位時間が死亡リスクを高めることが明らかになってきていますから、ぜひ、座りっぱなしにならないよう気をつけてほしいです。
 食事習慣については、コロナ禍で二極化したように感じています。外食や宴会の機会が減って、ご自宅で規則正しく栄養バランスの良い食事をとるようになった患者さんがおられる一方で、お家時間の充実とともにグルメ志向になって摂取カロリーが多くなったり、手軽な食事のデリバリーを頻繁に利用したりして、体重が増えたという患者さんもいました。
 実は私も、体重を増やしてしまった一人です。そこで運動不足を解消するため、エクササイズができるゲームを取り入れました。患者さんにもお勧めしています。患者さんとゲームの話題で盛り上がるなんてことも、コロナ禍になって初めての経験かもしれません。

ご存じですか? 虫歯でも、インフルエンザでも、「シックデイ」

 今回のコロナ禍で、シックデイに備えたという方はどれくらいおられるでしょうか。糖尿病の患者さんが感染症にかかって、発熱や嘔吐・下痢、食欲不振などで血糖コントロールが難しくなる状態を「シックデイ」と呼びます。シックデイには、インスリンの効きが悪くなって高血糖になりやすかったり、食べる量が少ないため薬が効きすぎて低血糖になったりと、血糖値が不安定になります。2型糖尿病では、食事量に応じて投薬を減量したり、薬の種類によっては服用を中止したりする必要があります。1型糖尿病ではたとえ食べられなくてもインスリン注射は完全に中止してはいけません。
 新型コロナに限らず、インフルエンザでも虫歯でもシックデイです。ぜひこの機会に主治医の先生と対策を見直してください。

糖尿病に関する悩みは、医師や看護師、薬剤師へ
医療費についても、ぜひ相談を

 「糖尿病ネットワーク」が患者さん419名を対象に実施したアンケートでは、コロナ禍で不安や悩みがある人は全体の5割弱おられ、そのうち不安や悩みを医療者に相談したことがない人が7割弱にのぼりました*。私はこれまで、医師には相談しにくいという患者さんでも、看護師や栄養士にはある程度相談いただいていると思っていたので、この結果を見て驚きました。他の多くの医療機関も同様だったと思いますが、感染抑制の観点から病院での滞在時間をできるだけ短くしようという方針で運営していましたから、そうしたことも影響しているのかもしれません。
 インスリン注射を処方されている患者さんは、高額な医療費を負担されています。さらにコロナ禍で収入が減り経済的に苦しんでおられる患者さんもおられます。そのような理由から、患者さんご自身でインスリン注射の量を減らしたり、空打ちをしなかったりしてインスリン費用を節約しなければならない方がおられるのは大変悲しいことです。
 私たち医療者が、患者さんの抱えるすべての悩みの受け皿になることはもちろんできませんが、少なくとも糖尿病に関することはお応えしたいと考えています。インスリンの治療費の悩みであっても、ぜひ医師や看護師、薬剤師に相談してみてください。

新型コロナ感染で糖尿病が発覚した人も!?
普段の血糖管理でリスクに備えよう

 私の病院でも多くの新型コロナ感染患者さんの治療にあたりました。その際に、初めて糖尿病が診断されたという方が少なくありませんでした。しかし、医療がひっ迫していた時期でしたから、新型コロナ感染症が治癒すれば即退院となってしまいました。遠方から運び込まれた患者さんも多く、すべてを私たちの病院でフォローすることは難しいため、糖尿病が未治療のままになっていないか大変気がかりです。そこで私の病院では、そうした患者さんに医療機関の紹介状と一緒にお手紙を送ることにしています。未治療の患者さんの一人でも多くの心に届くことを祈っています。
 新型コロナでは、糖尿病患者さんは重症化リスクが高いことがわかり、多くの患者さんが不安を持たれたことでしょう。しかし、糖尿病は決してハンディキャップではないと思っています。どうか、普段から規則正しい生活、適正な血糖管理を心がけてください。新型コロナはもちろん、これから起こりうるさまざまなリスクに皆さんが少しでも平常心で立ち向かえるよう、我々医療者も全力でサポートしていきたいと思います。

糖尿病未治療の患者さんに送付するという手紙と、関東労災病院 糖尿病・内分泌内科スタッフの皆さん。

*出典:「コロナ禍における糖尿病患者さんの不安や悩み」糖尿病ネットワークアンケート 2021年10月実施
https://dm-net.co.jp/enq/2021/036321.php

[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所

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