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2014年07月18日
血糖値を測定できるコンタクトレンズの開発 実用化に向けて前進
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- 医療の進歩 血糖自己測定(SMBG)
グーグルのスマートレンズ技術が、糖尿病患者の治療を支援する段階に一歩近づいた。このコンタクトレンズの実用化を5年以内に達成するのが目標だ。実用化されれば、糖尿病患者が苦痛なしに連続的に血糖値を測定できるようになるという。
レンズを装着するだけで血糖測定を開始

Googleのスマートレンズ技術は、目の中の涙液を継続的に測り、血糖値に換算して、ワイヤレスでモバイル機器に送信するというもの。
スマートレンズには、センサー、アンテナ、マイクロチップなどが組み込まれている。2層のレンズに挟まれたセンサーやアンテナは、ヒトの髪の毛よりも細く作られている。レンズには微小な孔があり、そこから入った涙がセンサーに届く仕組みになっている。
この技術の大きな目的は、糖尿病患者を支援することだ。現在、血糖値をはかるために、血糖自己測定が行われており、糖尿病患者は日に数回、指先などを穿刺し採血する必要がある。測定器が進歩し必要な血液量が微量になり、穿刺器具も改良されているが、穿刺はやはり苦痛をともなう。
開発中のスマートレンズであれば、レンズを装着するだけで血糖値をはかれるので、患者にとっては苦痛がない検査法となる。血糖値を常にモニタリングできるので、良好な血糖コントロールに貢献できると期待されている。

グーグルは、視力を補正するスマートレンズも進めている。デジタルカメラに備わっているようなオートフォーカス機能を備えたコンタクトレンズが考えられている。近視、遠視など目の焦点調節能力の障害の度合いに応じて、また読書や運転など用途に応じて自動調整するコンタクトレンズや眼内レンズの開発に取り組んでいる。
Novartis to license Google "smart lens" technology(ノバルティス 2014年7月15日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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