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2014年04月11日
人工膵臓の実現に向けて前進 30分後の血糖値を正確に予測
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血糖値はインスリン、食事内容、身体活動の状態などによって複雑に変動する。この変動がどの程度大きくなるかは、個人によって異なっている。低血糖症状への対策が遅れるのは深刻な問題だ。
「ここ10年間で、身体埋め込み型や携帯型の人工膵臓が開発され、臨床試験が行われました。血糖値とインスリンの反応性についての実測データが集積されてきましたが、このデータをもとにアルゴリズムを解析しつつ、適切なインスリン投与を個々の患者に最適化する研究が行われています」と、ペンシルベニア州立大学の特別教授であるピーター モレナール氏は話す。
研究チームは、数学的な解析により血中インスリン濃度と血糖値を正確に予測するモデルを構築しようと試みた。動的システムの状態を予測するために、「拡張カルマンフィルタ」と呼ばれる関数プログラムを用いて血糖値の変動モデルを作成した。このモデルはインスリン投与と食事による24時間の血糖変動を時間ごとに予測するよう構成されている。このモデルの正確さについて、研究者らはFDAの認可した1型糖尿病をシミュレートしたUVa/Padovaというコンピュータモデルを用いて検証した。30人の仮想的1型糖尿病患者と、5人の実際の1型糖尿病患者を対象に検討を行った。
同じ患者においても、また違った患者間においても、インスリン投与量と食事により血糖値はダイナミックに変動したが、開発した変動モデルは、90%の正確さで血糖値を予測できることが示された。
「血糖変動を正確に読み取り、血糖値を正確に予測することで、30分間の余裕をもって対処することができれば、血糖値が変化することが分かった時点でインスリンを適切に投与することができるようになります。開発した回帰的予測曲線によるパラメータモデルはどんな患者にも対応できます。人工膵臓の実現に近づいたと言えます」と、モレナール氏は述べている。
Model predicts blood glucose levels 30 minutes later(ペンシルベニア州立大学 2014年3月25日)
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