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2014年04月11日
人工膵臓の実現に向けて前進 30分後の血糖値を正確に予測
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1型糖尿病患者の30分後の血糖値を90%の正確さで予測できるアルゴリズム(数学的モデル)を、ペンシルベニア州立大学の研究者らが開発した。30分後の血糖値が予測できれば、インスリンによる血糖コントロールをより正確に行えるようになる。
インスリンポンプとCGMを組み合わせた人工膵臓
インスリンポンプ療法(CSII)の利便性は改善されており、欧米では1型糖尿病患者を中心に普及している。インスリンポンプには、血糖変化に合わせて30分ごとに医師によってプログラムされたインスリン量を24時間持続的に注入したり、食事や高血糖でインスリンの追加が必要な場合にインスリンを追加投与できる機能が備わっている。
一方、持続血糖モニタリング(CGM)は、皮下組織にセンサを装着し、連続的にグルコース濃度の推移(変動)をみる測定法。1日に数回の血糖自己測定(SMBG)に比べ、測定回数が格段に多く、血糖値の日内変動を詳しく把握できる。
米国などでは、モニターとセンサーの無線交信により、直近の血糖値が画面に表示される「リアルタイムCGM」が臨床で用いられている。2006年にはインスリンポンプとリアルタイムCGMを併用した機器も登場し、低血糖の増加なく血糖コントロールの改善が可能となった。
さらに、低血糖時に自動的にインスリンポンプのインスリン基礎注入を一時停止する機能が付加された機種が開発され、欧米で使用されている。1型糖尿病患者を対象とした試験で、夜間低血糖の既往がある患者で夜間低血糖が有意な減少し、無自覚低血糖の危険性が高い患者でも重度〜中等皮の低血糖の有意な減少が報告された。
こうした成果を受けて、CGMで測定された血糖値により自動的にインスリンポンプからのインスリン注入が調節される「クローズドループ」のインスリンポンプの開発が行われている。それは、人工膵臓(artificial pancreas)とも言われており、近い将来に携帯型の人工膵臓が実現すれば、血糖コントロールの改善と低血糖の低減に貢献すると期待されている。
しかし血液中と皮下測定したブドウ精濃度にはタイムラグがあり、インスリン投与は皮下で行うため、効果で出るまでに遅れが生じるという問題点があり、アルゴリズムの改良など課題は残されていた。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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