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2014年04月11日
カロリー制限で寿命が延びる 「腹八分目が良い」は本当だった

米国コーネル大学の研究者が1930年代に、「カロリー制限によってラットの寿命が延びる」という実験結果を発表して以来、ミジンコや昆虫、さらにはマウス、サルなどの哺乳類にまで、カロリー制限が寿命延長に効果があると報告されてきた。
多くの研究者は、カロリー制限はヒトの寿命にも良い影響をもたらすだろうと考えたが、この議論には結論は出ていない。そこで、ヒトに近い動物であるサルを使い、カロリー制限が寿命や健康に与える影響の調査が開始された。
食事制限をしたサルには、通常のサルが摂取する量から30%のカロリーを制限した量のエサを与えた。
その結果、食べたいだけエサを食べてきたサルでは、疾患リスクは2.9倍に、死亡リスクは3倍に上昇していた。
制限なく好きなだけエサを食べたサルの多くは、心疾患やがん、糖尿病など、加齢に伴い発症率が増える疾病で死亡したのに対して、カロリー制限をしたサルの死亡は少なかった。
「いつでも好きなときに、食べたいだけエサを食べられる環境にいたサルは、明らかに過食の状態でした。自制心をもたず、いつでも食事ができて、好きなだけ食べ続ければ、やがて肥満や高血圧、2型糖尿病などが引き起こされます」と、WNPRCのリッキー コールマン博士は言う。
NIAとWNPRCの実験が異なる結果になったことについて、「NIAでの実験では、国立科学アカデミーが作成したヒトを対象とした標準食のチャートのデータをもとに、一定の量のカロリー制限を行いました。それに対して、WNPRCの実験では、アカゲザルに食べたいだけ食べさせて、そこから30%のカロリー制限を課した点が異なります」と、コールマン博士は説明する。
「NIAの場合は、結果として対照群でも10%程度のカロリー制限がされており、寿命延長の差にあらわれなかったのではないか」と述べている。
今回の実験により、食事のカロリーを制限することが、加齢に伴い増える生活習慣病の発症を抑え、寿命を延ばす可能性が高いことが裏付けられた。カロリーを制限することで、体の代謝の再プログラミングが行われる可能性が高いという。
「ただし、人間が食事のカロリー摂取を30%減らすのは難しいことです。極端なカロリー制限は勧められません。今回の研究は、カロリー制限がどのような効果をもたらすかを、基礎生物学の分野で解明したものです。人間を対象とした場合でもさらなる解明が期待されます」と述べている。
Monkey caloric restriction study shows big benefit; contradicts earlier study(ウィスコンシン大学 2014年4月1日)
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