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2014年02月25日
2型糖尿病に関連する7つの新たなDNA領域を発見
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今回の研究は、20ヵ国の研究者が参加した研究コンソーシアムによるもので、ヨーロッパ系、ヒスパニック系、アジア系の4つの民族集団から得られた遺伝子情報を統合したもの。糖尿病の遺伝子研究では、これまでで最大規模の研究となる。
研究チームは、4万8,000人以上の糖尿病患者と13万9,000人の非糖尿病者を対象に、300万を超える遺伝子多様体(genetic variation)について検討した。
その結果、糖尿病に影響を及ぼす遺伝的多様性を、多くが民族が共通してもっていることが判明した。特定された遺伝子領域のうち「ARL15」と「RREB1」の2つは、糖尿病の特徴である「高インスリン血症」と「高血糖」と強い関連を示す遺伝子に近接していた。
「世界中で実施された50件を超える研究データを統合し、糖尿病の発症リスクに影響する新たな遺伝子領域を発見することが可能となった。糖尿病罹患率など地域の影響を受ける微妙な因子についても検出が可能になる」と、オックスフォード大学人類遺伝学ウェルカムトラストセンターのマーク マッカーシー氏は話す。
糖尿病の遺伝的多様性の解明が進めば、糖尿病を発症する人と発症しない人では遺伝因子がどのように異なるのかを予測し、より効果的な治療法を選べるようになる可能性がある。
これまで「ゲノム・ワイド関連研究」は欧州に中心に行われてきたが、今回の研究で他民族にも拡大することができた。今後は、南アジア系とアフリカ系の民族の遺伝子も解析する予定で、実現すればより詳しく、2型糖尿病の発症原因を解明する遺伝子マップを作成できるようになるという。
「今回の研究によって、基本的な生物学的プロセスがどのように2型糖尿病リスクに関与しているかを解明できるようになる。遺伝的影響は小さいかもしれないが、それぞれのシグナルが生物学的に示すものは大きい。得られた知見によって、糖尿病を予防・治療するための新たな治療法を開発できる可能性がある」と、研究の筆頭著者である英オックスフォード大学のアヌバー マハジャン氏は述べている。
「異なる民族集団の遺伝子データを統合することによって、糖尿病以外の他の疾患にも応用できる。心疾患やがんなどの病気には共通する遺伝子多様体が影響している可能性がある。公衆衛生面で大きな影響を及ぼす研究となる可能性がある」と、同大学のアンドリュー モーリス氏は指摘している。
Seven new genetic regions linked to type 2 diabetes(オックスフォード大学 2014年2月9日)
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