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2012年11月21日

2型糖尿病とうつ グループ療法は効果がある

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糖尿病合併症
 うつを併発している2型糖尿病患者をサポートするために、グループ療法は効果的だとする研究が発表された。「うつや不安といった情動をコントロールしながら、患者自身の気づきを促す認知行動療法が効果的だ」と研究者は指摘している。

 研究は、顕著なうつ症状を示す女性を対象に行われた。「糖尿病は治療期間が長く、患者による自己管理が重要な病気だ。合併症の不安や恐れもある。うつ病を併発する患者は少なくない」とロヨラ大学のスー ペンツコファー氏(看護学)は話す。

 「2型糖尿病をもつ人々の25%はうつ病を併発している。うつ病の頻度は女性の方が高く、男性の2倍に上る」とペンツコファー氏は指摘する。

 医師や周囲の人が、治療の大変さや不安など、患者が抱えるこころの問題を早く適切にケアしてあげることが、うつ状態にならないためには大切となる。また、うつ病になるきっかけが、解決困難な問題であったとしても、その問題へ対処するために、まずは抗うつ薬によって心のエネルギーを回復する必要がある。

 「しかし、抗うつ薬の使用には、患者の服薬コンプライアンスの問題がつきまとう。また、抗うつ薬の中には、血糖コントロールを悪くする副作用のあるものがある」とペンツコファー氏は説明する。

 そこで研究チームは、認知行動療法にもとづく治療プログラムの開発に着手した。研究に参加した74人のおよそ半数の38人は、「SWEEP」と呼ばれる看護師が主体となり運営されるグループ療法プログラムに参加し、残りの36人は通常の糖尿病の治療を受けた。医師と医療スタッフはどちらの群に対しても、通常通りの糖尿病の治療を行った。

 SWEEPは2型糖尿病をもつ女性のために開発された、認知行動療法にもとづく集団療法プログラム。グループ療法の形式をとっており、うつや不安、怒りといった情動が血糖コントロールにどのように影響するか、患者自身の気づきを促しながら理解を深めていこうという狙いがある。

 医療者はグループ療法プログラムに参加した患者に対しては、▽ストレスの徴候を自身で見極める方法、▽現状を偏ったやり方で認識していないかを検討し、消極的な考え方を減らす方法、▽セルフケア行動を身につけ、血糖コントロールの改善につなげる方法、▽周囲にいる家族などとの良好なコミュニケーションを実現する方法などについて、適宜にアドバイスをした。

 その結果、うつの割合は通常の治療のみを受けた患者では80%だったのに対し、6ヵ月間のグループ療法に参加した女性では35%に改善した。

 「2型糖尿病をもった人々をメンタル面から支援する対策が必要だ。今後は性差や民族、病態によって、どのような支援が必要となるかをみながら、プログラムを改良する必要がある」とペンツコファー氏は語っている。

Group Therapy is an Effective Treatment Option for Depressed Women with Type 2 Diabetes(ロヨラ大学 2012年10月3日)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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